SNSの普及やコロナ禍による人々の消費行動の変容によって、多くの企業でEC事業を強化する動きが強くなりました。
今回インタビューさせていただいた、株式会社エンクルもこれまでの店舗販売メインの業態からEC事業を拡大した企業様です。
北海道・札幌にあるジェラート専門店『GELATERIA GELABO』は、多い日には1日1200名以上の来店客が訪れる大人気店。
素材への徹底的なこだわりと職人が手間暇をかけて丁寧に作り上げたジェラートは地元の方々に愛されています。
こだわりの味を道外に届けていくために始まったEC事業は、軌道に乗るまでに様々な苦難があったそうです。
そんなGELATERIA GELABOの歩みを株式会社エンクル代表の笹川様、EC担当の石沢様に伺いました。
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ジェラート職人による圧倒的なこだわり。「GELATERIA GELABO」とは
A8.net編集部
本日はよろしくお願いします!
では早速ですが、「GELATERIA GELABO」のブランドコンセプトについて教えてください。
笹川さん
もともと弊社は12年ほど前に洋菓子店を営んでおり、6年ほど経った際にもっと北海道にいる意味や北海道のものを広く売っていきたいという想いが芽生えました。
そこで北海道にいるメリットや北海道らしいものを売ると考えた時にジェラートがいいのではないかと思い、ジェラート屋を始めました。
洋菓子店がスイーツラボという名前のお店だったので、ジェラートとラボをくっつけてジェラテリアジェラボという名前になりました。
A8.net編集部
やはり地元・北海道の素材を使った商品というのはひとつの軸になっていましたか?
笹川さん
そうですね。北海道を豊かにしていきたいという気持ちがありました。
北海道は食材や立地など世界的に見て魅力的な場所ではあるのですが、その一方で平均収入が低かったり、貧しい土地でもあります。
そういった状況を打破していくには、道外にものを売って国内であれ海外であれ外貨を獲得していかなければいけないということもあり、どんどん北海道の外に売っていけるものを軸に考えていました。
A8.net編集部
では続いて、「GELATERIA GELABO」の商品の特徴、強みを教えてください。
笹川さん
やはり北海道という土地柄、良質な牛乳が手に入るというのがまずあります。
GELATERIA GELABOでは赤井川村にある山中牧場の低温殺菌牛乳を使っています。
笹川さん
低温殺菌牛乳はとれたての生乳に近い味わいを持っていますが、その一方で賞味期限が5日しかないという特徴があります。牧場から店に着いた時には残り4日になってしまうのでスーパーなどでは売られておらず、少し扱いづらいのです。
ですが低温殺菌牛乳で作ったジェラートは本当に美味しく、たくさんのお客様に来てもらえれば在庫ロスにならずに低温殺菌牛乳を使い続けることもできるため、低温殺菌牛乳にこだわってジェラートを作っています。
A8.net編集部
市場に出回らない貴重な牛乳を使っているんですね!
フルーツのジェラートもすごく特徴的ですよね。
笹川さん
はい。フルーツのジェラートが美味しいという声も頂いています。
例えばフルーツのジェラートであれば、大量生産しているものや安く販売したい企業の場合だとフルーツのピューレを使い、そこに砂糖と水を入れて作っています。
弊社の場合はピューレはほとんど使わず、フルーツを入れている量が圧倒的に多いという特徴があります。
笹川さん
ものによっては「フルーツを食べるよりフルーツの味がする」といった声も頂いています。全てのジェラートに時間とお金をかけて丁寧に作っています。
A8.net編集部
聞いているだけで絶対に美味しいのが伝わりますね…
プログラムの紹介文には「一時3ヶ月待ちとなるほどの人気」との記載がありましたが、こちらはどういった背景があったのでしょうか?
