口コミやレビューは、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。
良い口コミはもちろん、悪い口コミに対する適切な返信は、ユーザー満足度を向上させるだけでなく、口コミを閲覧している潜在的なユーザーに対しても好印象を与えるチャンスになります。
本コラムでは、口コミ返信の重要性について詳しく解説し、業種別で良い口コミと悪い口コミへの返信例を紹介します。
口コミへの返信が重要な理由
まずは、口コミへの返信が重要な理由について、具体的に見ていきましょう。
コミュニケーションによってユーザーと信頼構築するため
口コミへの返信は、ユーザーとコミュニケーションを取ることができる貴重な機会の1つです。口コミ投稿者だけでなく閲覧する第三者に対しても、ユーザーの声を大切にしている姿勢を示せる機会でもあります。
通常、口コミを書くユーザーは返信を期待しているわけではありません。裏を返せば、丁寧な返信をすれば、好印象を与えることができるはずです。
口コミや利用へのお礼はもちろん、お得情報や投稿された口コミを参考にサービスを改善する旨を記載することで、さらなる利用を促進し、売上向上につなげることができます。
良い評価を集めることも大切ですが、それ以上に、返信によってコミュニケーションを取ることで一層自社の魅力を伝え、信頼構築が期待できます。
UGCによる認知向上やファン化が進んでいるため
近年、UGCによる認知向上やファン化が進んでいます。UGCとは、User Generated Contentの略で「ユーザー生成コンテンツ」を意味します。UGCは、企業ではなくユーザーが作り発信するコンテンツのことです。
例えば、自社の製品を使った感想をユーザーがInstagramに写真付きで投稿しているものや、自社のサービスをユーザーが動画で紹介しているものが、UGCです。現在、多くの人がユーザー発信のコンテンツを購買や来店のきっかけにしています。
口コミへの返信は、UGCを生み出すきっかけになり得ます。ユーザーにとって企業や著名人などの公式ユーザーからの返信はそう多くなく、印象に残りやすい体験です。そのため、企業が口コミに対して丁寧に返信をすることで、「こんな返信があった」とユーザーがSNS投稿し、その投稿を見た第三者が企業に興味を持ってくれる可能性もあります。
以下のコラムでは、UGCについて詳しく解説しています。
ネガティブな口コミもポジティブに転換するため
口コミは、ポジティブなものばかりではありません。ネガティブな口コミに対する返信は、企業にとって重要なリスクヘッジです。悪い口コミに対する謝罪によって信頼を回復したり、適切な返信によって誤解を解消したりと、企業の対応力やユーザーへの配慮を示すことができます。
ユーザーの声に対して真摯に耳を傾け、ひたむきに対応する姿勢が伝われば、ネガティブな口コミへの対応はリスクヘッジになるだけでなく、ファン化にまでつながることもあるでしょう。
良い口コミ・悪い口コミへの返信例文
では、実際に口コミに返信する場合、どのような文章を作ればよいのでしょうか。良い口コミ・悪い口コミ両方に対する返信の例文をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
良い口コミへの返信例文
良い口コミへは、以下のような流れで文章を構成するのが効果的です。
- まず、来店への感謝を伝える
- ユーザー満足を高めるためのこだわりや日々の取り組みを伝える
- 次回の来店を促す言葉を添える
飲食店
- 口コミ:料理の味に対する賞賛
- 返信例:
ご来店いただきありがとうございました。さらに、貴重なご感想を投稿いただきありがとうございます。
〇〇は、当店のシェフが厳選した食材を利用した、こだわりの人気商品です。お料理にご満足いただけたようで、シェフやスタッフ一同、大変光栄に思っております。
今回はランチにてご利用いただきましたが、ディナータイムのメニューにもこだわっております。ぜひ一度ディナーメニューもご賞味ください。
またのご来店を、心よりお待ちしております。
アパレルショップ
- 口コミ:接客に対する賞賛
- 返信例:
この度は、当店をご利用いただきありがとうございました。
スタッフの接客をお褒めいただき、大変嬉しく思っております。スタッフにも共有いたしましたところ、心から喜んでおりました。
今後も〇〇様、およびお越しくださるお客さまにご満足いただけるよう、丁寧な接客を心掛けてまいります。
またのご来店を、心よりお待ちしております。
美容院
- 口コミ:仕上がりへの賞賛
- 返信例:
この度は、当店にお越しくださりありがとうございました!また、お忙しいなか素敵なご意見をしていただき心より感謝申し上げます。
〇〇様の髪質や普段のケアをお伺いし、ご自身でもセットしていただきやすいようにカット&カラーをさせていただきました。気に入っていただけて光栄です。
