導入実績は累計26,000社以上。様々な業界、業種の方にご利用いただいております。
他社事例をご参考に、ぜひA8.netを活用してみてください。
農薬や化学肥料に頼らず育てられた季節の野菜や果物を中心に、環境に配慮してつくられたコーヒーや調味料などの加工品もオンラインショップで販売している「坂ノ途中」。
新規就農者のパートナーとなり、その農作物を組み合わせてお野菜セットにし、定期宅配でお届け。Instagramのフォロワーは6万人を超え、多くのユーザーから支持されています。
メディア取材や大型マーケティングイベントへの登壇など、EC業界からの注目度も高い同社。今回は、株式会社坂ノ途中のマーケティング担当の柏崎様にお話を伺いました。
本日はよろしくお願いいたします!
ではまず、坂ノ途中はどのようなブランドか教えてください。
坂ノ途中は、「100年先もつづく、農業を。」のビジョンを掲げ、化学合成農薬や化学肥料不使用の野菜や果物や、環境に配慮してつくられたコーヒーや調味料などの加工品を販売しています。環境負荷の小さい農業を広げ、100年先もつづく農業のかたちをつくることで、持続可能な社会にたどり着きたいと考えています。
持続可能な社会を実現するために、具体的にはどのようなことに取り組んでいますか?
弊社が提携している農家さんの約8割が、新しく農業をはじめた「新規就農者」です。就農を希望する方のなかには、有機農業など、農薬や化学肥料への依存度を減らした農業や、気候や土質に合わせた栽培スタイルを志す人がとても多いです。しかし、就農したばかりの農家さんは、収穫量も少なく不安定になりがちです。けれど、そうした農家さんは意欲が高く、品質が高いことが多いです。
彼らが安定した農業を続けていけるように、少量不安定な農作物を販売できる仕組みを考えていくことが、坂ノ途中のミッションです。お野菜セットでは、様々なお野菜をお届けしています。お客さまからは、「新しいお野菜との出会いがあって楽しい」「味わい深くておいしい」というお声をいただいています。
「坂ノ途中」を利用されるお客さまならではの特徴や、共通したインサイトはありますか?
30~60代を中心に、幅広い年代の方にご利用いただいています。1人暮らしの方や、3人以上のご家族がいるご家庭にもお使いいただいていますが、2人暮らしのご家庭が多くの割合を占めています。
旬のお野菜が届くことや、自分では買わないお野菜が届くことが利用のきっかけになっている方が多いことから、自宅に届くという便益以上に、「食」や「料理」を楽しむことを目的に利用されている方が多いと考えています。
農業や社会貢献に関心がある人もターゲットになるかと思うのですが、一方でそのユーザー層を狙うことは難しく感じました。実際にはどのようにアプローチしていますか?
そもそも農業に興味ある人は、何かしらの販路で有機野菜を手に取っていることが多いです。
すでに有機野菜を購入している層にアプローチするだけでは市場としては頭打ちになってしまうため、有機農業を広めるには、まだ有機野菜の購入経験がない人々にもアプローチし、市場で普及させる必要があります。そのため、農業や社会貢献に関心がある人々だけではなく、そうでないユーザーにもリーチすることが重要だと考えています。
競合他社との違い、強みを教えてください。
特徴的なのは、お野菜を農家さんから直接仕入れ、自社で検品から出荷まで完結していることです。
バイヤーチームが農家さんと丁寧にやり取りし、全国各地の産地を訪れて野菜を仕入れ、お客さまには様々なお野菜を楽しんでいただけるように、バランスの良いセットを組んでお届けしています。
年間500種類以上に及ぶ野菜のラインナップには、お野菜の説明書を付属しており、おすすめの調理法や豆知識、保存方法などを記載しています。こうすることで、スーパーでは見かけない珍しいお野菜のことを深く知って、より楽しんでいただけるように工夫しています。
いつもなら不慣れで避けてしまいがちな食材も、しっかりコミュニケーションをとって商品価値を正しく伝える点は、他にはない特徴ですね。
坂ノ途中の「お野菜セット」について、どのようなマーケティング戦略を展開していますか?
坂ノ途中のマーケティングでは、お客さまの「共感」が重要なポイントだと考えています。なかでも特徴的なのはアンバサダー制度ですね。
弊社のアンバサダーは、単なる販促のインフルエンサーというよりは元々お客さまで定期宅配も利用いただき、坂ノ途中のファンである方が多くいらっしゃいます。
野菜は生鮮食品のため、品質や鮮度がわからない状態、手に取って見ることができない状態で購入することは非常に勇気がいることです。だからこそ、ファンになっていただいているアンバサダーさんから、届いた野菜の写真や調理内容を紹介いただき、心理的なハードルを下げるように意識しています。
なるべく坂ノ途中のサービス自体を身近に感じられるように意識されていらっしゃるのですね。
はい。他にも京都にあるブックカフェ「本と野菜 OyOy(おいおい)」でポップアップイベントを行い、試食会などを通じて直接サービスを体験いただく取り組みも強化しています。
商品だけでなく、会社のビジョンやミッションに対する背景や想いを伝え、お客さまが共感してご購入いただけるように日々施策を練っています。
自社サービスに対するファンづくり・ファンマーケティングや、「100年先もつづく、農業を。」というビジョンを伝えるうえで、ユーザーとどのようにコミュニケーションを取っていますか?