笹川さん
これはたまたまラッキーだった部分もあるのですが、2021年の3月頃に全国のゴールデンタイムのグルメ番組に取り上げていただきました。
当時ちょうどコロナの真っ只中、お取り寄せグルメが注目されている状況で、放送された瞬間から注文が殺到しました。放送の翌朝までは受け付けようということになったのですが、翌朝には4000件の注文が入っていて、そこで一旦ストップしました。
ですがその後3日間ほど電話やメールが鳴り続ける状況で一旦全てお断りしていたのですが、それでも4000件を発送完了するまでに3ヶ月半ほどかかりました。そのため3ヶ月半ほど受注を停止していた状態になります。
A8.net編集部
笹川さん
そうですね。ただ実際はシステムがパンクしたり、急遽人員の増加も行ったこともあり売上利益が爆発的に上がったわけではないですが、認知度はかなり広がったのでそういった面ではいい機会だったと思います。
A8.net編集部
そんな裏話があったのですね。ただ利益にはつながらずとも認知度が大きく上がったことで反響を呼ぶきっかけになったということですね!
では続いてGELATERIA GELABOの主なターゲットユーザーを教えてください。
笹川さん
ジェラートという商品上ターゲットはかなり幅広いのですが、ネットでものを買うリテラシーがあることと、購買に対するハードルを踏まえて20代後半〜40代の男女をメインに考えていました。どちらかというと女性が少し多いイメージです。
A8.net編集部
実際に来店されるお客様もそのような年代の方が多いですか?
笹川さん
来店になるともっと幅広くて、1歳2歳のお子さんから80代のおじいちゃんおばあちゃんまでになります。メインは子連れの3、40代ファミリー層が多くなっています。
A8.net編集部
例えばファミリー層やカップル層などによって、購入される商品に違いはありますか?
笹川さん
そうですね。ジェラートは大体12〜16種類ぐらいショーケースに入っていて、平日と週末でそれぞれ偏りがあります。
ファミリー層であれば子供が食べやすいミルクやチョコレート、いちご系が人気ですし、平日の夜など大人の方が来店される時間帯であれば、変わり種のフレーバーなどが売れることもあります。
A8.net編集部
幅広い世代で楽しめるラインナップなのですね。ぜひ行ってみたいです!
2
クオリティが保てなければ、店舗展開はしない
A8.net編集部
では続いて「GELATERIA GELABO」のブランドとしての位置づけを教えてください。
笹川さん
手前味噌ではあるのですが、GELATERIA GELABOは日本でも五本の指折りのジェラート店だと思っています。
しっかりと良いものを届けて納得していただく、本物を食べたい方へ届けるジェラートとして考えています。
一般的にアイスであまり美味しくないものはそうそうないイメージがあるかと思います。ですが、もっと本当にこだわって作ったジェラートはこんなに美味しいんだよということを多くの方に知っていただきたいです。
A8.net編集部
まさにジェラートの中のジェラートとしてこだわったものを提供したいということですね!
ちなみにジェラート市場としてはどこに参入余地を見出したのでしょうか?
笹川さん
洋菓子店からジェラート屋に踏み出す際に、「北海道を打ち出しやすい」「食べてもらいやすい」「味の違いをわかってもらいやすい」という点を考えました。
アイスって北海道産というだけでもちょっと美味しそうに聞こえる部分があると思います。ある種ちょっとずるい部分かもしれません(笑)
でもそういう「ずるい」土地にいる分、そのメリットを生かさない手はないと思ったこともきっかけです。
A8.net編集部
たしかに「北海道産」というだけでも強烈なブランド力がありますね!同じ味のアイスクリームでも「北海道産」とついているだけで選びたくなってしまいます!
現在はリアルでは札幌の専門店のみとなっていますが、今後北海道エリア以外への店舗展開などは考えているのでしょうか?
笹川さん
よく「フランチャイズさせてほしい」と別の企業からお誘いがあったり、お客様から「他の店舗出さないんですか」と聞かれることもあるのですが、実際私たちが作っているジェラートのクオリティを保つのはかなり至難だと思っています。
私たちが自分のお店を紹介する際、よくお寿司屋に例えています。
笹川さん
その日入ってきたフルーツを見極めて、角が立っていないかどうかや酸味が強過ぎないかなど様々な点を確認しています。
そんな風に日々フルーツを見ながらジェラートを作っていかなければならないので、その見極めができるかやクオリティを保ち続けることは、他店舗展開すると確実に残していけないなと考えています。
そうなると店舗展開というよりも、私たちが自信を持ったものをネットなどで販売していた方がより伝わるのではないかと考えているので、現状店舗展開は考えていません。
A8.net編集部
やはり作り手として絶対に妥協しないことが人気にも繋がっているのですね。
3
ECのノウハウが全くなかった環境でのスタート
A8.net編集部
では続いて、EC事業に関して伺いたいと思います。
ECサイトからの販売はいつ頃から実施しましたか?