当店では、再度ご来店の方向けにクーポンを配布しています。ぜひホームページからご確認くださいませ。
またのご来店を心よりお待ちしております。
病院
- 口コミ:急病に対応してくれたとの賞賛
- 返信例:
〇〇クリニック 院長〇〇です。この度はご来院くださり、ありがとうございました。当院の急患対応にお褒めのお言葉をいただき、光栄です。
特に季節の変わり目は、突然体調を崩される方が増えます。当院では、なるべく急な患者様にも対応できるような体制づくりに努めております。
今後も患者様が安心して通院できる医院であり続けられるよう、スタッフ一同尽力いたします。お困りの際は、またいつでもご来院くださいませ。
スマートフォンアプリ
- 口コミ:機能が使いやすいとの賞賛
- 返信例:
いつもご利用いただき、ありがとうございます。また、ご意見をお寄せいただき、心より感謝を申し上げます。
私どもは、お客様にご満足いただけるよう日々機能について議論を重ね、アップデートしております。いただいたお褒めの言葉は、運営チームに共有し、今後の励みにさせていただきます。
これからも続々と新機能を追加し、パワーアップしていく予定です。これからもご利用いただけますと幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。
悪い口コミへの返信例文
悪い口コミへは、以下のような流れで文章を構成することをおすすめします。
- まず、来店への感謝を伝える
- 謝罪の言葉を記載する
- なるべく具体的な改善策を示す
飲食店
- 口コミ:料理の味に対するご不満
- 返信例:
ご来店ありがとうございました。また、貴重なご意見をお寄せいただきありがとうございます。
この度は〇〇様のご期待に添うお料理を提供できず、申し訳ございませんでした。
当店では、料理長のこだわりとスタッフの精進により、ご満足いただけるお料理を提供するよう努めております。今回の〇〇様のご意見も真摯に受け止め、さらなる改善を図ってまいります。
すべてのお客様にお料理をお楽しみいただくため、一層励んでまいります。
今後とも当店をよろしくお願いいたします。
アパレルショップ
- 口コミ:接客に対するご不満
- 返信例:
ご来店いただき誠にありがとうございました。
この度は当店スタッフの接客に配慮が行き届いておらず、ご不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ございません。
いただいたご意見をスタッフで共有し、今後同じようなことが起こらぬよう接客指導を徹底し、改善に努めてまいります。
引き続き、接客や商品の質向上に尽力いたしますので、今後ともご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
またのご来店を心よりお待ちしております。
美容院
- 口コミ:接客に対するご不満
- 返信例:
この度は、当店をご利用いただきありがとうございます。
スタッフの技術不足により、〇〇様にご満足いただける仕上がりをご提供できず、ご不快な思いをさせてしまいましたこと、お詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
もしよろしければ、トップスタイリストが責任を持ってお直しさせていただきます。お手数ですが、〇〇様のご都合がつく日をご連絡いただけますと幸いです。
また、〇〇様のご意見を参考にさせていただき、スタッフ一同の技術力向上に努めてまいります。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
病院
- 口コミ:病状や治療方針の説明がわかりづらかったとご不満
- 返信例:
ご来院いただき、誠にありがとうございます。
この度は丁寧さに欠けた説明により、ご不安な思いをさせてしまい申し訳ございません。もしよろしければ、改めてご説明させていただきますので、お電話をいただけますと幸いです。
〇〇様のご意見を重く受け止め、患者様に寄り添った丁寧な説明を行えるよう研修を実施いたします。さらなる改善によって、患者様に安心して通院いただける医院を目指してまいります。
貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
スマートフォンアプリ
- 口コミ:動きが重いというご不満
- 返信例:
アプリをご利用いただき、ありがとうございます。この度はご不便をおかけし、申し訳ございません。
いただいたご意見をもとに、スムーズな動作をご提供できるよう、さらなる改善を行います。
お客様のほうでも、アプリをお使いいただく前に端末の再起動や使っていないアプリを終了していただくと改善するケースがございます。また、通信環境のいい場所でご利用いただくことで、動きがスムーズになることがあります。お試しいただけますと幸いです。
