化粧品や食品などのBtoCの商品やサービスであれば、口コミは広がりやすくマーケティング施策としても有効です。
しかし、法人向け光回線やタスク管理ツールといったBtoB商材では、口コミの拡散は多くありません。そのため、BtoB商材で口コミを集めるのは難しいと悩んでしまうのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、BtoB商材で口コミを集める方法やポイントなどについて解説します。BtoB商材の口コミから売上に繋げたい方は、ぜひ参考にしてください。
BtoB商材でも口コミは有効なのか
結論からお伝えすると、BtoB商材においても口コミは有効です。BtoC向けの商材に比べると少ない印象はありますが、BtoB商材は同業者のコミュニティや紹介といったクローズドな場で口コミが広がる傾向にあります。というのも、BtoBとBtoCの商材には、それぞれ以下の違いがあるためです。
- BtoB
- 購入単価が高い
検討期間が長い
決裁者が複数人いる - BtoC
- 購入単価が低い
検討期間が短い
決裁者が本人のみ(または少数)
BtoB商材は決裁者が複数いることや、購入単価が高いことなど、さまざまな要素でBtoCよりも慎重に検討を行う必要があり、購入までに時間を要します。
例えば冷蔵庫を買い替える場合、家庭用の冷蔵庫であればネットやSNSの口コミを参考にして、すぐ購入する方も多いでしょう。
しかし、飲食店が業務用冷蔵庫を買い替えるとなれば、そう単純ではありません。複数の店舗展開をしている企業なら、全店舗への導入コストやメンテナンス面も検討する必要があり、決裁者の最終承認を得るまで1ヶ月以上かかることも珍しくありません。そうした際に、同業者のコミュニティで複数のメーカーの口コミを集めて比較するという可能性は十分あり得ます。
BtoB商材の口コミはSNSで拡散されるケースはあまり多くなく、業界によっては人伝いの紹介のみの場合もあります。しかしクローズドな場での口コミだからこそ、その口コミは非常に希少で信憑性があり、購入の後押しに繋がる可能性があります。したがって、BtoB商材でも口コミは有効と考えられるでしょう。
BtoB商材で口コミマーケティングをすべき理由
BtoB商材で口コミマーケティングを活用することには、企業にとって大きなメリットが存在します。マーケティング手法によって得られるメリットは異なりますが、大きく分けると以下の3つです。
- 自社製品の信頼性を高くする
- 営業活動に利用できる
- 成約率が高くなる
順番に解説します。
自社製品の信頼性を高くする
例えば、顧客のポジティブな口コミをホームページやLP(ランディングページ)に掲載すると、自社製品の信頼性をアピールできます。掲載先企業の知名度が高ければ、自社のネームバリューの向上も期待できるでしょう。
逆に口コミが少ない、あるいは全くない状況の場合、顧客は商品やサービスを導入するメリットがイメージしづらく、購入のハードルが高くなります。そのため、BtoB商材においても口コミマーケティングは重要といえます。
営業活動に利用できる
営業活動に利用できることも、口コミを獲得するメリットといえます。なぜなら、見込み客との商談において、第三者目線の訴求は説得力に繋がるからです。
例えば、自社製品の営業商談をする際、商談相手がデータ管理に悩んでいたとしましょう。その時「〇〇社はツールを導入した結果、データ管理にかかる作業時間が3分の1まで削減できた」という他社の口コミを紹介すれば、導入するメリットがイメージでき、商品を購入してくれる可能性が高くなります。
営業活動でポジティブな口コミを提示すれば、販売する商品やサービスを魅力的に訴求できます。
成約率が高くなる
BtoBはターゲットが企業や事業者といった「組織」となるため、口コミの母数は必然的にBtoCよりも少なくなる傾向があります。そのため、SNSで拡散されて爆発的に申込みが増えるというよりも、同業者のコミュニティーや紹介を通してじわりじわりと認知拡大するほうが多いです。テレビCMなどで大々的にアピールする方法もありますが、資金力の高い一部の企業に限られるでしょう。
しかし、顔見知りの人物や業界の著名人からの紹介は、その人物に対する信頼性が口コミへと引き継がれるため、成約率が高くなりやすいというメリットがあります。「〇〇さんもおすすめ!」という文言を目にしたことも多いのではないでしょうか。
近年はビジネスに特化したオンラインサロンやコミュニティも発達しているため、そのようなクローズなコミュニティで口コミが紹介されることも少なくありません。販売元の企業としては、紹介者特典などをつけることで紹介者にもメリットが与えられれば、オープンな場以外でも口コミを広げることは十分に可能と考えられます。
BtoB商材で口コミを集める方法3選
