アフィリエイト広告やSEOにおいて、「商標キーワード」という言葉を聞いたことはありませんか。
商標キーワードは自社製品のホームページやサービスサイトへの検索流入において非常に重要な要素であり、商品の認知度に影響する要素です。
商標キーワード関連のSEO対策を自社で行うことが難しい場合、アフィリエイト広告を活用することで改善が期待できます。ただしデメリットも含めて正しい活用方法を理解しておくことが重要です。
本コラムではアフィリエイト広告における「商標キーワード」について、基本情報からメリット・デメリット、正しく活用するためのコツまでまとめてご紹介します。
「自社製品の掲載面を増やしたいが、どうしたらいいかわからない」
「検索ユーザーをもっと獲得したい」
といった方はぜひ参考にしてください。
アフィリエイト広告における商標キーワード
まず本コラムの内容は、前提としてアフィリエイト広告の仕組みを理解しておく必要があります。
詳しい内容はアフィリエイト広告とは?仕組みから成功ポイントまでASP企業が徹底解説!で紹介しています。
商標キーワードとは
ではまず商標キーワードの基本を理解しておきましょう。
商標キーワードとは、商品名やサービス名、店舗名、あるいはそれらを経営している企業名といった固有名詞を指すSEO用語です。特定のカテゴリの中で何を指しているのかを明確にする意味合いがあり、指名キーワードとも言われます。
例えば、ハンバーガーであれば「マクドナルド」や「モスバーガー」といった単語が商標キーワードに該当します。
SEOの指名検索においては、上記のような「固有名詞+〇〇」といった2語以上の複合キーワードも商標キーワードに含まれ、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに上位表示されれば、大幅な流入数増加が期待できます。
- 有力な商標キーワードの一例
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「商標名+口コミ」
「商標名+レビュー」
「商標名+申込み」
「商標名+購入」
「商標名+安い」
「商標名+料金」
なぜ商標キーワードが企業にとって重要なのか
商標キーワードが企業にとって重要な理由は、検索ユーザーの購入率が高いことです。
上記の一例を見ても分かるとおり、商標キーワードは検索ユーザーが特定の商材に対して興味を持っており、商材に直結する情報ニーズが生まれています。「ハンバーガーが食べたい人」と「“マクドナルドで”ハンバーガーが食べたい人」の2者では、購入されやすさが異なっているのです。
購入を検討するユーザーは、口コミやレビューといった第三者の情報を参考に、自分が求めているものか、お金を払うに足るものかを考えます。逆に言えば第三者情報が少ないと、購入までのハードルは高くなります。購入金額が高いほど、その影響は大きくなるでしょう。
「その商品がなんという名前で、どんな商品・サービスなのか」という第三者の俯瞰的な情報は購買において非常に重要で、自社製品を多くのユーザーへ届けるために不可欠と言えます。商標キーワードをアフィリエイト広告で強化することで、検索経由で訪れるユーザーに口コミや感想などの適切な情報を届けやすくなるのです。
第三者訴求や口コミマーケティングに関する効果は「口コミマーケティングの効果とは?事例・実践方法も紹介!」というコラムで詳しく紹介しています。
商標キーワードと一般キーワードの違い
商標キーワードの対義語として「一般キーワード」という言葉もあります。
一般キーワードは商品名や企業名などの固有名詞を含まない検索キーワードを指すSEO用語で、一般名詞を中心に構成されています。
- 商標キーワード:固有名詞を中心に構成(商品名やサービス名、企業名など)
- 「マクドナルド 安い」「iPhone 口コミ」など
- →購入の後押しに繋がりやすい
- 一般キーワード:固有名詞以外、一般名詞を中心に構成
- 「ハンバーガー 安い」「スマホ おすすめ」など
- →認知拡大に繋がりやすい
一般キーワードは固有名詞が含まれないぶん、より抽象的・広範囲なニーズを反映したキーワードとなります。その反面、購買における検討段階は商標キーワードよりも低めです。そのため企業にとっては自社製品の認知拡大に活用されることが多く、いわば「自社商品を購入の選択肢に入れる」という意味合いが強いです。
商標キーワードを強化するメリット・デメリット
ではアフィリエイト広告で商標キーワードを強化する場合、広告主の企業にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。
商標キーワードを強化するメリット
商標キーワードを強化するメリットは、主に下記の4つが挙げられます。
- 商品やサービスの理解が深まる
- 検索ユーザーの取りこぼしを防ぐ
