Instagramのアルゴリズムについて解説
Instagramに表示される投稿は、単なるランダムな並びではなく、利用者ごとの好みや興味関心に合わせてパーソナライズされています。
その背後では、複雑なアルゴリズムが働いており、Instagramは利用者に適した投稿を精密に選定しています。
本記事では、Instagramの公式情報をもとに、アルゴリズムの仕組みについて解説していきます。
もくじ
Instagramのアルゴリズムとは
Instagramのアルゴリズムとは、フィード、[発見]タブ、リール、ストーリーズ、検索などで表示させる投稿を、主に利用者の行動に基づいてランク付けする仕組みです。
Instagramでは、同一のアルゴリズムで管理されているわけでなく、各場所に適した独自のアルゴリズムが適用されています。
例えば、ストーリーズでは親しい友達の投稿が優先されますが、[発見]タブでは新しいコンテンツやクリエイターの発見に焦点が当てられているため、まだフォローしていないアカウントの投稿が優先されます。
アルゴリズムで重要な要素であるシグナル
シグナルとは、Instagramがランク付けの対象とするものを明確にするために収集する、投稿や投稿者、利用者に関するあらゆる情報のことです。
Instagramのアルゴリズムでは、「いいね!」やシェア、保存、コメント、投稿フォーマットなど、数千個ものシグナルの収集し、それぞれの投稿をランク付けしています。
また、シグナルの収集方法や、重要度が高いシグナルは、投稿の種類によっても異なります。
アルゴリズムの変更点について
Instagramは2024年4月30日にアルゴリズムのアップデートを発表しました。今回のアップデートによる大きな変更点は以下の3つです。
- リール動画の配信方法を一新
- オリジナルコンテンツの保護強化
- アグリゲーターアカウントへの対応
特に注目すべきは、リール動画の配信方法の抜本的な変更です。これまでのリール動画は、フォロワーからのエンゲージメントに基づいてフォロワー外へのサジェストが行われていたため、フォロワーが多いアカウントほどリーチが広がりやすい環境でした。
しかし、今後は小規模クリエイター支援の観点から、コンテンツの質と視聴者情報に基づく新たなランク付けが導入されます。新たなランク付けの方法としては、オリジナルかつ、コミュニティガイドラインに準拠したコンテンツが対象です。
重要な点は、フォロワー数に関係なく、コンテンツに興味を持ちそうな少数のユーザーに最初に表示されることです。その後、初期段階でのエンゲージメントに基づいて、パフォーマンスが高かったコンテンツが徐々に広い視聴者層へ表示されていきます。
これにより、全てのクリエイターに、新規視聴者獲得の機会が平等に与えられることになります。
さらに、オリジナルコンテンツの保護も強化されます。具体的には、[発見]タブやおすすめ欄では、オリジナルコンテンツが優先的に表示され、同一のコンテンツが複数存在する場合にはオリジナルコンテンツのみ表示される仕組みへの変更です。また、リポストされたコンテンツには、元のクリエイターへのリンクが含まれるラベルが追加されるようになります。
加えて、他のユーザーの投稿を頻繁にリポスト(転用)する「aggregator(アグリゲーター)」アカウントへの対応も厳格化されます。30日間に10回以上他のユーザーのコンテンツをリポストするアカウントは、レコメンドされにくくなる方針へと変更されます。
フィードのアルゴリズム
フィードとは、パーソナライズされた画像・動画・カルーセルなどの投稿が表示されるホーム画面のことです。
フィードでは、利用者がフォローしているアカウントのコンテンツや、利用者が興味を持ちそうなアカウントのコンテンツを表示させるためのアルゴリズムが適用されています。
例えば、最近フォローした人や、最近「いいね!」などのアクションを行った投稿など、投稿と投稿者、利用者に関する情報をもとに表示させるコンテンツのランク付けが行われています。
フィードで重要なシグナル
利用者のアクティビティ | 「いいね!」、シェア、保存、またはコメントした投稿 |
投稿の人気度 | ・投稿が「いいね!」された数
・「いいね!」、コメント、シェア、保存がどれだけ早く実行されたか |
投稿の一般的な情報 | 投稿日時、投稿につけられた位置情報など |
投稿者に関する情報 | 直近の数週間で投稿者が他の利用者と何回やり取りしたかなど |
特定の利用者とのやり取り履歴 | お互いの投稿にコメントをしているかどうかなど |
フィードで重要視されているアクション
上述した様々なシグナルをもとに、パーソナライズの予測が立てられていますが、その中でも特に優先順位が高く扱われるアクションが以下の5つです。
- 投稿を数十秒見る
- コメントする
- 「いいね!」する
- シェアする
- 投稿者のプロフィール写真をタップする
フィードでは利用者が上記のアクションを起こす可能性が高い投稿を上位に表示させています。
また、フォーマットの要素も考慮されており、写真を好む利用者には写真が多く、動画を好む利用者には動画が多く表示されます。
ストーリーズのアルゴリズム
ストーリーズは、日常の出来事をシェアし、気になる人や興味があることを身近に感じるための機能です。そのためフォローしている人のストーリーズと広告を表示させるためにアルゴリズムが適用されています。
ストーリーズのランク付けをするときは、フォロー中のアカウントがシェアした広告を除いた全てのストーリーズを表示候補とし、そこからInstagramのコミュニティガイドラインに違反した投稿を除いて表示順の決定をしています。
ストーリーズで重要なシグナル
閲覧の履歴 | 各アカウントのストーリーズを閲覧している頻度 |