笹川さん
やはり北海道の良さを外に伝えていくという想いがあるので、2016年の4月末にお店をオープンした当初からECをやることを決めていました。結果的にオープンから10ヶ月ほど遅れてEC事業をスタートしました。
A8.net編集部
お店のスタートとEC事業のスタートには時間差があったのですね。
ちなみに時間差が生じた理由は何だったのでしょうか?
笹川さん
やはりお届けする商品のクオリティの担保です。通販事業自体が初めてということもあって、発送の箱や冷凍の品質が保たれる方法は何か、カップはこれでいいのかなどの検討が重なりました。
しっかりと私たちが考えるクオリティーを保った状態でお客様にお届けできるレギュレーション構築は特に時間がかかりました。
A8.net編集部
実際にECサイトをオープンしてからの反響は大きかったですか?
笹川さん
いえ、元々ネット販売をメインに展開することを考えていたとはいえ、社内に全くノウハウもなかったので、実際にお店で買っていただいた方が東京のご友人に商品を送りたいといったケースや、北海道から引っ越しされた方がネットで注文したりといったリピーターの方からの需要に落ち着いていたのがブランド発足後からのここ2、3年でした。
A8.net編集部
あくまで来店して商品を知っていただいた方のリピート購入での利用が多かったということですね。
笹川さん
そうですね。過去に洋菓子店で経験がありGoogleの検索広告などをかけてはみたのですが、全く費用対効果が合わず、どうすれば認知度が広がっていくだろうと悩んでいました。
徐々にお店の人気が上がってきていたので、リピート購入などでEC自体の売上も伸びてはいたのですが、かなり緩やかに、じわじわ伸びているような状態でした。
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GELATERIA GELABOがマーケティングで大切にしていること
A8.net編集部
ECサイトでの集客にあたり、ブランド発足から現在まではどのようなマーケティング施策、広告施策を歩んできたのでしょうか?
笹川さん
発足から1年間はほとんど何もしていなかったです。強いて言えばInstagramのフォロワーは3000から4000人程いたので、そこで情報発信するぐらいでした。
発足から1年たった夏頃からGoogleの検索広告を月に3万程の予算で運用しました。ですが費用対効果が合わずに、当時アナリティクスもしっかり見られていなかったということもあり、停止してしまいました。
A8.net編集部
ちなみになぜ最初にGoogle広告に着手されたのでしょうか?
笹川さん
おそらく他の企業様も一緒かと思うのですが、そもそもGoogle広告しか知らないという方も多いのではないかと思います。
A8.net編集部
とりあえずGoogle広告は最初にやるものだというイメージがあったのでしょうか?
笹川さん
いえ、というよりは「広告といえば検索広告しかない」という感じです。当時はテレビラジオに出すか検索広告に出すくらいしか選択肢が浮かびませんでした。
ECに強くない会社の人だとそれしか選択肢が分からないので、テレビやラジオは高いし難しい、Google広告検索なら調べれば情報が出てくるし、ある程度少ない予算からでも運用ができるから始めるという方がほとんどだと思います。
A8.net編集部
確かに広告手段がわからないと動き出すのは難しいですよね…
広告を実施する以前にInstagramも運用していたという話があったかと思うのですが、これは扱っている商材的に相性がいいと考えて始められたのでしょうか?