よりよいサービスを提供できるよう、アップデートに努めてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
口コミに返信する際、意識すべきこと
ここからは、口コミに返信するときに気をつけたいことを、改めてまとめていきます。
適宜アレンジしてコピペ感を出さない
参考として、今回は口コミの返信例を記載しましたが、返信例をコピーして、そのまま貼り付けるのはNGです。
口コミが信頼構築や売上向上につながるのは、返信した企業の誠実さがユーザーに伝わるからこそです。一つひとつの口コミをきちんと読み、対応を考え、それぞれに適した返信をするからこそ、信頼関係は育まれます。
本記事以外にも、インターネットで検索すればさまざまな例文が出てきますが、適宜アレンジを加えてコピペ感を出さないように気をつけましょう。
定型文ではなく、個別的・具体的な内容で返信することが大切です。
一定の返信のトーンとスタイルを決める
口コミに返信する際は、自社のブランディングやイメージを反映して、トーンとスタイルを決めましょう。
適宜アレンジすることは大切ですが、毎回、異なる印象を与えてしまうと逆効果になりかねません。なぜなら、外部委託でサクラに書かせているような印象を与えてしまうおそれがあるからです。
口コミの返信を複数の担当者で行う際は、特に言葉選び・文章から伝わるテンション・敬語の度合い・絵文字の使用不使用などのトーンやスタイルを決めることが重要です。
一定のトーンやスタイルで、クオリティの高い返信ができるよう準備しましょう。
投稿者への理解を示す
例え悪い口コミや誤った口コミだとしても、まずはユーザーに対して理解を示すことが大切です。
特に不満や怒りが明らかに表れている口コミに対しては、さらに不快感を与えてしまわないよう、ユーザーの心情を理解して寄り添う姿勢が重要です。
本記事内「悪い口コミへの返信例文」でご紹介したように、「配慮が行き届いておらず」や「ご不安な思いをさせてしまい」など、ユーザーが書き込んでいる内容に合わせた寄り添う言葉を選ぶことで、信頼回復につながります。
お礼と謝罪をきちんと伝える
良い口コミに対してお礼を伝えることはもちろん、悪い口コミに対しても意見をもらったことに対してお礼を伝えましょう。
悪い口コミに対しては、自分たちに落ち度がないように感じたとしても、必ず謝罪を表現することも大切です。
ただし、明らかに自社に落ち度がない場合であれば、何に対しての謝罪かを明確に伝えることが大切です。自分たちはベストを尽くしていたことを前提に、第三者から見て個々のお客さまの心情が異なることを踏まえた謝罪であることが、伝わるような謝罪を心がけましょう。
例えば、多くのユーザーがおいしいと支持している料理であっても、それぞれの好みによって「おいしくない」と感じられ、口コミに記載されてしまうことがあります。このような場合は「ご期待に添えず申し訳ございません」と記載することで、落ち度に対してではなく、「期待」に対しての謝罪であることが伝わります。
謝罪をしつつも、ユーザー満足のために日々尽力していることを伝えながら、さらに改善を図っていくことを示せば好印象を与えられるでしょう。
自分たちに非がある場合は、指摘された問題に対して、なるべく具体的な対処法を伝え、安心して来店や購入できることを伝えることが大切です。
明らかに間違いと思われるときは、事実かどうかを確認する
明らかに店が違う場合や事実だとは思えない内容である場合は、確認を取るべきです。
「大変恐縮でございますが、お店をお間違えではありませんでしょうか」などと丁重に返信しましょう。また、「もし事実でしたら状況を確認させていただきたく、ご連絡いただけますと幸いです」など状況確認をしたい旨を伝えましょう。
たとえ投稿者本人から連絡が来なくても、第三者が見たときに誤解である可能性を示唆することができ、ほかのユーザーとの信頼関係を崩さずに済みます。
口コミから具体的な改善案を考える
口コミは、ユーザーの本音を知ることができる貴重な機会です。匿名である分、アンケート以上に本音に近いと言えるでしょう。
口コミを通して、ユーザーが自社に期待していることや改善点を把握し、新製品の開発や既存サービスの改良に活かしましょう。
ユーザーが本当に欲していることを反映すれば、売上アップにもつながるはずです。
まとめ
口コミへの返信の重要性について、ご理解いただけたでしょうか。
A8.netでは、口コミやレビュー記事を活用した売上・認知拡大の支援を行っています。
「自社商品の紹介が少なくて困っている」
「もっと世の中に自社ブランドを普及したい」など、
少しでも気になる点やお悩みがあれば、ぜひ下記のバナーより無料資料請求ください。