このコラムをご覧頂いているEC担当者の方の中には、シーズン商品・季節商品と呼ばれる商材を扱っている方もいるかと思います。
シーズン商品はアフィリエイト広告での展開はやや難しいと言われています。
ですが、シーズン商品は効果的な運用ポイントを理解すればアフィリエイト広告で獲得を増やしていくことができ、実際に成果をあげている広告主がいることも事実です。
本コラムではシーズン商品でのアフィリエイト広告出稿を検討している方に向けて、掲載するメリットや成功ポイント、活用事例を紹介しています。
「シーズン商品でアフィリエイト広告を出稿したい」
「シーズン商品のアフィリエイト活用事例を知りたい」
といった方はぜひご覧ください。
アフィリエイト広告とシーズン商品の関係性
アフィリエイト広告とは
アフィリエイト広告とは、WEB広告と言われるプロモーション方法の1種です。
メディア(=媒体、アフィリエイター)が作成したブログや比較サイト、SNSなどに掲載されている広告をクリックしたのち、広告主サイトのサービス・商品に対し申込み・購入といった特定のアクションを行うことで成果が発生します。広告主はその成果に応じてASP経由でメディアに報酬を支払う流れとなっています。
アフィリエイト広告は、「成果報酬型」で「第三者訴求」ができるインターネット広告です。
広告の表示やクリックではなく成果報酬型の課金形態となるため、コストをコントロールした運用が可能です。そのため知名度の高い大手企業のサービスから、リリースして間もない新サービスまで、幅広い広告主にとって導入しやすい広告といえます。
シーズン商品とは
シーズン商品とは、特定の季節を中心に販売される、もしくは売上が伸びる商品全般を指します。季節商品、シーズナル商品とも呼ばれています。
年間を通して販売される商品と比べて特定の時期に大幅に売れることが特徴で、商品需要のピークを捉え、戦略的な在庫管理と販売を進めていくことで定番商品を上回る売上を記録するケースなどもあります。
シーズン商品は文字通り季節感に伴って売上が大きく影響し、気温が1℃違うだけで販売量が変わることも珍しくありません。そのため、いかに正確な予測をつけてシーズン期間中に売上を最大化できるかが鍵となっています。
アフィリエイト広告でシーズン商品が難しいと言われる理由
一般的にシーズン商品はアフィリエイト広告で展開することが難しいと言われています。その理由は主に下記が挙げられます。
- アフィリエイト広告が中長期的に売上を伸ばしていくビジネスモデルであるため
- 広告掲載するメディアにとって、売上が安定しにくい商材はやや紹介しにくいため
しかしながら掲載するメディアがいないということではなく、実は特定の時期に売れる特性を活かし、あらかじめ記事を仕込んでおくことで売上を伸ばすメディアが存在します。そのメディアからさらに元を辿ると、しっかりと準備を行い売上を最大化している広告主がいるということも見えてくるのではないでしょうか。
アフィリエイト広告でシーズン商品を売るメリット
では広告主がアフィリエイト広告でシーズン商品を販売する理由はどこにあるのでしょうか。この章では広告主側のメリットを紹介していきます。
検索需要の対策ができる
シーズン商品は需要が高くなる時期に入ってくると、それに付随してユーザーの検索ボリュームも上がってくる傾向にあります。
企業によっては自社サイトを活用して集客していることもありますが、Google広告は入札単価が高騰していたり、SEO対策はすぐに掲載順位を上げられなかったりと、検索ユーザーの取り込みを自社完結で行うのは容易ではありません。
アフィリエイト広告は掲載するメディアが1つに絞られないため、すでにSEO上位にいる複数メディアに対して掲載交渉することが可能です。SEO状況を見つつ随時掲載交渉を進めていくことで需要期に向けて増加する検索ユーザーの取りこぼし対策に繋がります。
企業にとっては新たな集客経路の確保にも繋がり、売上拡大、集客の安定化も期待できます。自社ECのみで獲得しにくい集客をメディアでカバーしていきましょう。
購入意欲の高いユーザーを集客できる
シーズン商品をアフィリエイト広告で紹介しているメディアの特徴として、特化型サイトが多いことが挙げられます。
特化型サイトとは、例えばおせち専門サイトやアウトドア用品専門サイトなど、特定のジャンルのみを取り扱ったサイトを指します。
特化型サイトは多ジャンルを扱っているサイトに比べて読者を絞り込めるため、より踏み込んだ切り口での記事集客に長けており、比較検討しているユーザー、すなわち購買意欲の高いユーザーを効率的に獲得することが可能です。
商品のコストパフォーマンス、内容物紹介、特定のターゲットやシーンでのおすすめランキングなど、記事の切り口はメディアによって様々となっており、まさにアフィリエイト広告の得意分野ともいえる部分です。またメディアが書いた記事による第三者訴求は消費者目線で商品の感想をユーザーに発信してくれるため、購入するユーザーにとっても安心して申込みができるメリットにも繋がります。