先ほどのポップアップイベントは新規顧客向けですが、注文後のフォローアップにも徹底した社内体制が整っています。お客さま窓口のほか、マイページではお野菜の感想を伝える機能などもあり、顧客のフィードバックは社内で農家さんと共有され、サービス品質向上に活かされています。「産地担当メルマガ」では、農家さんとやり取りするチームのメンバーが得られた気づきや小話などを配信し、できるだけ農家さんとお客さんを切り分けないつながりを作っています。
実際にお客さまから頂いた声をもとにできたものはありますか?
「きほんのお野菜セット」という商品はお客さまの声がきっかけですね。それまでは、少し珍しいお野菜もセットに入る「旬のお野菜セット」のみだったのですが、小さいお子さんがいらっしゃるご家庭や、料理に慣れていない方だと調理が難しいという声をいただきました。そこで、コマツナや玉ねぎ、ニンジンといった日常的に使いやすい野菜を中心とした商品をリリースし、たくさんのご好評の声をいただきました。
お客さまと双方向的なコミュニケーションが取れているからこその動きですね!
続いて、坂ノ途中について、現在実施しているマーケティング施策はどのようなものがあるか教えてください。
現在マーケティング施策は、リスティング広告やアフィリエイト広告を中心に展開していますが、最近は特にInstagramに力を入れています。アフィリエイト広告のSNSメディアと弊社Instagram内での相互関係も考慮しながら活動していますね。
直近では広報担当のメンバーも増え、プレスリリースや広報活動も実施しているほか、定期宅配における初回顧客の転換率を重視し、CRMやフォローメールの送信も強化しています。
基本的にはすべて野菜の定期便の訴求なのでしょうか。
そうですね。基本的には野菜定期便の広告をメインで運用しています。今後は他の商品も注力していきたいと考えていて、お米やコーヒーの定期宅配といった別商材の販促にも注力し、野菜定期便だけに依存しないビジネスモデルを目指したいと考えています。
マーケティング施策を展開していく上で、近年のユーザーの消費行動について、変化を感じる点はありますか?
やはり最近はインフルエンサー市場が伸びていると思っています。なかでも最近のインフルエンサーマーケティングは、単に影響力のある人が商品を紹介するだけでなく、インフルエンサー自身が商品を実際に気に入り、自分の言葉で伝えることの重要性が高まっています。
いわば、「影響力のある人が言えばなんでも売れる時代」から変化しつつあるということでしょうか。
はい。キャンペーンや広告においても、ただ安いことを打ち出すだけで消費者に動いてもらうことは難しく、キャンペーン実施の背景にある意味や目的まで伝えるなど、「本物」であることが求められています。実際にお客さまとの関係構築や継続率にも影響があります。
例えば、全員のお客さまに決まった内容を送るような単調なアプローチではなく、お客さま一人ひとり異なる生活環境やニーズに応じて、適切な情報を届けていくことが重要だと感じます。
A8.netをご導入いただいた理由を教えてください。
当初、獲得強化の手段としてアフィリエイト広告を導入しました。現在はオーガニックな流入や自社サイトへの誘導だけでなく、認知度を高める役割としてもアフィリエイトを活用しています。
A8.netは、最大手としての信頼性が導入のきっかけになったと伺っております。
他にもASPは導入していますか?
もともとはA8.netを含めて3社を利用していましたが、ここ数年でインフルエンサー施策を強化することを目的に、1社増やしました。今後も基本的に、4社で運用を続けていく予定です。
例えば、「このASPなら続けたい」と感じる要素は、なにかありますか?
普段の担当者さんとのコミュニケーションと規模感が大きいと考えています。A8.netはASP内で存在感も大きく、獲得件数や提携メディア数も最も多いです。長期間継続することで提携メディア数も増え、特にSEOメディアでは記事をブラッシュアップしてもらいながら継続的に獲得できているため、安定した成果につながっています。
今後はインフルエンサーやSNSメディアとの提携も強化していきたいですね。
やはりビジネスパートナー的な側面で、安定した売り上げはもちろん、コミュニケーションコストなどにおいても不便を感じないことはASPを選ぶポイントになりそうですね。
坂ノ途中は主にどのようなアフィリエイトメディアの方から掲載されていますか?