BtoB商材でも口コミは有効と理解したものの、「口コミはどうやって集めるの?」と考える方も多いでしょう。ここからは、BtoB商材で口コミを集める具体的な方法を紹介します。
- アンケート
- 顧客インタビュー
- 口コミサイトの活用
それぞれの特徴を解説します。
なお、依頼方法によっては広告に該当し、PR表記などが必要になる可能性もあるため、法務関連の部署やサービス提供元などに問い合わせておくとよいでしょう。
アンケート
アンケートは、最も手軽に口コミを集める手法として、多くの企業が導入しています。商材やサービスを導入してくれている顧客にアンケートを依頼して口コミを集めるため、信憑性の高い情報を入手できるでしょう。また、多くの口コミを一気に獲得することで、「顧客満足度◯%!」や「他人におすすめしたい人が◯%」のように定量的な数値傾向やパーセンテージをアピールできます。
また、ネガティブな口コミから商材やサービスの改善点が明確になることも、アンケート調査の魅力です。改善点を教えてくれたユーザーの意見をもとに改善を続けることで、より高い評価にも繋がるでしょう。アンケート作成に手間はかかりますが、ポジティブな口コミから改善点までを見つけられることは、アンケートの魅力といえます。
顧客インタビュー
顧客インタビューは、すでに自社製品を導入している企業にアポをとり、利用した感想や効果を聞き出す方法です。アンケートよりも深いコミュニケーションが取れ、説得力の高い情報が得られます。取材風景の写真や動画を使用できれば、さらに口コミの信頼性は高くなるでしょう。(取材風景を使用する場合は、相手の許可が必要です)。
また、普段の業務上のやり取りでは難しい、自社製品に関して話し合う機会が設けられる点も特徴です。導入企業と有益な情報交換ができれば、既存顧客とより深い関係構築も期待できます。顧客インタビューには取材や文字起こしなどのリソースは発生しますが、顧客のリアルな声を聞けるのはインタビューの大きな魅力です。
口コミサイトの活用
また、口コミの投稿審査も厳しいため、信頼できるレビューが多く掲載されていることも特徴です。ただし、ユーザーが自発的に口コミを投稿するケースはそう多くないため、レビューを書いてもらうには企業からユーザーに依頼する必要があります。したがって、既存顧客に協力してもらうメリットを付けたうえで、レビューの掲載を依頼してみましょう。
集めた口コミはどのように活用する?
口コミを集める具体的な方法を理解した上で、最後に口コミをどのように活用できるのかをご紹介します。
自社WEBサイト
自社製品のホームページやLP(ランディングページ)といったWEBサイト上に掲載することで、サイトを訪れた人に対して安心感や信頼感を与えることができます。
WEBサイトに来る見込み顧客はサービスのことを初めて知る、あるいは名前だけ聞いたことがある、といったライトな段階の人であることが考えられます。そのため、企業が発信するメリットや効果を鵜呑みにするよりも、半信半疑で受け取っていることが多いでしょう。
そういった人に対し自社と近しい立場の企業や知名度の高い企業の口コミなどがあれば、「あの〇〇社も利用している」といった信憑性が生まれます。
展示会のチラシや営業資料
自社WEBサイトと同様に、チラシや営業資料といった紙媒体への掲載も有効です。
顧客に配布する資料の場合は、多種多様な業界の担当者が見ることも多いため、口コミ元の企業のネームバリューはもちろん、バリエーションもアピールに繋がります。さまざまな業界のノウハウがあることで、顧客から新たな商材での相談が増える可能性もあります。
また、商談時に口コミを活用して既存顧客の満足度や導入効果がアピールできれば、説得力が高まり受注率の向上が期待できます。
ホワイトペーパー(お役立ち資料)
BtoB商材は検討期間が長いため、問い合わせからすぐ契約となるケースはそう多くありません。そういった場合はホワイトペーパー(お役立ち資料)を作成して見込み顧客リストに配信することで、顧客の温度感を下げずにアクションを促せます。
顧客課題に沿った事例を集めた「導入事例集」を作成したり、中小企業の顧客向けに特化した成功事例を紹介するのもよいでしょう。作成物はメルマガ配信のほかに自社WEBサイトや外部の広告媒体に掲載するなど、幅広い使い道があります。
ホワイトペーパー作成において重要なのは、ターゲットの特徴を把握することです。顧客の企業規模や抱える課題、リテラシーなどに合わせて配信内容を組み立てていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
BtoB商材の口コミは受注率の向上やブランディングにおいて非常に重要な役割を果たします。さまざまパターンの口コミがあれば、顧客課題の解決をより具体的にイメージできるでしょう。
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