有力なメディアと連携しやすい
意外と見落とされてしまいがちなのが、このポイントです。
シーズン商品は特定の時期に需要が高まる再帰性があります。例えば昨年に多数獲得してくれた有力メディアが今年も検索上位をキープしていて、集客が見込めるケースもよくあります。こういったメディアと都度連携して関係値を作っておくと、他のプログラムよりも掲載交渉が進みやすくなることがあります。
メディアは前年獲得に協力してくれたり、収益になりやすい情報共有をしてくれた広告主との関係性を重視して掲載を続ける場合もあります。1シーズン限りではなく長い付き合いを意識し、有力メディアと協力して売上を作ることが理想的です。
シーズン商品でアフィリエイトを成功させる方法(マインド編)
こちらでは、シーズン商品でアフィリエイト広告を成功させる方法を【マインド】【運用】の2章に分けてご紹介します。
需要期を逆算して施策を打つ
アフィリエイト広告はメディアが記事作成して掲載するため、掲載にはある程度の準備期間が必要です。
メディアへの情報解禁やキャンペーンの施策告知は最低でも需要期シーズンの1ヶ月前には実施しておくとよいでしょう。単純にメディア側の準備の観点で言えば情報提供は早いに越したことはありませんが、あまりにも早過ぎるものは忘れられてしまう可能性もあるので情報共有は需要期の1〜3ヶ月前後がおすすめです。
また、新たにアフィリエイト広告へ出稿する際は、需要期までに一定数の掲載メディアを確保しておきたいところです。この場合需要期に入る3ヶ月ほど前までには出稿しておくと理想的といえます。
その他にも商品のリリース日や詳細情報など、メディアに共有できる情報は極力早めに発信し、メディア側の準備期間を踏まえて施策を実施するように意識しましょう。
オフシーズン向けの施策を用意する
需要期のピークが過ぎればシーズン商品は売上が鈍化します。これはシーズン商品であれば避けられない点ではありますが、オフシーズン時の施策を準備しておくことで需要期以外の売上を創出することができます。具体的な方法は以下が挙げられます。
- シーズン終了の在庫品で割引キャンペーンを実施する
オンシーズンに購入できなかったユーザーの取りこぼしを防ぐ
- 本商品の関連品を販売する
繰り返し使用できる商品であれば、ケア、メンテナンス商品を販売する
- オフシーズンの訴求を提案する
ギフト商品訴求や特定の職業への訴求などオフシーズンでの使用用途を提案する
幅広い用途を提案することで掲載メディアの幅が広がる
特に企業側にしか知られていないオフシーズンの使用用途は、思わぬメディアからの集客に繋がるかもしれません。ぜひメディアに周知しておきましょう。
メディアとのコミュニケーションを重視する
シーズン商品を掲載している特化型サイトは通常の比較サイトと比べてライバルなども少ないためSEO上位でも競争率がやや少なめです。来年のシーズンも同様のメディアで掲載するためにメディアとのコミュニケーションは大切にしましょう。
例えばおせちやカニなどの食品系であればメディアの試食会を設けたり、サービス系であれば体験会やセミナーを設けたりなど、実際にメディアに接触する機会を作ることで距離感を縮めていく事ができます。有力なメディアであれば個別で対応する機会を設けることもよいでしょう。
またそのような機会を作ることが難しくても、新商品の情報などをこまめに情報提供することで、メディアは記事作成にあたってのヒントが見つかるかもしれません。A8.netではメディアへのニュース配信機能を始め、セミナーやA8フェスティバルといったイベントも開催しています。興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
参考リンク:A8フェスティバル2022in渋谷
※2022年度の開催は終了しております。
シーズン商品でアフィリエイトを成功させる方法(運用編)
こちらでは運用面に特化してアフィリエイトを成功させる方法をご紹介します。より実践的な内容になるので参考にしてみてください。
需要期に合わせたクリエイティブを作成する
シーズン商品が需要期に差し掛かると、特定の商品の売上が急激に上昇するケースも珍しくありません。シーズン商品の売上を最大化するためには「売れるときに最も売れる環境を作っておく」必要があります。
需要期でメディアからの送客が増えても、関連度の薄いクリエイティブではせっかくのユーザーを取りこぼしてしまいます。下記のような方法で売れる環境を整備しておきましょう。
- シーズン商品単体のランディングページやバナーを作成する
- シーズン商品を最も目につく配置にする
- より季節感のあるデザインに変更する
- ランディングページ内やプログラムのPR文に人気商品を記載する
