ホテルアフィリエイトの可能性と注意点について解説

ホテルアフィリエイトは、大きく国内向けと海外向けの2種類に分けられます。どちらのプログラムも、記事に設置したアフィリエイトリンクからユーザーがホテル予約をすると、宿泊料金の数パーセントが成果報酬として支払われる仕組みになっています。

旅行者のニーズが多様化する中、ホテルを単体で予約する需要が増えているため、ホテルアフィリエイトは、そうした需要を取り込むことができます。

ホテルアフィリエイトの市場規模

マーケティング調査機関のMMD研究所によれば、旅行予約をする際に最も利用する方法という設問に対し、「オンライン」が76.6％で最多となっています。

さまざまな旅行プランを手軽に比較できるオンライン上での申込みは、ユーザーにとって利便性が高く、今後もこの傾向は続くことが予想されます。

アフィリエイトプログラムを通じた送客・成約の機会が増加すると予想できるため、ホテルのアフィリエイトプログラムを取り扱うメディア運営者にとって大きなチャンスとなるでしょう。

ホテルアフィリエイトプログラムの種類

国内ホテルのアフィリエイトプログラム

国内ホテルのアフィリエイトプログラムの強みは、日本人旅行者のニーズに合わせた多様な宿泊施設を提供できることです。

高級旅館から格安ビジネスホテルまで、幅広い選択肢があり、様々な予算や目的に対応可能です。

観光庁が発表している2024年2月・3月の宿泊旅行統計調査結果によると、日本の宿泊需要は着実に回復しています。2月の延べ宿泊者数は4,785万人泊で、2019年同月比9.9%増となりました。

施設タイプ別では、ビジネスホテル（72.1%）とシティホテル（70.2%）の稼働率が高く、都市部での需要回復が顕著です。

宿泊需要の回復傾向を踏まえ、多様な宿泊施設や地域の特色を活かした展開ができます。

海外ホテルのアフィリエイトプログラム

海外ホテルのアフィリエイトプログラムは、世界中のホテルと提携している大規模な予約プラットフォームが主流です。

海外ホテルの宿泊需要は回復傾向にあり、メディア運営者にとって大きな機会が生まれています。日本人の約2300万人が海外旅行への意向を持っており、特に20代男性の需要が顕著です。

メディア運営者は、20代向けや一人旅向けのコンテンツ、高付加価値な旅行プランなど、トレンドに合わせた多様な提案ができるでしょう。

ただし、海外ホテルの紹介をする際は、為替レートの変動によって報酬額が変わる点には注意が必要です。

ホテルアフィリエイトに取り組む際のポイント

実体験を含んだホテルをレビュー

読者から信頼されるホテル宿泊記事を書くためには、実際の宿泊体験に基づいた、リアルな口コミやレビューを心がけることが大切です。

ホテルの良い点も悪い点も包み隠さず書くことで、真実味のある情報を提供できます。

記事の中では、ホテルの立地や交通アクセス、客室の設備やアメニティ、サービスの質、食事の味やボリュームなど、宿泊先を選ぶ際の判断材料となるポイントを詳しく解説します。

加えて、ホテルのコンセプトや雰囲気、スタッフの対応なども、宿泊体験を左右する重要な要素です。

ホテルの公式サイトにはない細部の写真が重要

ホテルアフィリエイトで他のメディアと差別化を図るには、ホテルの公式サイトには掲載されていない、細部までこだわった写真を撮影することが重要です。

客室内の備品や設備、バスルームのアメニティ、ベッドのシーツの質感など、宿泊客が実際に利用する部分を詳細に撮影しましょう。

また、ホテルの隠れた魅力を発見し、写真に収めることも大切です。例えば、ロビーの隅にある素敵なソファや、廊下に飾られたアート作品、レストランの個性的な食器など、公式サイトでは紹介されていない部分にも注目してみてください。

ただし、ホテルの許可なく撮影を行うことは避け、事前にホテル側と話し合って許可を得ておくことがおすすめです。また、宿泊客のプライバシーに配慮し、他の宿泊客が写り込まないよう注意しましょう。

施設情報だけでなく周辺情報も網羅的に紹介する

ホテルアフィリエイトの記事では、ホテルの施設情報だけでなく、周辺の観光スポットや食事処についても詳しく紹介することが大切です。ホテルに宿泊する主な目的は、その地域を観光することであるケースが多いためです。

記事の中で、ホテルから近い観光名所や、地元で人気のレストランなどを紹介しましょう。できれば、実際に足を運んで撮影した写真を使うと、より臨場感のある記事になります。

中には、体験価値向上のために宿泊施設側が提供している、体験型のコンテンツもあるため、事前に調査しておき実際に体験してみるのも手です。

目的ごとに合わせたプランの紹介

単身者やグループ利用など、ユーザーによって宿泊をする目的が違うため、ターゲットに絞った記事を作成してみましょう。

グループ旅行や家族旅行向けには、大部屋や連結部屋のあるホテル、貸し切り露天風呂付きの宿がおすすめです。

特に家族連れには、キッズルームや子供用アメニティの充実した施設、プールや遊び場のある宿泊先が人気です。

一方、記念日利用やハネムーンなどの特別な日向けには、ケーキやワインのサービス、夕食の個室利用、スパトリートメント付きなど、通常よりも豪華な内容のプランを紹介するのもおすすめです。

ホテル業界の閑散期に注意

宿泊業界には、地域によりますが、年に数回閑散期があります。主な閑散期は1月中旬～2月と5月下旬～6月で、寒さや仕事の忙しさ、雨季などが要因です。

一方、繁忙期は年末年始、春休み、GW、夏休み、シルバーウィークなどです。

具体的な予約状況は各ホテルや地域によって異なるため、紹介するホテルや旅行先は個別に確認することをおすすめします。

Instagramとの並行運用もおすすめ

ホテル×Instagramの相性

じゃらんリサーチセンター（JRC）と駒沢女子大学との産学連携で調査された「Z世代を対象にした 「旅マエ」に利用するメディア調査」によると、66.7%の人が旅行先の調査手法としてInstagramが利用されていることが分かりました。

特に注目すべきは、宿泊施設の良さや写真映えするスポットといった、Instagramの視覚的訴求と相性の良い要素が旅行検討時の重要ポイントとなっていることです。

さらに、エリア名と「ホテル」や「宿泊」を組み合わせたハッシュタグ検索の傾向は、Z世代が具体的に宿泊先を探す段階でもInstagramを活用していることを示しています。

ブログ記事とInstagramの相互誘導

ホテルアフィリエイトでも、メディアに加えInstagramのアカウントを運用することで相乗効果が期待できます。

記事とInstagramを連携させることで、相互に送客することができます。記事にInstagramの投稿を埋め込んだり、Instagramの投稿から記事へのリンクを貼ったりするなど、行き来しやすい導線を作ることが重要となります。

記事では、詳しい宿泊体験や周辺情報を書いてじっくり読んでもらい、Instagramでは、ビジュアルで訴求力のある写真を投稿して興味を引く、といった具合に、それぞれの媒体の特性を活かした使い分けを意識しましょう。