笹川さん
そうですね。2016年に店をオープンする前、2015年の秋から工事を始めたのですが、ちょうどその頃にインスタ映えという言葉が出るか出ないかぐらいの時期でして、2016年の頭に店を作っている時にインスタグラムがプラットフォームとしてかなりきているなと思っていました。
なのでここを取っていかないと売上が伸びていかないと思い、それこそインスタ映えするお店にしていこうという意識でお店を設計しました。
牛のフィギュアをドーンと道路沿いに置いてみたりもしました(笑)
A8.net編集部
ホームページで拝見しました!やはりあそこは写真を撮りたくなりますよね(笑)
笹川さん
そうですね。おかげさまで当時はあれがフックになってSNS上にも牛がたくさん出てくるような状態になり、施策としてハマった感覚はあります。
A8.net編集部
ちなみに広告施策やマーケティング施策を検討するうえでの、判断の軸やポイントなどはありますか?
笹川さん
ブランドの成長具合や、どのフェーズにあるかによっても判断する軸は変わってくるかと思うのですが、立ち上げ時期であれば費用対効果は考えず1件獲得に1万円かかっても仕方がない時期はあると思います。
ただジェラート事業に関しては利益をしっかり確保していく時期、費用対効果が見込めるものに取り組む時期ではあるので、費用対効果はまず最も見るポイントになります。あとはブランド性を毀損しないものというところも意識しています。
A8.net編集部
あくまで今まで築き上げてきた素材に対するこだわり、牛乳に対するこだわり、その作り方に対するこだわりなど、築き上げてきたブランディングを崩さずに費用対効果の高いものを優先して考えていくということですね。
笹川さん
はい。ある程度検索していただければちゃんとしたものを作っているお店ということはネット上で伝わる状態になってきたと思うので、今は本当に買いたい人やジェラートを探している人に対して、検索し直して買ってもらうためのリーチをどこまで増やしていけるかということに焦点を当てています。
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A8.netを導入した理由
A8.net編集部
次にA8.netの導入についての質問となります。
アフィリエイト広告導入を検討に至った理由は何でしょうか?
笹川さん
まず、2021年の頃に今後店舗は増やさずに売上を倍増していくという会社の方針になりました。
それを実現するためには何が必要かを考えた時に、ECサイトで伸ばしていくことになり、2022年から動き始めて色々な情報を集めていく中で、アフィリエイト広告の検討に至りました。実はその3、4年程前からA8.netは知っていました。
そこでケーキ屋の事業で導入検討したのですが、初期費用でまとめて30万円ほど、ランニングコストがある程度かかってくることを考えた時に、ケーキ屋の事業はローカルでケーキを売っているだけなので、さすがに費用対効果が合わず見送りということになりました。
A8.net編集部
確かに店舗のみの販売となると、メディアにも紹介されにくいかもしれませんね…
笹川さん
はい、ただずっと効果がある広告であるということは分かっていました。最近ではまとめサイトなどの存在もさらに強くなっていると実感していて、まとめサイトのリンクを見るとA8.netなどのアフィリエイトリンクが入っていることも多かったので、アフィリエイト広告をやらないと認知度が広がらないと認識していました。
結果として2022年頃からアフィリエイト広告を実施決定し、アフィリエイト広告をやるなら最大手のA8.netでやろうということで、導入させていただきました。
A8.net編集部
ありがとうございます。
いわゆるまとめサイトのような、より広く多くの方に読まれるメディアに掲載することで、北海道以外でも一気に知名度を引き上げていくことを目的として導入したのでしょうか?
笹川さん
そうですね。弊社のようなメーカー業の想いとしては、ネットで売れている商品や流行っている商品を見ていると、スイーツばかり作っている私達からすれば「これが売れるのか」というものや商品としては弱いものがたくさんあって悔しい、忸怩たる思いがありました。
「メーカー業でもECのノウハウを付けていけば、ちゃんとしたものがお客さんにも広がるはず」という想いがあったので、そういった商品に打ち勝っていくには、言い方は悪いですが片っ端からやっていこうということになり、集客の基本となるものは全て実施する方針になりました。
A8.net編集部
笹川さんご自身の所感として、A8.netの導入でブランド自体の認知度が上がったり、注文が増えたりといったこれまでの課題感が解決された感覚はありましたか?
