もしあなたが企業のEC担当者やマーケティング担当だった場合、自社商品やサービスを認知拡大するにあたって広告を実施するケースはよくあることでしょう。
数ある広告の中で、アフィリエイト広告は一言で「成果報酬型でブログに紹介してもらう広告」という認識の方が多いのではないでしょうか。
上記はもちろん正解ですが、不正解でもあります。
本コラムではアフィリエイト広告のプラットフォームであるA8.netの視点から、実際に広告主からいただくお問い合わせの中で、意外と知られていない豆知識をまとめてご紹介します。
これからアフィリエイト広告の導入を検討されている方は、ぜひご覧ください。
最適な広告選びのために
企業担当者は損をしたくない
SNSの普及やコロナ禍の生活などもあり、私たちの生活環境は大きく変わりました。
上記に付随し、人々の消費行動においてもネットショッピングの比重が高まりつつある昨今、多くの企業でEC強化の動きが強くなっています。
EC強化にあたって重要なポイントの1つが、WEB広告です。
適切なWEB広告選択と、広告運用による集客増加は売上に直結する要素ですが、実際に企業のEC担当やマーケティング担当といった現場では、下記のような原因でなかなか思うように進まないことも多いです。
・担当者が社内に1人しかいない
・社内に広告ノウハウがなく、手探りである
・他の業務も並行しながら対応している
そうした環境の中、会社の予算を使って広告を実施するとなれば、極力広告費の損失は最小限に抑えたいと思うのが自然です。
転ばぬ先の「下調べ」
そうした損失を避け、広告のポテンシャルを最大限引き出すには、その広告でできることを事前に十分把握しておくことが重要です。
アフィリエイト広告は成果報酬型の広告で費用対効果が高いという特徴から、多くの企業で導入されています。中でも長期的に売上を継続している広告主ほど、今回紹介するアフィリエイト広告の豆知識を深く理解されていると言えます。
もちろんこれら全てを導入時点で知っている方は少ないですが、逆を言えば事前に把握しておくことで、あなたの商品がより効果的に認知拡大できるかもしれません。
つまり情報量は広告の成功失敗を分ける鍵になり得るのです。
アフィリエイト広告とは
アフィリエイト広告とは、WEB広告と言われるプロモーション方法の1種です。
メディア(=媒体、アフィリエイター)が作成したブログや比較サイト、SNSなどに掲載されている広告をクリックしたのち、広告主サイトのサービス・商品に対し申込み・購入といった特定のアクションを行うことで成果が発生します。広告主はその成果に応じてASP経由でメディアに報酬を支払う流れとなっています。
アフィリエイト広告は、「成果報酬型」で「第三者訴求」ができるインターネット広告です。
広告の表示やクリックではなく成果報酬型の課金形態となるため、コストをコントロールした運用が可能です。そのため知名度の高い大手企業のサービスから、リリースして間もない新サービスまで、幅広い広告主にとって導入しやすい広告といえます。
【基礎編】アフィリエイト広告の豆知識
では本題のアフィリエイト広告の豆知識をご紹介します。
まずは【基礎編】としてアフィリエイトの収益や掲載先など、基本情報に付随したものから見ていきましょう。
掲載先はブログやまとめサイトだけではない
アフィリエイト広告に対するイメージとして、非常に多い点が「掲載先がブログやまとめサイト」であるということです。これは少し違います。
アフィリエイト広告を掲載する「メディア」は、もちろんブログやまとめサイトも含まれますが、その他にもYouTubeやInstagramといったSNS、ポイントサイト、アド運用メディアなど様々に存在しています。
- ブログやまとめサイト以外のメディア例
- 旅行予約サイト、価格比較サイトなど
- 旅行会社予約サイト、家電の最安値比較サイトなど、個人ブログやまとめサイト以外にもアフィリエイト広告は掲載されている。法人が運営していることが多い。
- SNS
