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CVのカギは離脱の穴を埋めること。価値ある比較コンテンツをつくるためのユーザーとプロダクト分析

先輩メディア:瀬田淳平さん

WiMAX比較.com

株式会社EXIDEA執行役員/WEBメディア事業部長
学生インターンを経て2017年4月に新卒入社。Webメディアの運営を主軸に、SEO、広告運用などの業務を担当。新規事業の立ち上げ、コンテンツによる事業グロースに従事。

・運営サイト

メディアを検索結果に上位表示させるための施策は骨が折れること。特に競争が激しい市場で上位を維持し、コンバージョン(CV)につなげるには細やかな分析が必要です。

 

競争が激化する通信系のジャンルにおいて、徹底した市場分析を行って上位表示を続けているサイトが「WiMAX比較.com」です。

運営するのは、同サイトのほかに総合比較メディア「HonNe(ホンネ)」などを手掛ける株式会社EXIDEA。今回は執行役員/WEBメディア事業部長である瀬田淳平さんに分析力をいかした比較コンテンツ作成のコツをお伺いしました。

 

上位表示のカギを握るのは専任のジャンル担当者

WiMAX比較.comとHonNeはそれぞれどのようなサイトなのでしょうか?


▲画像引用元:WiMAX比較.com

 

WiMAX比較.comは、WiMAXを中心としたモバイルWi-Fiの比較コンテンツを取り扱っています。2016年7月に立ち上げ、業界の重要キーワードの一つであり、難易度の高い「WiMAX 比較」のキーワードで検索結果に上位表示されてから6年ほど経ちました。アップダウンはあるんですが、モバイルWi-Fi領域で長らくトップを走ってきたサイトです。

 

当初はWiMAXが中心だったんですけど、他のプロダクトが増えてきたことに伴って、WiMAX以外のモバイルWi-Fi、ホームルーターも取り扱うようになりました。

 


▲画像引用元:HonNe

 

HonNeは、2021年5月に立ち上げられた、複数の商材を扱う総合比較サイトです。EXIDEAのパーパスは「いきるの最大化」です。生きると活きるの意味があって、そのパーパスに沿うような人の命や人生、生活にかかわるジャンルにおける商品サービスを紹介しています。

 

たとえば、金融や電力、ガス、Wi-Fi、固定回線を含めたインフラ領域です。ほかには、人々の能力や可能性を開く、キャリア形成やスキルアップの領域ですね。オンライン英会話やプログラミングスクールなどのスキルを獲得できる商材、転職関連のサービスです。さらに人生の大きな買い物である「結婚・婚約指輪」なども取り扱っています。

 

また、サイト名にもあるとおり「本音」を届けることをポリシーとしています。「ユーザーさんの本音」「広告主側の本当は言いたいけど、うまく伝わっていないこと」など、あらゆる本音を伝えていきたいというコンセプトで運営しています。

 

各サイトの運営状況を教えてください。

WiMAX比較.comは月間25万~30万UU、HonNeは40万UUほどです。どちらのサイトも検索エンジンからのアクセスがメインです。サイト訪問者の多くは、検索結果に上位表示しているユーザーの意思決定に近いキーワードから流入しています。

 

サイトの運営はどのように行っていますか?

WiMAX比較.comは、わたしが事業責任者として入り、編集長とメンバー数人の編集部で運営しています。HonNeは各ジャンルに担当者を決め、そのジャンル担当者が基本的な意思決定をしていますね。

 

大切な人に自信をもって見せられるコンテンツ作成がモットー

メディア運営が好調なポイントとして、ジャンル担当者の存在が大きそうです。各々の担当者がそれだけの裁量を持てるのはなぜでしょうか?

各ジャンルの担当者が市場の動向に一番詳しいという信頼があるからです。会社としては、業界に一番詳しいからこそ、ユーザーの痛みや悩みを最も理解できる存在だと思っているので、担当者が大きな裁量を持てるようにしています。

 

一番詳しいと判断できる理由を教えてください。

市場調査、プロダクト分析、最新ニュースのチェックなどは、全部ジャンル担当が行います。あとは、実際のコンテンツ作成や更新、入稿作業、デイリーの分析業務、検索順位のチェック、コンバージョンの収益の計算、掲載する広告の案件調査や調整など、全て彼らが担っているからです。

 

業務の幅が広い! それは担当ジャンルにかなり詳しくなりそうです。ジャンル担当者に対して求めることはありますか?