エンゲージメントの履歴 | 投稿者に対して「いいね!」やDM送信などを実行している頻度 |
関係の近さ | 友達または家族である可能性を検討した投稿者との総合的な関係性 |
[発見]タブのアルゴリズム
[発見]タブとは、新しいことを見つけやすくすることを目的とした表示画面です。
[発見]タブでは、利用者の過去のアクティビティ(「いいね!」、保存、シェア、コメントした投稿など)をもとに、興味を持ちそうな写真や動画が収集されます。その後、それぞれの写真や動画に対する興味度合いの予測に基づいて、投稿が並び替えられるアルゴリズムが適用されています。
[発見]タブで重要なシグナル
投稿に関する情報 | 投稿に対する「いいね!」、コメント、シェア、保存を何人が実行したか、どれだけ早く実行されたか |
[発見タブ]でのアクティビティ | 「いいね!」、保存、シェア、コメントなど、過去に[発見タブ]の投稿にどのような反応を示したか |
利用者と投稿者のやり取り履歴 | 過去投稿者と関わりを持ったかどうか(フォロワー外の投稿者限定) |
投稿者に関する情報 | 直近数週間で他の利用者が投稿者に対してアクションを実行した回数 |
[発見]タブのシグナルの特徴は、「いいね!」やコメントなどのアクションがどれだけ早く実行されたかの重要度が、フィードやストーリーズよりもはるかに高いことです。
リールのアルゴリズム
リールも[発見]タブ同様に、新しいものを発見しやすくすることを目的とした表示画面です。
リールに表示されるのはフォローしていないアカウントの投稿がほとんどである通り、[発見]タブのアルゴリズムと似通っています。
[発見]タブ同様に利用者の過去のアクティビティから気に入ってもらえそうなリール動画を収集し、予測された興味度合いに基づいて並び替えられています。
また、楽しいリール動画を見つけるために、Instagramが特定のリール動画について見る価値があったかを尋ねるアンケートを実施し、フィードバックをもとに、楽しいリール動画を正確に見極めています。
リールで重要なシグナル
2024年4月30日に発表されたInstagramのアルゴリズムアップデートにより、今後はコンテンツの質が視聴者へのリーチに大きな影響を与えることになります。
アカウントの規模に関わらず、高品質で魅力的なリール動画を制作すれば、広範な視聴者にリーチする同等の機会が与えられるため、クリエイターは単にフォロワー数を追い求めるのではなく、コンテンツの質の向上に注力することが求められます。
リール動画の表示順位は主に4つのシグナルによって決定されています。重要度の高い順に並べると以下の通りです。
利用者のアクティビティ | 最近「いいね!」、保存、再シェア、コメントをしたリール |
利用者と投稿者のやり取り履歴 | 過去投稿者と関わりを持ったかどうか(フォロワー外の投稿者限定) |
リールに関する情報 | ・動画で使われているオーディオトラックや映像
・動画の人気度 |
投稿者に関する情報 | フォロワー数やエンゲージメントの度合いといった人気度 |
シグナル以外に重要な要素
上記シグナルの他に、興味度合いを予測する際に特に重要視されている項目として以下があります。
- リール動画を再シェアする可能性
- リール動画を最後まで見る可能性
- リール動画に「いいね!」する可能性
- リール動画から音源ページに移動する可能性
ただし、以下のような条件に当てはまるリール動画は、露出が抑えられる場合があります。
- 解像度が低い動画
- 透かし入りの動画
- ミュートになっている動画
- 枠線を含む動画
- 文字がメインの動画
- 政治的な問題を中心に扱っている動画
- すでに投稿されている動画
Instagramのアルゴリズム的に避けられる投稿
ガイドラインに違反する投稿
Instagramには全体に適用されるコミュニティガイドラインがあり、これに違反する投稿は削除される可能性が高いです。
また、コミュニティガイドラインだけでなく、不快な投稿に遭遇することを防ぐために、[発見]タブやリールを対象としたおすすめに関するガイドラインが用意されています。
おすすめに関するガイドラインに沿っていなくとも投稿は可能ですが、ガイドラインから外れた投稿はアルゴリズムによって表示されにくくなっています。
虚偽情報や危険性のある投稿
Instagramでは、第三者のファクトチェックパートナーが虚偽の情報であると評価した投稿を、フィードやストーリーズなどで表示されにくくしています。
また、複数回にわたり虚偽情報と評価されたコンテンツを投稿した場合、その投稿者のすべての投稿が下位に表示されることがあります。
同じ投稿者による連投や同じ内容の投稿
Instagramでは、利用者が興味を持ちそうな投稿をより多く表示できるよう、アルゴリズムが設計されています。
そのため、同じ投稿者による投稿や、同じ内容の投稿が連続して表示されないようになっています。
また、「2024年4月30日に発表されたInstagramアルゴリズムのアップデート」により、他人の投稿を再投稿する「リポスト」が表示されにくくなるため、UGCコンテンツがメインのアカウントは、運用方法を変更する必要があります。
Instagramのアルゴリズムを考慮したアカウント運用を行おう
Instagramでは、アルゴリズムに沿わない投稿は表示されにくくなるため、多くのフォロワーを獲得したい場合は、アルゴリズムを考慮したアカウント運用が重要です。
Instagramアカウント運用方法については、「Instagramでのフォロワーの増やし方」の記事で紹介していますので参考にしてください。
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