- YouTubeやInstagramといったSNSにコンテンツを掲載し送客を行う。
SNS内に直接アフィリエイトリンクを貼るケースと、メディアが作成した記事へのリンクを掲載し、そのコンテンツ経由で送客する場合がある。 - ポイントサイト
- メディア側で会員を抱えており、提携している商品/サービスにポイントサイト経由で申込みを行うことで会員にポイントが付与される。ポイントサイトによっては数百万単位の会員を保持していることもある。
- 運用型メディア
- リスティング広告やディスプレイ広告など、メディアが独自に出稿費用をかけて送客を行う。短期間での集客が得意。
- アプリ
- メディア側の開発しているアプリ内に広告を掲載し送客を行う。
独立した集客経路のため外部影響を受けにくい。
アフィリエイト広告は世間一般では「アフィリエイター」という呼称の認知度が高いため、個人ブロガーのようなイメージが強いですが、実際には個人法人問わず、様々な集客方法が存在しています。
掲載先が1つに縛られないことで認知層、非認知層までカバーできることは大きな特徴と言えます。
無料ASPと有料ASPがある
アフィリエイト広告に出稿する際は、何らかのASP会社に登録する必要があります。
費用面においてASPは無料ASPと有料ASPの2つがあり、以下のように固定費の有無で違いがあります。弊社A8.netも有料ASPに該当します。
- 無料ASP
導入に際して初期費用や月額費用などの固定費が不要なASP
メリット :完全成果報酬型のため、コストを抑えられる
デメリット:登録メディア数が少なかったり、手数料が高く設定されていることがある
- 有料ASP
導入に際して初期費用や月額費用が必要なASP
メリット :登録メディア数が多く、広告効果が出やすい
デメリット:メディアの成果がない場合も月額費用がかかる
どちらもメリットとデメリットがありますが、いずれにせよまず見るべきは成果に繋がるメディアがどの程度いるのか、という点です。実際にASPへの問い合わせ時に聞くべきポイントは後ほどご紹介します。
アフィリエイト広告の費用に関しては、下記のコラムで詳しく解説していますので、気になる方は合わせてご覧ください。
成果報酬、成果地点は任意で設定、変更できる
メディアへの成果報酬の支払い対象となるアクション(=成果地点)と成果報酬金額は広告主側で設定が可能です。
自社商品やサービスの内容に応じて新規購入や会員登録、カウンセリング申込みなど、任意の成果地点を設定しましょう。成果報酬金額も同様に自由に設定できますが、競合他社よりも大幅に低い金額の場合はメディアの掲載が進みにくい場合もあるため、おおよその相場感や広告予算状況に応じて、ASP担当者と相談しながら設定することがおすすめです。
ちなみに成果報酬や成果地点は、設定した後に変更することも可能です。
「更に広告予算を出せるようになったので成果報酬を上げたい」
「申込みユーザーを絞りたいので成果地点を後ろ倒ししたい」
など、柔軟に対応できます。
通常報酬と特別報酬が存在する
アフィリエイト広告の成果報酬には、提携先のメディア全てに適用される報酬(=通常報酬)と、さらに一部上乗せした金額を支払う「特別報酬」という概念があります。「特別単価」「特単」とも呼ばれます。
特別報酬は主に「成果数が多い」や「送客内容の質が高い」など、集客への貢献性が高いと判断した一部の有力メディアに対して適用されるケースが一般的です。特別報酬を設定するかどうかは広告主の任意となります。
メディアにとって特別報酬は収益向上に繋がるチャンスであるため、特別報酬を交渉材料にメディアへ掲載強化を依頼することで、よりスムーズに掲載面を拡大できます。交渉自体はASPが行います。
特別報酬の詳しいメリットや活用のコツは下記のコラムで紹介しています。
アプリのインストール、電話問い合わせも成果計測可能
一部ASPではアプリのインストールや電話問い合わせなどWEBサイト起因ではない成果計測も可能です。※1
