ドメイン移管の方法と手続きの注意点
ドメインの管理を委託している事業者を変更することを「ドメイン移管」といいます。
この記事では、ドメイン移管の流れから注意点までを解説します。
ドメインを移管するケース
ドメイン移管を実施するのは以下のようなケースが挙げられます。
- ドメイン事業者を一本化したい
- ドメインの更新費用などを理由に、ドメイン事業者を変更したい
- レンタルサーバー事業者でサーバーと一緒にドメイン取得をしたが、サーバー移管が必要になったのでドメインも移管したい
サーバー移管との違い
ドメイン移管とサーバー移管は全く別の手続きです。
ドメイン移管はドメイン事業者を変更する作業の一方で、サーバー移管はWebサーバーを変更する(Webサイトを構成しているファイルの置き場所を変える)作業です。
ドメイン移管とサーバー移管は、同時に実施する必要はありません。
ただし、レンタルサーバー事業者などでドメインとWebサーバーをセットで契約していた場合は、ドメイン移管により引き続きWebサーバーの利用ができるのか、料金体系の変更があるのかなど契約内容を確認するようにしておきましょう。
ドメイン移管手続きの流れ
ドメイン移管手続きはトップレベルドメインの種類によって異なります。
ここでは、JPドメインとgTLDドメイン(「.jp」以外のドメイン)に分けて手順を解説します。
ただし、手続きの詳細はドメイン事業者によって違うため、実際にドメイン移管を行う際には移管先のドメイン事業者のWebサイトを確認してください。
JPドメインを移管する場合
事前準備
ドメインを移管する前に有効期限を確認します。
有効期限が一定期間残っていないとドメイン移管が行えないためです。
ドメインを移管するために必要な有効期限の日数は、ドメイン事業者によって異なります。
詳細は各ドメイン事業者のWebサイトをご確認ください。
移管元ドメイン事業者での手続き
移管元ドメイン事業者には「ドメイン移管手続きをしたい」と連絡を入れることで、ドメイン移管を進めることができます。
移管先ドメイン事業者での手続き
移管元ドメイン事業者での手続きが終わった後に「ドメイン移管申請」を行います。
この申請をすることで「移管先ドメイン事業者」から「移管元ドメイン事業者」に向けて承認依頼メールが送られます。
そのため、移管元ドメイン事業者では承認手続きをしてもらう必要があります。
gTLDドメインを移管する場合
事前準備
gTLDドメイン(「.com/.net/.org/.info/.biz」などで終わるドメイン)の場合、ドメイン移管をするためには以下の条件を満たしている必要があるので確認します。
- ドメイン取得から一定期間経過していること
- ドメイン有効期限が一定期間残っていること
また、有効期限が9年以上残っているドメインは移管ができない場合があります。
有効期限の条件はドメイン事業者によって異なるので、移管先ドメイン事業者のWebサイトなどで事前によく確認をしておきましょう。
移管元ドメイン事業者での手続き
最初に契約者のドメイン登録情報を確認します。
氏名、メールアドレス、住所、電話番号などの情報が正しいか確認を行い、変更がある場合は事前に変更をしておきましょう。
登録情報の確認ができたら、移管元ドメイン事業者に以下の3つを依頼してください。
- ドメインロックの解除
ドメインが不正に移管されないようにロックがかかっている場合は解除が必要です。
- WHOISプロテクトの解除
WHOIS情報が不正に書き換えられないようにロックがかかっている場合は解除が必要です。
- AutuCodeの確認
ドメイン移管をするときにAuthCodeと呼ばれるドメインに割り当てられている認証コードが必要になるので事前に確認しておきましょう
AuthCodeの確認は移管元ドメイン事業者の管理画面から確認ができます。
確認方法が分からない場合はヘルプやマニュアルに記載されているので確認しましょう。
もし、AuthCodeの確認が管理画面からできない場合はサポートに問い合わせて確認をします。
移管先ドメイン事業者での手続き
移管元ドメイン事業者で必要な確認や手続きが終わった後に「ドメイン移管申請」をします。
この時、移管元ドメイン事業者で確認したAuthCodeが必要になる場合があるので、あらかじめ手元に用意しておくと手続きがスムーズです。
ドメイン移管にかかる費用と期間
ここからはJPドメインとgTLDドメイン共通の内容です。
ドメイン移管申請が無事にできたら、ドメイン移管料金を支払います。
移管料金はドメインの種類や事業者によって違うので、各事業者のWebサイトで確認をしてください。
ドメイン移管料金の支払いが完了すれば、ドメイン移管手続きは完了です。
移管手続きを行ってから数日~2週間程度でドメイン移管が完了します。
ただし、ドメイン移管が完全に完了するまでの期間はドメイン事業者によって違うので、詳細は各ドメイン事業者の情報を参照してください。
ドメインとサーバーを同時に移管するときの注意点
ドメイン移管とサーバー移管を同時期に行う場合は、DNSサーバー登録の不整合が起きる可能性があります。
DNSサーバーはドメインとサーバーを紐づける役割を果たすものです。
ドメイン移管のみをする場合は、DNSサーバー情報は以前の設定をそのまま引き継ぎますので特に大きな問題はありません。
しかし、サーバー移管を同時期に行ってしまうと一時的に新旧2つのDNSサーバー情報が存在することになります。
もし、新しいレンタルサーバーの設定が事前に終わっていない状況にもかかわらず、新しいDNSサーバー情報が有効になってしまうとWebサイトは正しく表示されません。
運用していたブログやWebサイトで広告収益が出ている場合はサイトが表示されなくなると、アクセス数や成果発生機会の減少につながる可能性もあるなど収益に悪影響を及ぼす可能性もあるので注意が必要です。
こういったDNSサーバー登録の不整合を防ぐためには、新しいレンタルサーバーの設定を先に行いWebサイトが正常に表示される状況にしてから移管先ドメイン事業者の方でDNSサーバー設定をしましょう。
手続きや注意事項は事業者によって異なるため、移管先レンタルサーバーのサポートに問い合わせるなど、事前に確認をしておきましょう。
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