特に4点目の人気商品の記載は、メディアにとって紹介する商品を絞りやすくする効果があり、PR文を変更するだけでも実施できるため比較的取り組みやすいでしょう。また商品によっては、毎シーズンごとにユーザーの楽しみ方や切り口が変わっている場合もあります。可能であれば訴求やトレンドに合わせてクリエイティブを複数用意することも一つの方法です。
SEO以外の集客も活用する
例えば社内決裁などの関係で情報解禁が需要期の直前になってしまった場合、SEOメディアからの獲得のみでは集客が間に合わない可能性があります。
そのようなケースへの対策としては、下記のようなSEO以外の集客経路を持つメディアへ掲載をすることがおすすめです。
- SNSメディア
-
YouTube、Instagramなど、各種SNSにコンテンツを掲載し流入させる
- アドメディア
-
リスティング広告やディスプレイ広告など、メディアが独自に出稿費用をかけて流入させる
- ポイントサイトメディア
-
自社で多数の会員を抱え、会員に対して訴求を行い流入させる
上記の3種類はいずれもSEOとは異なる集客が可能で、Googleの検索順位変動の影響を受けることがありません。アフィリエイト広告は掲載メディアが1つに限定されないことで、状況に応じて注力するメディアを変更できることが強みなので、ASP担当者と協力しながら掲載先を決めていきましょう。
メディアの収益サイクルを早める
シーズン商品は獲得が増加する期間が限られているため、メディアもスピード感を持って作業を進めています。獲得ペースを落とさないためには、可能な限り収益サイクルを短くしメディアのモチベーションを保つことが重要です。具体的な方法は以下などがよいでしょう。
- メディアのプログラム提携を自動設定にする
-
メディアが広告掲載するにはASPの該当プログラムに申請を行う必要がある
自動承認設定にすることでスムーズに広告掲載に移行できる - メディアの発生成果の承認作業をこまめに行う
-
発生した成果は広告主が「承認」することで初めてメディアの収益となる
承認サイクルを短くすることで稼げるプログラムだと認識してもらう
メディアが広告を掲載して収益を生むまでの期間を極力短く出来れば、よりメディアに選ばれるプログラムとなり掲載面も広がりやすくなるはずです。ぜひ検討してみましょう。
シーズン商品のプログラム運用事例
最後に実際のシーズン商品で数多く成果を上げているプログラムの運用事例をご紹介します。
運用事例1 某かに商材専用プログラムの場合
- ジャンル
- かに
- 需要期
- 11月~12月
- 成果報酬
- 購入5%
- 主な実施施策
- メディアへのニュース配信、本シーズン用の広告素材を作成など
かには肌寒くなり始めた初冬から年明け頃まで売れ行きが高く、特に年末年始の時期に需要が増加します。広告主によっては本格的な需要期に入る前の10月中旬から本シーズン用のランディングページや広告素材を提供しています。
また昨シーズンとの売れ行きの推移や人気商品の情報など、こまめな情報共有を行うことでメディア側で記事の準備が進むよう連携していました。プログラムのPR文だけでない情報発信がメディアからも非常に好まれたと考えられます。
運用事例2 某スイーツ系プログラムの場合
- ジャンル
- スイーツ
- 需要期
- バレンタイン、クリスマスなど
- 成果報酬
- 購入10%
- 主な実施施策
- ギフト訴求、オフシーズンでの訴求、特集ページでの掲載など
スイーツのプログラムは主にバレンタインやクリスマスといった特定の日にちに対して需要が伸びるケースが多いですが、このプログラムのPR文では他にも結婚祝いや誕生日、お中元やお歳暮などのギフト訴求を全面に推し出しており、需要期以外のタイミングでも売上が出るような展開を行っています。LPのクリエイティブも直近のイベント毎に変更を行い最適化しています。
またA8.netのメディア会員に対してリリースしているバレンタインのプログラム特集ページに掲載することで需要期にあたってメディアの認知度を高めていたこともポイントです。特集ページはA8.netが独自に行っているオプション施策となっています。掲載を希望する際はA8.netの担当者にぜひ相談してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本コラムでは、シーズン商品にスポットを当ててアフィリエイト広告を実施するメリットや成功ポイントなどを主に紹介させていただきました。
通常の商材とは意識するポイントが異なり難しい点もありますが、これらの要素を押さえておくことでシーズン商品でもアフィリエイト広告を実施することができます。
A8.netではより詳細な運用事例も含めて個別でのご相談も可能です。
まだ導入に迷っている、という方もぜひお気軽に資料請求ください。