A8.netでは上記の2点に加え、2021年10月より「クーポンコード計測システム」の提供を開始しています。クーポンコード計測システムは動画・紙面・音声といった様々な媒体からの成果計測が可能となっています。※2
広告効果が可視化されることで、費用対効果の改善や次へ向けたプロモーション案の策定がしやすくなるといったメリットもあります。
※1:ASPの対応状況や利用しているシステムによっても異なります。詳しくは各ASPにお問い合わせください。
※2:現在は掲載メディアを限定しての機能提供となっています。
【応用編】アフィリエイト広告の豆知識
続いて【応用編】として、アフィリエイト広告の細かい仕組みや機能面に関する豆知識をご紹介します。
メディアからの成果=全て支払いではない
冒頭でアフィリエイト広告の仕組みについて、広告主はメディアから発生した成果に応じてASP経由でメディアに報酬を支払うということをお伝えしましたが、メディアからの成果は全て支払い対象となるわけではありません。なぜなら、ASPには成果承認という仕組みがあるからです。
広告主はASPの管理画面で成果承認作業を行うことができます。
「成果承認」とはメディアから発生した成果を実際に広告主のデータと照合し、正当な注文かどうか判定を行う処理です。「成果確定」とも呼ばれます。
広告主の多くは月に1度程度、メディアの成果を確認し承認作業を行っています。成果承認されることで初めてメディアは収益を獲得します。
- 成果承認
-
成果を承認した場合:メディアへ報酬を支払う(=広告費が発生)
成果をキャンセルした場合:メディアへの支払いなし(=広告費は発生しない)
→成果報酬は広告主が成果を「承認」することで初めて広告費が発生する
そのためメディアからの成果=広告費に直結することはありません。
掲載メディアを絞ることができる
「明らかに報酬目的のサイトには載せたくない」
「ブランディングのためにも掲載先は自社で選定したい」
といった場合は掲載メディアを絞ることができます。
メディアがアフィリエイト広告を掲載するには、まずASPの管理画面で掲載したい商品やサービスのプログラムと提携する必要があります。提携可否は広告主側で判断できます。いわば「自社商品を紹介しても問題ないサイトかどうか」という判定です。
プログラムの提携は、自動提携と手動提携のいずれかを広告主側で選択できます。
- 【プログラム提携】
-
自動提携:提携申請をシステムで自動的に承認する(=提携審査なし)
手動提携:提携申請を一旦保留し、広告主側で提携承認を行う(=提携審査あり)
掲載メディアが多いほど売上が大きくなりやすい性質上、自動提携がおすすめではありますが、ブランディングなどの観点で懸念がある場合は手動提携にするとよいでしょう。さらにメディアを絞りたい場合は非公開プログラムとして運用することもできます。
メディアに商品提供することができる
メディアにより具体的な紹介をしてほしい場合や、商材自体の認知を深めたい場合はメディアに商品提供を行うという方法もあります。
A8.netの場合、主に下記の方法で商品提供できます。
- 【商品提供方法の一例】
- 提携メディアにニュース配信を行い、希望者を募る
- A8.netの担当者に依頼し、メディアを集めてもらう
- レビュー募集プログラムを活用する
レビュー募集プログラムはA8.netの独自施策で、メディア管理画面内の特定のページに募集情報を掲載できます。応募者の中から送付先メディアを決定し、レビュー記事を作成してもらうという内容です。送付先メディアの管理、商品の送付作業は基本的にA8.net側で行います。
効率的にメディアの募集や一斉配布ができるのはASPならではのメリットです。
不正メディアへの対応
アフィリエイト広告は第三者であるメディアに紹介してもらう性質上、広告主が意図しない内容で紹介されるケースも少なからず存在します。
