「インフルエンサーマーケティング」
X(旧Twitter)・Instagram・TikTok等のSNSを通じ、インフルエンサーのフォロワーに対して自社製品・サービスをPRしてもらうマーケティング手法。
マーケティング担当者としてインフルエンサーマーケティングを検討し、導入のため実際に社内で会議に上げようとした段階で、ほとんどの場合でまず問われるのは費用の問題かと思います。
「どれくらいの費用が掛かるのだろう?」
「インフルエンサーへの費用はどのように算出されるのか?」
「個人依頼と運営会社依頼で料金体系にどんな差異があるのだろうか?」
など、費用をかけて施策を打つにあたりどの企業も考慮事項が山積みかと思います。
今回はそんな担当者の方々に向けて、インフルエンサーマーケティングの費用面、
- インフルエンサーマーケティングの相場感
- インフルエンサーマーケティングの費用算出方法
- インフルエンサー個人or企業依頼先別料金事例
上記の3点を軸にご紹介していきたいと思います。
インフルエンサーマーケティングの相場感
まず大前提として、インフルエンサーマーケティングの費用については、大きく分けて以下の3要素を組み合わせて算出されます。
・起用するインフルエンサー
・実施先のプラットフォーム・掲載メディア
・個人依頼か企業依頼か
そのため、インフルエンサーマーケティングにおいてかかる費用の幅は、率直に言って実施するマーケティング施策によりけりです。
例えば、有名人とマイクロ・インフルエンサーどちらに依頼するのか、ユーチューバーに依頼して動画PRを打つのかインスタグラマーに依頼して投稿写真プロモーションで訴求するのか、個人にDMで直交渉を行うのか、キャスティング会社やマッチングプラットフォームを通して既存の料金体系の中で契約するのか。
パッと挙げられるだけでも費用は大きく異なります。
その他にも、どこかの運営会社に依頼をするとして、当然ながらその運営会社ごとの料金体系も異なってくるので、それら複数の要素を組み合わせたときに最終的な費用が算出されるというのが実情です。
ただ、実情としてかかる費用がケースバイケースとはいえ、その中でも基本的な料金体系として利用されている算出方法についてはいくつかの代表的例があります。
次項ではその代表的な費用算出方法について見ていきましょう。
インフルエンサーマーケティングにおける費用算出方法
現在インフルエンサーマーケティングにおいて利用されている代表的な費用算出方法については以下の6つの方法があります。
基本的には施策を行うSNSの特性やマーケティングを行う商品・サービスの形態などによって適用される算出方法を決定していく流れになります。
- フォロワー数×単価
- 再生回数×単価
- 成果報酬型
- 売上割合型
- 費用全額負担型
- ギフト型
それぞれを項目立ててご紹介していきます。
- 1.フォロワー数×単価
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最もベーシックな算出方法で、インフルエンサーのクラスによって単価の上下はありますが、現在の依頼にかかる単価の相場は投稿あたり「フォロワー×2~6円」となっています。この単価の幅は基本的にフォロワー数・実績によって前後します。
例としてフォロワー20万人で単価2円のインフルエンサーに1投稿依頼となる場合、
20万×2円=40万円
が、概算として費用が算出される形です。
- 2. 再生回数×単価
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動画を利用したインフルエンサーに対して利用される計算体系です。こちらは動画の平均再生数やチャンネル登録者数に応じて算出される方法です。
単価としては「平均再生回数×3~20円」が相場で、この相場は平均再生回数のほか、おおよそチャンネル登録者数・高評価比率・コメント量などによって決定されます。例としては平均再生回数10万回で単価3円のインフルエンサーに依頼となる場合、
10万×3円=30万円
が、概算として費用が算出される形です。
- 3.成果報酬型
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購入・資料請求など、実際に成果が発生したときのみ費用が発生する算出方法で、中には商品の認知を広げることを目標設定したプロモーションとして「いいね・リツイート・高評価件数」など各SNSでのエンゲージメント数を成果とする場合もあります。
単価は「数百円~数千円」と成果対象となる商品によって様々な金額設定となっており、基本的には商品自体の値段によって単価が決定されていく傾向にあります。
また、エンゲージメント数を単価の指標とする場合は「1~3円」などと非常に安価な金額が設定される相場感となっています。
- 4.売上割合型
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ある商品の売り上げに対して、歩合か定率かいずれかの割合を掛けて算出する方式です。
こちらは有名人・超有名インフルエンサーとコラボ商品のような形で活用されるもので、商品・サービスの金額も様々なため各交渉間の問題となっており、残念ながら具体的な割合についてはあまり公にはなっておりません。こちらはコラボ商品のようなイメージでインフルエンサーのアイデア企画を取り入れる、コンサルティング型と称されるような施策法を実施する場合に使われる計算方法です。
- 5. 費用全額負担型
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インフルエンサーに依頼するにあたり、サービス・商品のPRを行う際にかかる費用を依頼主が負担する形式です。
例えばPR活動のために必要となった交通費・その他諸経費について全額分の費用となります。インフルエンサー側と事前に話をつけておけば別途追加費用が発生しないため、目算が付けやすい算出方法といえるでしょう。
施策としてはインフルエンサーに実地で体験してもらう現地訪問型と呼ばれるようなキャンペーンの際によく用いられます。
- 6.ギフト型
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商品提供の形でインフルエンサーに商品・サービスをお渡しして、そのレビューを各SNS上で紹介してもらう方式です。