想像力と分析能力、ユーザーに真摯に向き合う姿勢ですね。

 

想像力はものすごく大事。複数の商材を1記事で取り扱う比較コンテンツは、ペルソナを一人じゃなくて複数想定してつくるので、ユーザーの検索意図を理解するために検索行動をどれだけ想像できるか、ということが重要になってきます。

 

分析能力は、コンテンツづくりで非常に大事にしていることです。サイトで取り扱う全ジャンルに対して、基本的に「FABE分析(※)」という分析手法を使っています。FABE分析を行って、各ジャンルの比較ロジックを定めた上で、ユーザーに合うプロダクトを提案する分岐構造を作っていきます。そこからコンテンツ内のコンバージョンまでのプロセスを設計するので、ロジカルにFABE分析ができることは担当者に求めたいことです。

 

※FABE分析
商品の特徴や価値の分析に用いられる手法の一つ。FABEは、Feature (特徴)、Advantage(優位性)、Benefit (顧客便益)、Evidence(証拠)の頭文字であり、FABE分析を行い 、提案の訴求ポイントを整理する。

 

そして、担当ジャンルに一番詳しくなること。どんな人が見ても、その人にとって最高の一品を選んでもらえるようなコンテンツがつくれる必要があります。一番新しい情報を知っていたり、そのジャンルを見続けているからこそ発見できる情報があったりするのは、担当者だからできることだと思っています。

 

現在の各担当者は、朝一で自分が担当するジャンルのキーワードをスマホで検索したり、担当ジャンルの業界がどういう方向に進むのかを知るためにIR情報を確認したりしていますね。

 

日ごろの情報収集が大切ということですね。良いコンテンツをつくるためにさまざまな点に意識を向けていることが伝わってきました。

法令順守や無駄のない文章が書けることは大前提として、EXIDEAのコンテンツポリシー”To dearest”という言葉を使っています。最愛の人という意味を持つ“dearest”、大切な人に自信をもって見せられるコンテンツをつくる気持ちを持ってほしいなと思っています。

 

ユーザーとプロダクトの徹底的な分析でコンバージョンへ

コンテンツ作成の軸となる調査や分析の具体的な手順を教えてください。

ユーザーの検索意図でいうと、検索前行動をとにかく考えることです。ここで想像力が重要になってきます。あとは、ユーザーインタビューの実施ですね。B to Bの領域で例えを挙げると、「経費精算システムの比較を行いましょう」となったとき、会社の経理担当に聞いたり、SaaSの領域だと、その業界で働いている知人に聞いてみたり。

 

Wi-Fiや電力のような自分もユーザーに含まれるジャンルは、自分が見込みユーザーになってみたり、家族や友人にインタビューしたりもできますね。

 

FABE分析はいかがでしょう?

FABE分析のF(Feature、特徴)とA(Advantage、優位性)においては、各ジャンル担当者が商品やサービスを実際に使ってみたり、商材を使っている人に話を聞いたりします。あとは、実際に広告主に聞くこともありますね。

 

広告主への問い合わせはどのように行っていますか?

ASPのご担当の方を通したり、実際に企業様に取材したりしています。

 

個人でのメディア運営だと難しいかもしれないですが、自分で調べて得られる情報は限りがあるので、問い合わせ先があるなら企業に問い合わせるなどは可能だと思います。

 

また、コンテンツでコンバージョンをとっていく上では、B(Benefit、顧客便益)の分析もものすごく大事にしています。実際にユーザーにどういった利益があるかという視点です。このためには、ユーザーを知らないといけないので、FABE分析の段階でユーザーの検索行動や購買行動を調査します。

 

FABE分析からコンテンツの比較ロジックを決めて、ユーザーのニーズに合わせた訴求ポイントを出して、コンテンツでおすすめする商品に落とし込んでいきます。

 

HonNeに掲載しているウォーターサーバーの記事を例に説明すると、実際に20種類のサーバーを使った上で、ユーザーのニーズに合わせて複数の商材を訴求ポイントとともに提示しています。

 


画像引用元:ウォーターサーバー徹底比較!2022年9月最新おすすめランキング

 

特筆すべき訴求ポイントがない商材は紹介しない

この例に挙げてもらった記事は、どのような内容になっているのでしょうか?