笹川さん
正直に言ってすごくあります。色々な施策をやっているのでアフィリエイトだけが要因ではないかもしれませんが、売上的には確実にアフィリエイトも上手くハマっていると思います。
まとめサイトで情報を得て他の方法で購入する、という方も十分いるとは思うので、単純な売上以上の効果も出ていると考えています。
実際にECサイトの売上は相当伸びています。去年までのゆっくり伸びていくレベルではなく、色々な施策を始めた2021年の8月9月頃からどんどんと売上が伸び、直近の2022年12月には本来閑散期にも関わらず、前年比較で約10倍の売上になりました。今後5月〜8月の繁忙期が怖いぐらい、むしろ耐えられるかというぐらい売上が伸びてきそうです。
A8.net編集部
それはよかったです!実際のお店とECの売上の割合はどの程度になるのですか?
笹川さん
2021年くらいまでは9:1くらいで店舗の比率が高かったです。2022年の後半にかけてはふるさと納税も始めたのでその影響もあるとは思いますが、12月に入ってECの売上が3倍になり、全体としては5:5もしくはそれ以上にECが伸びてきている状況です。おそらく来年には完全に逆転するのではないかと思います。
当初会社全体でECを伸ばしていく方針になった際に、2025年の1月に店舗とECで5:5の比率になるように目標を掲げていたのですが、すでにかなり目標に近い状態になっています。
A8.net編集部
ECが安定してくると、例えばお店が何かしらのトラブルで営業できなくなってしまった際の収入減をカバーするリスクヘッジとして機能する面もありますよね。
笹川さん
そうですね。EC自体は持ち帰りや店内飲食と違ってコロナの影響はそこまで影響はありませんでしたが、今後同じような状況になることも考えられますし、北海道以外からの外貨を獲得しないと北海道が豊かにならないことも考えると、地元だけで商売していても成長は難しいので、やはりECの売上を上げていく必要は改めて感じました。
A8.net編集部
そういった面のサポートにお役立ちできて嬉しいです。ありがとうございます!
ちなみに他社様も含め様々なASPがありますが、どのようにASPを絞っていったのでしょうか?
笹川さん
運用してからある程度期間が経っているのであまり詳しくは覚えていないのですが、どのASPを導入するかを考えた際に、それこそ同じようにまとめサイトを見たと思います。
A8.net編集部
笹川さん
はい。それで記事に書いてあるASPの中で費用対効果が最も見込めるであろう、A8.netさんに決めました。
例えばメディアさんからの満足度であったり、メディア登録サイト数などまとめたページがいくつかあって、その中で紹介されていたA8.netにご相談した形です。
A8.net編集部
そもそもA8.netがアフィリエイト広告のサービスですが、他のまとめサイトで商品を紹介するのと同じようにA8.net自体がコンテンツとして紹介されていたということですね。
笹川さん
そうですね。あとは札幌で広告運用してくれている会社のネット広告担当と話をしていて、「やっぱりアフィリエイト広告やるならA8.netじゃないか」という後押しがあったのもきっかけです。
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店舗:EC比率が劇的に改善〜EC事業の成長を支えた取り組みとは〜
A8.net編集部
では続いて導入後の具体的な施策について、EC担当の石沢さんにお伺いします。
「GELATERIA GELABO」の掲載面拡大にあたり、具体的にA8.net内で行った施策はありますか?
石沢さん
実は導入時に弊社単体で施策といった施策は特に行っておらず、強いていえばバナーを少し変えたぐらいです。A8.netのスタートアップチームからメディアのリストアップをいただいて掲載可能か交渉いただき、実際に掲載いただいたサイトから注文も頻繁に入っているので、とても嬉しく感じています。
A8.net編集部
そうだったのですね!
逆に言うと弊社のスタートアップチームからの様々な提案に対し、基本的にはご了承いただいて施策をどんどん進めていたような形でしょうか?
石沢さん
そうですね。全体的な流れとしてはそのようになります。
笹川さん
すごくスタートアップチームのフォローが手厚いなと思います。
私はアフィリエイトの窓口や実務などは行なっていないのですが、石沢とスタートアップチームとのメールを見るとすごく細かくやり取りして、色々な施策を提案していただいているなと思います。
正直こういったプラットフォームの担当者さんは、実際に導入を始めてからはあまり提案が来なくなってしまうケースも多いと思うのですが、すごくプッシュ型で提案いただけるのがありがたいです。
A8.net編集部
こちらこそありがとうございます!やはり連携が取れれば取れるほど施策は進みやすくなりますし、メディアに対してもどんどんプログラムを紹介できる弾みにもなるので、そういった意味で好循環が生まれているかもしれませんね!