最近はSNSメディアも増加傾向にありますが、弊社の主な露出先としてはSEOメディアが多いですね。なかでもランキング形式のサイトが多いのですが、「金額」や「使いやすさ」など自社では伝えにくい他社との差別化ポイントを明確に示すことができるので、消費者にとっても有益だと考えています。
SEO・SNS各メディアに共通する要素として、例えば「発酵食品を広めたい」という想いを持っていたり、「サステナビリティを重視したい」という方向けに特化していたりと、特定の軸を持っていることが多いと感じます。単なるレシピ集サイトやアカウントではなく、+αで特徴や信念を持ったメディアさんが多いです。
A8.net経由で掲載しているメディアの方の掲載内容と、 他社さまのASP経由のメディアさんの掲載内容に違いはありますか?
大手企業が運営するような法人のメディアさんや、SEOに注力しているプロの運営者のサイトが多いと思います。コンテンツの質が高く整理されており、お客さまが欲しい情報を提供し、一方通行ではない記事内容になっていると感じます。A8.netからの獲得件数が多いのは、上記の要素が大きく影響していると考えています。
一方、他社ASPさまの場合、個人やインフルエンサーが主体となっているメディアさんが多いため、信頼感を個人に求める傾向があります。狭く深くコミュニケーションをとるSNSメディアと、幅広いユーザーにリーチするためのSEOメディアを併用することが重要だと考えており、A8.netのメディアさんでは後者の割合が高い印象です。
印象に残っている紹介内容はありますか?
坂ノ途中は、継続してご利用いただくことで商品の良さを理解してもらうために、「定期便の送料3回分無料」という施策を実施しているのですが、あるメディアの方がサブスクリプションの特性も含めて、継続的に利用したことで感じた感想を紹介してくれたことがありました。プログラムで伝えられた内容を適切に理解し、表現してくれていると感じたのをよく覚えています。
やはり実際に獲得につながっているメディアさんは、弊社のビジョンやミッションに共感いただき、自分の言葉でサービスを伝えてくれる方が多いです。
御社の考えるお客さまとの丁寧なコミュニケーションの取り方と、共通している点があったのかもしれないですね。ありがとうございます!
A8.net導入後、ユーザー数や売上の増加など数値的な影響・効果は見られましたか?
新規定期件数の13〜15%ほどをアフィリエイト広告が担っているのですが、その中の10%をA8.netが毎月コンスタントに獲得できていることは特に大きいですね。
チャネルによって獲得数はばらつきがあることも多いのですが、A8.netは「この件数は毎月獲得できる」という安定感があります。私が毎月追っている目標は、新規獲得件数とか定期アクティブ件数などの数値になるのですが、それほど手を動かさずとも、安定して獲得できるチャネルがあることは非常に助かっています。
ありがとうございます。副次的な効果などもあるのでしょうか?
特にSNSメディアが認知度向上に貢献し、他のチャネルやWEB広告などにも好影響が出ています。YouTube広告を見た人がGoogleで検索するように、アフィリエイト広告ではSEOメディアやSNSメディアを通じて施策を展開することで指名検索と相互に影響し合い、副次的な認知拡大効果を生み出していると考えています。上記のような領域は、自社だけでは十分に対処できないため、非常にありがたいです。
各施策の横軸がつながっていく感覚ですね。
そうですね。企業からの発信と、ユーザー視点での発信は全く別物なので、相乗効果で獲得につながっているのは、施策継続を判断する上でも大きいです。
業務効率の側面で、なにか変化はありましたか?
自社でやっているからこそわかるのですが、アンバサダーやインフルエンサーとの個別のやり取りは報酬面やレギュレーションなど、多くの時間と労力を要します。
一方、A8.netではメールマガジンを活用することで、キャンペーン情報や商品の新機能などを一度に多数の人々に伝達できます。個別対応では1000人規模への同時連絡は難しいですが、一斉送信機能により大幅な効率化が可能なため、業務効率の向上という観点では非常に助かっています。
A8.netのサービスやスタッフの対応について、ご感想を教えてください。
いつも迅速なレスポンスで助かっています。メールでのコミュニケーションも早いですし、各施策の進捗をスムーズに進めることができるため、心強く感じていますね。何か物事を進めたいときに、1週間後には開始できるぐらいのスピード感で動いてくださるので、本当にスムーズです。
御社にとってA8.netとは、どのような存在ですか?
メディアさんとのコミュニケーションを安心してお任せできることに加えて、自社だけでは難しいユーザー視点のアプローチでサービスを紹介していく施策を進める上で、欠かせない存在だと考えています。
A8.netは、施策にあったメディアさんを提案いただきながら一緒に進めていくために、非常に大切なパートナーだと考えています。
今回は株式会社坂ノ途中に根付く丁寧なブランディングと、アフィリエイト広告のつながりについてお伺いしました。
国内の農業全体を見据えた事業ビジョンと、それを実現するための顧客とのコミュニケーションは非常に参考にしたい内容でした。
A8.netでは、アフィリエイト広告出稿に関する個別相談も承っております。
みなさまからのご連絡をスタッフ一同心よりお待ちしております。
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて2024年8月時点のものです。