広告掲載に関して独自の規定や表現方法の制限がある場合は、あらかじめプログラムの成果条件や否認条件に記載し、成果対象にならないことを発信しましょう。
- 成果条件:発生成果のうち、成果対象となる条件
- 例:新規注文のみ対象、決済完了、など
- 否認条件:発生成果のうち、成果対象外となる条件
- 例:不正、いたずら、「絶対痩せる」といった表現は成果対象外、など
A8.netでは商品の悪い点ばかりをあげるような宣伝や、広告素材以外の画像の使用(CMに起用した芸能人の画像など)といったアフィリエイトの基本マナーに反する行為を禁止しており、A8.netでも随時パトロールを実施しています。
もし事実と異なる記事や修正希望の記事を見つけた場合は該当のASPに問い合わせ、修正や削除を依頼しましょう。最終的にメディアが対応しない場合や不正を繰り返す場合は、プログラムの提携解除を行うことでメディア収益を遮断できます。
もしアフィリエイト広告に興味が出たら
最後に、これらのご紹介をきっかけにアフィリエイト広告に興味を持ったという方向けに、次のアクションをご紹介します。
ASPを比較する
アフィリエイト広告を導入する場合、どのASPで出稿するかが重要です。
ASPは大小様々な会社があり、それぞれ特徴が異なっています。
主な比較ポイントは以下がおすすめです。
- 【料金】
- 無料ASPか有料ASPか
- 月々の固定費はいくらか
- 成果報酬の手数料はいくらか
- 【得意ジャンル】
- どんな業界の導入実績が多いのか
- どんな業界のメディア(掲載先)が多いのか
- 【運用実績】
- 運用年数はどの程度か
- 【メディアからの評価】
- どんな点がメディアに支持されているのか
- アクティブなメディアは多いか
上記のポイントを中心に、主要なASP各社を比較した記事は以下のリンクからご覧いただけます。まずは2、3社程度検討候補を絞っておくとよいでしょう。
実際に問い合わせてみる
ある程度ASPが絞り込めたら、ASPに問い合わせてみましょう。
上記の記事から各ASP会社への問い合わせページに遷移できます。
各ASPのサイトでは、「お問い合わせ」や「資料請求」といった受付窓口が設置されています。問い合わせ以降は、メールやオンライン会議ツールなどを使い情報交換を行います。同業種の実績や料金の見積もり、導入後のメディア掲載イメージなど、気になる点や不安点を相談してみましょう。
アフィリエイト広告は中長期的に継続することで効果を発揮するため、長く取り組みができるASPかどうかを踏まえて相談することが大切です。
導入してみる
ASPが決定し、導入が決まったらいよいよ出稿です。まずはASP側で広告出稿の審査があり、LP内の表記や商材内容の確認とアカウントの登録後、出稿準備が始まります。
ASPへの出稿時、広告主が行う作業は主に下記となります。
プログラム初期設定:PR文や成果報酬、成果条件などの作成
計測タグの設定:広告経由の注文が計測できるよう、LPなどにタグを設置
広告素材の入稿:バナーやテキスト素材の準備・入稿
導入費用の入金:有料ASPの場合、初期費用や月額費用の入金
→最終確認後、出稿開始
アカウント登録完了から実際の出稿開始までは2週間~1ヶ月程度の期間がかかります。またメディアが実際に記事作成後、広告を掲載するまでは1~3ヶ月程度かかるケースが多いため、需要期がある商材などであれば、2、3ヶ月前までにはASPに問い合わせしておくのが理想です。ぜひ認識しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本コラムでは、意外と知られていないアフィリエイト広告の豆知識をご紹介しました。
弊社A8.netは国内最大級のアフィリエイト広告のプラットフォームを提供しています。業界最大級のメディア登録数と20年以上の実績を踏まえ、最適な広告設計をご提案させていただきます。
下記のお役立ち資料では、具体的な運用作業や工数をまとめてご紹介しています。アフィリエイト広告の運用にご興味がある方は、ぜひ合わせてご一読ください。