ちなみに、弊社のスタートアップチームから提案させていただいた施策の中で印象に残っているものや効果が大きかった施策はありますか?
石沢さん
そうですね。ご提案いただいたメディア様の中で、某人気お取り寄せサイトランキングやママ向けポータルサイトに紹介いただいて、売上が上がっていたのは印象に残っています。すごく丁寧に記事を書いていただき、実際に売上にも繋がっているので、本当にありがたいなと思います。
あとは別プログラムになるのですが、マカロンのプログラムでInstagramに掲載いただき、売上が入っていたこともあったので、SNSのご提案なども非常にありがたいと思います。
A8.net編集部
スイーツという商材的にInstagramなどSNSとの相性も良さそうですね!
訴求としてはどのあたりがメインになるのでしょうか?
石沢さん
やはりご自身で食べていただいてのレビューやギフト訴求などがメインになっています。
A8.net編集部
お話を伺うと、弊社からの様々な施策提案の多くをご了承いただいて掲載面がどんどん広がり、売上にも繋がるという流れがスムーズに連動していたと思うのですが、アフィリエイト広告への広告予算はどのように決まっていたのでしょうか。
笹川さん
正直今アフィリエイト広告にどの程度予算をかけているか、完全には把握していないです。
基本的には月額のシステム利用料と、あとは成果報酬という形なので、基本的に月額費用はほぼ考えておらず、成果報酬型なのでいくら広告費が増えてもそのぶん売り上げに繋がっていれば問題ないとシンプルに考えています。
なので現在は特に予算上限なども考えずに運用しています。そういった面で成果報酬型は何の躊躇もなく進められるところがメリットだと思います。
A8.net編集部
ありがとうございます!
ちなみに笹川さんが考える、アフィリエイト成功の秘訣はなんですか?
笹川さん
弊社の場合、まず前提として強い商品力があることは大きいと思います。ちゃんとリーチできればちゃんと買っていただいて満足いただける自信はあって、ただそのリーチそのものができていなかったので伸び悩んでいたと考えています。そのリーチ力を補完するためにもアフィリエイト広告は圧倒的に効果があったと思います。
あとは、日々弊社とA8.netのスタートアップチームとの連携を積極的に行ってくれていることが売上に直結しているのだろうなと思います。
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導入後の思わぬ副産物
A8.net編集部
では次に売上以外という視点で、アフィリエイト広告が貢献できている点はありますか?
笹川さん
やはり検索しなおした際の後押しになっていたり、情報が広くネット上にあることへの安心感を生み出す後押しになっていること、あとは別のプログラムになるのですが、テレビ取材のお誘いを頂くこともありました。
そういったマスメディア取材へのきっかけにもつながっていると思いますし、私たちがSNSで発信している情報以上に商品購入の後押しに大きく寄与しているのだと思います。弊社はアフィリエイト広告を始めてから半年ほどですが、これがまた1年2年と経過した際により掲載効果が広がってくると思うので、今後の伸びしろにも期待しています。
A8.net編集部
かなりアフィリエイト広告への期待が膨らんできていますね!
元々はアフィリエイト広告の導入に対してどのようなイメージを持っていましたか?