この場合、起用するインフルエンサーの規模によっては費用としては商品提供分のみとなり、非常コストをコントロールしやすい算出形式といえます。こちらは実際使用後のレビューを投稿してもらうギフティング・サービス型といわれる施策の際に取り入れられ、インフルエンサー自体をユーザーとして囲い込む手段としても有効な手法として利用されています。
以上に紹介した6つの算出方法が現状の運用において主に使われていますが、実際には運営会社を通している場合、上記の料金体系にプラスアルファで仲介手数料やシステム利用料が上乗せになることが基本となります。
ということで、お次はインフルエンサーへの直接依頼した際と、運営会社を通した際の費用感を比較し交えて、そんな仲介手数料周辺情報について見ていきたいと思います。
個人直依頼or運営会社依頼による費用感
依頼先としては大きく分けてSNSに備わるDM等を利用する個人への直依頼する方法と、ディレクティング・キャスティング会社やマッチングプラットフォームなど運営会社を通じた方法があります。
直接依頼の費用感
多くの場合、厳密な料金体系がないため掛かる費用はまちまちとなりますが、仲介を通さないため費用としては抑えられる可能性が高くなります。依頼時の基本としては上記の算出法の相場を見て直接交渉という形になります。
(上記例1:フォロワー×単価の場合だと、投稿あたり「フォロワー×2円」など)
交渉に臨む際は、算出法の枠組みの中から自社が今回の施策に対してどれだけ予算を割いてどれだけの目標値を達成するのかをベースに、各規模のインフルエンサー(有名人・トップ・マイクロ・ナノなど)から候補者を選出し、提携可能な人数を決定して起用していく働きかけが望ましいと言えるでしょう。
また、そういった事情に加え、直接の依頼となるとあくまで個人に依頼する形になるため、依頼料やインフルエンサーの選定、投稿内容の精査からスケジュール調整等、費用以外の管理コストについても注視する必要があります。
運営会社依頼の費用感
インフルエンサーの起用にあたり、依頼先となる運営会社は大きく分けてディレクション・キャスティング会社とマッチングプラットフォームの2パターンとなります。
ディレクティング・キャスティング会社の場合
インフルエンサーのキャスティングからディレクションまでを一括で担ってもらえるサービス形態で、依頼料は会社によって差はありますが、近年の相場感では発生するサービス費用のグロスについては以下のような形式があります。
- パターンa):フォロワー×2~8円
- パターンb):1ストーリー投稿/1ポスト投稿×数万円
- パターンc):インフルエンサー動画制作数万円×20%
依頼料
※金額はあくまで参考例です。
本来であればインフルエンサー運営会社ごとの料金体系を記載したいのですが、各社とも詳細な料金表は掲載されておらず、総合的な費用としては問い合わせ・相談時に初めて明らかになることがほとんどです。
ただ、企画から効果測定まで一連の流れをお任せすることが可能なので管理費用の面では非常に理があるため、管理コストにお困りの方は料金以上の価値が得られるかもしれません。
マッチングプラットフォーム
プラットフォームに登録したインフルエンサーと、彼らに施策の依頼をしたいクライアントとの出会いの場として機能しており、自社が案件を投稿してその案件にインフルエンサーからの応募が来るというのがマッチングプラットフォーム型の基本的なサービス構造になります。
このプラットフォームの費用は運営会社が増加傾向にあることにより、日々サービス内容も含め変動している中での例示ですが、近年の相場感と照らすと発生するサービス費用の内訳は以下のような体系が参考として挙げられます。
- プラットフォーム利用料 :20%前後
- ポスト投稿/ハイライト保存 :有償
- ストーリー等 :数千円
依頼料
※金額はあくまで参考例です。
プラットフォーム型にしても目安となる具体的な数字を出すのは困難なことに変わりないですが、指標としてはその他月額固定費の有無、インフルエンサーの決定方式において公募形式なのか指名形式なのか、実施するプロモーション内容や、必要スキル・実績等によっても価格は変動していきます。
選定できるインフルエンサーがプラットフォーム登録人数内という制約はありますが、マッチングプラットフォームの場合、企画からキャスティングまでを自社で行うため、その仲介手数料をはじめとした依頼料に関しては大幅に削減できます。
また、上記のどのような依頼先を選択するにしても、費用をかけて施策を行う際には事前の準備として自社の商品イメージとインフルエンサーの活動内容がマッチしていること、依頼するインフルエンサーのフォロワーの特徴・属性について把握できるていること、明確なKPIを設定できることを重要確認事項として認識しておくべきでしょう。
実際の費用感について社内で合意が取れた段階で、まず依頼先を選定する前に施策を行う用意ができているかチェック項目を作成しておき、より効果的なインフルエンサーマーケティングを成功させる確率を上げていきましょう。
その他インフルエンサーのマーケティングの基本や、実際の施策効果についても知りたいという方はぜひ以下の記事をご参照ください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
インフルエンサーマーケティングにおける費用について知識は深められましたでしょうか。
実際の料金体系はインフルエンサーマーケティングの特性上、ケースバイケースな側面が強く、具体的な金額について算出することは難しいですが、検討中の施策における費用概算の方法については机上で確認できるようになったのではないでしょうか。
どのような活用方法であれ、インフルエンサーマーケティングにおいては商品・サービス、インフルエンサーの網羅的な知識や各種SNSの特性等と自社の現状とを照らし合わせながら 最適な施策を行うことが成功のカギとなってきます!
せっかく予算をかけるのであれば、売上・認知向上に効果的な情報を集め、しっかりとインフルエンサーマーケティングについての知識をものにしたのち、じっくり比較検討して導入していきましょう。
さらにA8.netでは、インフルエンサーマーケティング活用方法についてさらに詳しく資料にまとめました。
今回紹介しきれなかったサービスとA8.net組み合わせた相乗効果的なインフルエンサーマーケティングの活用方法についても記載しておりますので、ぜひご一読ください。