- 掲載面が広がりやすい
順番に解説します。
商品やサービスの理解が深まる
商標キーワードを強化するメリットの1つに、商品やサービスの理解が深まることが挙げられます。
アフィリエイト広告の場合、WEBサイトやSNSなどを運営するメディアが企業の製品を取り上げ、記事や投稿などコンテンツ化していきます。企業からの情報発信では伝えきれない消費者目線での訴求によってユーザーの理解度が高まり、コンバージョンの増加が期待できます。
紹介してくれるメディアの数が増えるほど訴求の切り口も広がり、幅広いキーワードから集客できるようになるでしょう。特に「商標名+口コミ」や「商標名+評判」といった消費者の声を反映する記事は企業から訴求することが難しいため、メディアによる強化が重要となります。
検索ユーザーの取りこぼしを防ぐ
商標キーワードの強化は検索ユーザーの取りこぼし防止にも繋がります。
商標キーワードを検索するユーザーは、製品に対する興味関心が高まっている状態です。つまりこれらのユーザーに対して決め手となる情報が伝えられれば、コンバージョン率が一気に上昇する可能性があります。
企業によっては自社でWEBメディアやブログなどを運営し、情報発信するケースもあります。しかしそれらの記事が検索結果で上位になるまでは時間がかかり、必ずしも上位表示されるとも限りません。それであればアフィリエイト広告で複数のメディアに紹介してもらい、ユーザーを多角的にキャッチアップできる環境を整えておくほうが得策と言えます。
検索ユーザーに対する情報の網を張り、確実に集客に繋げていきましょう。
掲載面が広がりやすい
商標キーワード関連の記事は掲載面が増えやすい特徴があります。なぜなら商標キーワード関連の記事は、メディアにとって取り組みやすいコンテンツだからです。
アフィリエイト広告は購入や申込みによって成果が発生する成果報酬型の広告です。そのためコンバージョンが出やすい商標キーワードは取り組むメディアも多く見られます。また、「商標名+口コミ」といったレビュー関連の訴求は、アフィリエイト初心者でも書きやすいネタであることも掲載面が広がりやすい理由の1つです。
自社HPによる集客とアフィリエイト広告のメディアによる集客を組み合わせ、集客効果をさらに拡張することができます。
商標キーワードを強化するデメリット
一方で商標キーワードの強化にはデメリットもあります。メリットと同時に理解しておくと良いでしょう。
商標キーワードを強化するデメリットは主に下記の3つです。
- 良くも悪くも正直な意見が届く
- 企業側LPとの集客のカニバリ
以下に詳しく解説していきます。
良くも悪くも正直な意見が届く
アフィリエイト広告は消費者目線による第三者訴求であるため、メディア掲載が進んでいくことでさまざまな口コミ記事が検索結果に表示されます。
なかには、製品に対する改善点や気になる点などが見つかるケースもあります。必ずしも良い点だけを紹介するわけではないということは認識しておくとよいでしょう。
自社製品を見直すきっかけにもなるため、しっかりと消費者の声として受け止めることが重要です。また、事実と異なる情報発信をしているメディアがいた場合、メディアが登録しているASPに連絡することで記事修正の依頼ができる場合もあります。ぜひあわせて覚えておきましょう。
企業側LPとの集客のカニバリ
例えば「商標名」単体のような純粋な商標キーワードの場合、企業側の自社サイトが検索結果1位の状態が最も好ましいでしょう。
しかし商標キーワードは、メディア側も一般キーワードより記事を書きやすい領域のため、場合によっては企業の集客施策とターゲット層が被ってしまう可能性があります。こういった状況を避けるには、自社で集客するターゲットとメディアに集客してもらうターゲットを分けておくことも重要です。
例えばメディアがリスティング広告を行っている場合、メディアのサイトが商標キーワードの検索結果に表示され、企業のHPやLPよりも上位に掲載されてしまうケースがあります。上記はメディアによる意図的な不正の場合と、広告システム側の自動設定で出稿されてしまった場合もあります。出稿を取り下げてほしい場合はASP経由で連絡してみましょう。
商標キーワードからCVにつなげる4つのポイント
最後に商標キーワードの掲載面を増やし、CV(コンバージョン)につなげるためのポイントを4つご紹介します。
ユーザーが購入する必要性を示す
まず1つ目はユーザーが購入する必要性を示すということです。
アフィリエイト広告は、第三者であるメディアに紹介されることが1つのポイントですが、やはり認知度の高い商品は紹介されやすい傾向があります。なぜなら、ユーザーが多くの商品から実際に購入する商品を絞り込む際、自分が知っている商品であることは1種の安心材料になるためです。