笹川さん
元々はアフィリエイト広告に対して少し暗いイメージがありました。いわゆる「アフィリエイター」が売上のために過激な訴求をしたり、といったイメージで…
でも実際はもっと開かれているし、企業もメディア事業を行っているんだなと知りました。
あとはブログやまとめサイトのようなメディアにしか紹介されないイメージでいたのですが、楽天のポイントサイトなどもアフィリエイトで動いていることを知って、自分が思っている以上に幅広いメディアに掲載できるというのが意外でした。
A8.net編集部
やはり「アフィリエイター」という言葉が特に認知度が高くて、一般的には個人のイメージが強いですよね。実際は法人のいち事業としてメディア運営していることも多いですし、そのあたりはあまり知られていないかもしれませんね。
笹川さん
そうですね。なのでやってみないと勝負できないと思います。
仮にまとめサイトに掲載するとしても、ただ待っているだけでは掲載は難しいですし、時間もかかります。
そういった運に任せるよりは、D2Cならまずアフィリエイト広告をやらないと戦えない状態になっているのだと思います。ただ多くの企業の中でもあまりアフィリエイト広告のイメージがつかずに途中でやめてしまう、もしくはあまり知られていないこともあると思うので、それはとてももったいないです。
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「D2Cならアフィリエイトをやらないと戦えない状況になっている」
GELATERIA GELABOの今後
A8.net編集部
最後に今後の展望に関する質問となります。
「GELATERIA GELABO」のブランドとしての目標、オンラインショップの目標を教えてください。
笹川さん
ブランドとしての目標はやはり認知度を上げていくという点で、今は天猫という中国のモールなどにも出店していまして、国内外の販路を増やしていくということを考えています。
北海道は世界一ジェラートを作るのにぴったりな特別な土地だと思うので、この北海道で自信を持って作っているジェラートを伝えるためには、もっともっと販路を広げていかなくてはいけないなと感じています。
オンラインショップの目標については具体的な金額は伝えられないのですが、ジェラート事業では今から2年後に4倍程度の売上に伸ばしていきたいと思っています。今後更にECの売上は加速させていきたいので、ゆくゆくは店舗の売上よりもECが安定して上回れるような環境を構築していきたいです。
A8.net編集部
圧倒的なこだわりを持った商品を国内外に伝えていきたい!という大きな目標に向かって進むということですね!
では最後の最後、アフィリエイト広告を検討している企業に対して、伝えたいことがあれば教えてください。
笹川さん
少し脱線するのですが、変わった話がありまして。
例えばネットで何も調べずに飲食店に入るか考えている時、そのお店に入るか入らないかの違いは今いる店の前に立っている状態から、何かを食べて、お店を出て行くまでのイメージができるかどうかで決めるという話があります。
笹川さん
実際にお店に入ってからの席のイメージやメニューの内容、店内の雰囲気、お会計の金額、満足できるかどうかを一瞬で想像して、それができたらお店に入るのです。でも途中でメニューが分からなかったり、店員の雰囲気がわからなかったり、どこかでイメージが途切れると恐怖が生まれてお店に入らない。
人間は無意識のうちにそういうことをやっていて、ある種アフィリエイトをやるやらないと一緒だと思っています。
申し込んで実際にどんな画面で操作して、どれくらいの売上が出て、そういった部分が見えずに止まっていた部分があったのだと思います。私自身もそうでした。ただ実際にそういった部分を全て見せるのは難しいと思うので、結論を言うとまずは相談してみた方がいいよという話になります。
仮に導入して失敗しても大きな損失にはならないですし、飛び込んでみてほしいです。
A8.net編集部
そこまで心配し過ぎずに、チャレンジすることが大切ということですね。
笹川さん
はい、特にD2Cならアフィリエイト広告をやらないと戦えない状況になっていると思うので、ネットで少しでも売り上げを伸ばしたいなら、やるかやらないかではなくどこの会社でやるかという風に考えていいと思います。
アフィリエイト広告であれば他広告のように費用が垂れ流しになるということではないですし、やめたとしても記事が残ったりという副次的なメリットはあるので、やらない限りは戦えないですよということを伝えたいです。
仮にGoogle広告で何も成果が出ずに広告費用が垂れ流しになるよりは、アフィリエイトで何か残る形でやった方が有意義なものになります。フロー型ではなくストック型の広告なので、その点は安心して進めてほしいです。
A8.net編集部
本日は貴重なお話を頂き、誠にありがとうございました!
ASPはアフィリエイト・サービス・プロバイダの略で、Webサイトに広告を掲載したいメディア運営者(アフィリエイター)と広告を出稿する企業(広告主)を仲介するアフィリエイト広告の配信事業者です。独自のシステムで広告を管理し、広告主の広告をメディアに提供し、成果に基づいた報酬をメディアに支払います。A8.netもこのASPにあたります。