まず、どんな基準で比較しているのかを明らかにし、その比較ロジックに沿ってランキングを設計しています。

 

 

この記事の比較ロジックに用いられる「水の種類」や「料金」「機能性」など、基準となるユーザーニーズはどうやって導きだしているのでしょう?

ユーザーニーズは検索需要から見えてきます。業界ワードとサブワードの掛け合わせ、一般語の検索ボリュームの大きさでニーズはある程度把握できると思いますね。その辺がわからないときは実際にアンケート調査でユーザーが何を気にしているのかは調べますね。

 

そのニーズをもとに、記事では各プロダクトがどういった人に向いているのかを明確にすることを意識しています。

 

 

また、この訴求ポイントは、記事内でかぶらないようにすることも大切です。「水の消費量が多いご家庭におすすめです」というポイントを設けたら、ほかは「定額で使える」「インテリアに馴染む」や「設置工事が不要」など、訴求ポイントを分けて紹介しています。そして、訴求ポイントにあう突出した特長がある商材をおすすめしていますね。総合点がある程度高くても、突出した点がない場合はランキングから除外しました。

 

 

ほかにも、「赤ちゃん・子供がいる子育て世帯」や「一人暮らし」「デザインがおしゃれ」といった目的別に見出しを立てるなど、いろいろな角度から選んでいけるような設計をしています。ユーザーの思考のプロセスを想定して商品を紹介しているので、FABE分析をいかしたコンテンツになっています。

 

さまざまなユーザーを想定する中でコンバージョンにつなげるために取り組んでいる工夫を教えてください。

離脱の“穴”を埋めることです。すべてのユーザーを想像しつくすことは難しいんですけど、たとえばせっかちな人は、長い文章だとすぐに離脱するという仮説を立てて、ではどうしたら離脱しないかを考えるんです。例えば、ランキング記事だと、1位の商材だけをピックアップしてリードの下に置いてみる、あるいは記事の結論を3行で書いてみるというリライトの方針を判断できます。

 

他には、せっかちな人向けにリード文の下にページ内リンクを設置したり、熟読したい人のために導線を変更したりすることもあります。ユーザーは自分にとってのメリットがないとサイトから離脱します。それを念頭に置いて、離脱しそうな人を発見してしらみつぶしに対応していくことを基本としています。

 

記事一つ一つ、どういう人が離脱するんだということを想定しないといけないので、一概にリード文の下にリンク設置したから正解というわけではないんですけど。あくまで大切なことはユーザー視点で考えることですね。何度もリライトを繰り返して、離脱の“穴”を地道に埋めています。

 

ほかに気を付けていることはありますか?

広告のリンクを不用意に貼らないことは心がけています。リンクから広告主サイトへ送客したユーザーが何かしらの判断に迷うことを避けるためです。

 

たくさんある商品の中から取捨選択できるだけの情報を得てもらって、「このサイトの言っていることって本当に正しいの?」と確かめるときに初めてLP(ランディングページ)に誘導したい。コンバージョンしないかもしれないユーザーをコンバージョンに導けてはじめてコンテンツの価値があると考えているので、ちゃんと記事を読み込んでもらうために不用意なリンク設置はしていません。

 

最後に、これからメディア運営を始める方にアドバイスをお願いします。

現在は企業の参入が加速したことによって、個人が一からメディアを運営し、検索エンジンから集客して大きな収入を得るのは、余程のアドバンテージがない限り、厳しくなってきました。ただ、5万円や10万円という金額であれば、今からメディア運営を始める個人の方でも目指せると思います。企業と差別化を図るには、自分がわかる領域の中でニッチな商材を取り扱い、専門性を磨いていくことが、いまの時代に個人がメディアを運営するポイントだと思います。