では、認知度がない商品は全く売れないのかというと、必ずしもそうではありません。むしろ、テレビCMやマスメディアでこそ見ない商品でも、アフィリエイト広告では非常に売れているというケースもよくあります。
認知度がない商材が戦っていくには、購入することによるメリットを的確に伝える必要があります。その商材がどんな人向けで、どんな効果があり、なぜ必要なのかをLPや紹介文、資料などで明確に伝えましょう。メディアに商品提供することも方法の1つです。実際の商品を手に取ってもらうことで具体的な使用感や感想を記事化してもらえます。
すでに競合商品が存在する場合は、それらとどのような違いがあるかを明示しておくと、メディアが記事作成するイメージをつけやすくなります。単なる強みや差異ではなく、それがユーザーにとってどんなメリットがあり、購入する必要性に繋がるかを想像し、クリエイティブに反映しましょう。
特化型サイトに掲載依頼する
コンバージョン率の高い広告効果を狙いたい場合は、特化型サイトを中心に掲載依頼すると効果的です。
ここでいう特化型サイトとは、特定の商材のみを専門に扱ったWEBサイトを指します。腕時計専門サイトや、メンズファッション専門サイトなど、ジャンルごとにさまざまなサイトが存在しています。
これまで、商標キーワード関連の検索結果には「商標サイト」と呼ばれる1商品のみを扱ったサイトが上位表示されるケースが頻繁に見られました。商標サイトは1ページ、あるいは数ページほどの記事数しかないため量産されやすかったのです。
しかし現在はGoogle側のアップデートにより、そういった商標サイトはほぼ表示されず、代わりに特定のジャンルに特化したWEBサイト(=特化型サイト)が目立つようになりました。これはGoogleがサイト制作者の経験や専門性、権威性などをより評価する姿勢となったためです。
出典元::Google 検索セントラル ブログ品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加(参照 2023-10-20)
特化型サイトは多くの商品やサービスを調査してきたプロであり、ユーザーがどういった点を重視するかを細かく把握しています。集客力の高い特化型サイト内で紹介されれば、コンバージョン数の大幅増加も期待できます。まずは特化型サイトのようなユーザーニーズが近いメディアにレビュー記事作成などの依頼を行い、掲載効果を高めていきましょう。
商標キーワードと一般キーワードをバランスよく強化する
認知拡大のためには、商標キーワードと同時に一般キーワードも強化するのがおすすめです。
商標キーワードを検索するユーザーはすでに商品のことを知っていて、比較検討段階に入っています。そのため潜在層への訴求には向いていません。自社製品の知らないターゲット層には、まず商品の存在を知ってもらう必要があります。そのためには、一般キーワードの強化と組み合わせて実施していくことが重要です。
例えば「〇〇+おすすめ」や「〇〇+比較」のような検索結果に表示されるようなまとめサイトや特化型サイトに掲載されれば、これまで自社製品を認知していなかった層の選択肢に入ることができます。商標キーワードと一般キーワードはそれぞれユーザー属性が異なっており、獲得ユーザーの拡大は安定的な集客にも繋がります。
アフィリエイト広告では広告主のプログラムを掲載している各メディアのクリック数やコンバージョン数をレポートで確認できるため、ASPの担当者と相談しながら掲載先を増やしていきましょう。掲載交渉自体はASP担当者が行うので、広告主が直接連絡を行う必要はありません。
訴求に関するルールを作る
商材に関する訴求文言や表現に制限がある場合は、訴求に関するルールを作成しておきましょう。
健康食品や金融関連など、商材によっては慎重に訴求を行わなければならない場合もあります。OK・NG表現の線引きをメディアに認識してもらうには、レギュレーションに関する資料などを作成し、メディアに共有するとよいでしょう。
特に商標キーワードに関しては、リスティング広告の商標出稿に関する問い合わせが多くなる傾向があります。ASPによってはプログラム情報にリスティング出稿禁止キーワードの記載欄があることも多いため、指定がある場合は記載しましょう。場合によってはリスティング出稿自体をNGとすることもできます。
まとめ
本コラムでは、アフィリエイト広告の基本用語とも言える「商標キーワード」に注目し、その特徴や活用方法を紹介しました。
商標キーワードはコンバージョン数の増加に効果的ですが、一般キーワードと含めて総合的に強化を行っていく必要があります。どちらをより優先的に強化するか、そのタイミングについてはジャンルや商材によってもさまざまなので、ASP担当者に相談しながら進めるのがおすすめです。
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