現在私達の生活の周りには様々なサブスク(サブスクリプション)サービスが溢れています。音楽配信や動画配信など、実際に利用されている方も多いかと思います。
業種やジャンル問わず日々新たなサービスが生まれ注目されているビジネスモデルですが、実はサブスクサービスとアフィリエイト広告が相性が良いのはご存知でしょうか?
本コラムでは、サブスクにアフィリエイト広告がおすすめな理由や、サブスク商材でアフィリエイト掲載を進めるコツなどをご紹介しています。
サブスクサービスのEC担当者やマーケティング担当など、これから広告運用を検討されている方はぜひ最後までご覧ください。
※前提としてアフィリエイト広告の話が含まれるため、ご存知ない方は先に下記コラムをご参照ください。
サブスクとは
サブスクとは
サブスク(サブスクリプション)とは、⼀定期間分の製品やサービス利⽤に対して、月額もしくは年額などの課金方式で代⾦を⽀払うビジネスモデルを指します。
直接買い切りで購入する通常の形式とは異なるため、ユーザーは低価格で申込みできたり、気軽に解約ができます。実際にサービスを利用した上で、サービスを気に入ればさらにオプションが追加された有料会員に切り替えるなど、ユーザーのニーズに沿って柔軟な利用が可能となっています。
サブスクサービスは多くの場合「購入型」「サービス利用型」のいずれかに該当します。2つの違いとしては代金を支払うことでモノを所有するかどうかという点が挙げられます。
- 購入型:モノを購⼊し、所有するサービス形態
- 食材の宅配サービス
- 新聞の定期購読
- コンタクトレンズの定期便 など
- サービス利⽤型:モノを所有せず、⼀定期間利⽤する形態
- 動画配信サービス
- カーシェアリング
- ファッションレンタル など
サブスク市場とアフィリエイト
サブスクの市場規模は年々大きく成長しており、2022年度には1兆円を超えると言われています。
この成長の背景にはインターネット技術の発達やスマートフォンの普及などが大きく寄与していますが、近年ではコロナ禍の影響で「巣ごもり消費」という生活スタイルが生まれたことも関係しています。
実際にサブスクサービスがアフィリエイト広告に参入するケースも増えてきており、動画配信などの定番系はもちろん、家電や花、おもちゃなどバラエティに富んだ商材が展開され始めています。
定額課金という性質上、サブスクはユーザーの継続率を高めていくことで中長期的に収益を得ることができるため、サービスの安定した収益基盤に繋げやすいというメリットがあり、今後も多くの企業がサブスク市場に参入していくことが考えられます。
なぜサブスクにはアフィリエイト広告がおすすめなのか
それではなぜサブスク商材にはアフィリエイト広告がおすすめなのでしょうか。
ここではその理由を解説していきます。
オファーにあわせた成果地点が設定できる
冒頭でもお伝えした通り、サブスクサービスは非常に多岐に渡るジャンルで展開できるビジネスモデルのため、申込みの際にユーザーが行うアクションも多様です。アフィリエイト広告ではユーザーのアクションによって初めて成果発生となるため、新規申込み・無料トライアル申込み・アプリインストールなど、提供するサブスクサービスごとに合わせた成果地点の設定が可能となっています。
例えば、ユーザーの無料会員登録後、本人登録が必要なサービスがあったとします。この場合、どこを成果地点にするかによってCV(コンバージョン)率も変わってきます。
- 例:<LP→無料会員登録→本人登録→有料会員登録>のサブスクサービス
-
無料会員登録を成果地点にする場合
→申込みハードルが低いためCV率は高くなりやすいが、無料のままの会員もいる本人登録を成果地点にする場合
→無料登録よりCV率は落ちるものの、有料会員への転換率は高くなりやすい
各地点での本商品転換率などを参考に、サービスの採算が取れるポイントで成果地点を設定することで、中長期的な運用に繋げていきましょう。判断が難しい場合、一度ASP(アフィリエイト広告配信事業者)の担当者に相談することも有効です。
ユーザーへのサービス理解を促す
サブスクサービスは定額制の課金サービスという性質上、サービス申込み後の継続率が重要となります。長期的に利用してくれるユーザーを確保するためには、申込み前と申込み後の情報のギャップを最小限にした上で、サービスを利用してもらう事が重要です。
アフィリエイト広告では、メディアが広告主とユーザーとの間に立ち、サービスのメリットや使用シーンなどを消費者目線で紹介することで、サービス内容をわかりやすくユーザーに伝えることができます。みなさんも実際に何かを購入する際、レビューや評判などを調べてから購入する方が多いのではないでしょうか。
ユーザーは企業からの正確な情報と実際に申し込んだ利用者の声の2つを検討することで購買意欲を高めていきます。購入前の自分自身と同じ立場で率直な感想や口コミが確認できることは安心感にも繋がっており、そうしてサービス理解を深めることで申込後の認識相違を減らし、ひいてはサービスの継続率向上へと続いていきます。
認知から購買まで幅広いファネルで集客できる
ユーザーの購入するまでの消費行動には大まかに【認知】【興味・関心】【比較・検討】【購買】の4つがあると言われています。
これらはマーケティングファネルと呼ばれ、耳にしたことがある方も多いことでしょう。ディスプレイ広告やネイティブ広告といった各WEB広告をこのファネルに当てはめると、多くの広告が、【認知】だけに単一特化していたり、多くても【認知】【興味・関心】の2つまで得意としています。
しかしアフィリエイト広告の場合、第三者であるメディア(=アフィリエイター)が自身のサイトで記事を作成しているため訴求の自由度が高く、シームレスに【興味・関心】~【購買】まで幅広いファネルで集客することが可能です。複数の掲載先を活用してサブスクを知っている、知らないに関わらず様々なターゲット層に訴求できる点はメリットと言えます。
またSNSと組み合わせて集客するメディアや、ポイントサイトに掲載することで実質【認知】~【購買】までカバーすることもできます。企業の自社サイトのみでは獲得しにくい集客経路にも繋がることも大きな魅力です。
プロモーション改善のPDCAを回しやすい
アフィリエイト広告では掲載先が1つに限定されず様々なサイトから集客ができますが、その一方で掲載メディアが増えてくると獲得状況の管理が難しくなる一面もあります。
アフィリエイト広告の場合、各メディアの獲得状況をASPの管理画面で一括で確認できるため、どのメディアがどれくらい獲得しているのかが把握でき、購買行動の分析がしやすくなります。
例えば、SNSで集客しているメディアの獲得数が多ければ、SNS掲載に対するキャンペーンを打ち出したり、訴求別でLPを複数用意したり、といった状況に応じた施策を講じることで、プロモーション改善のPDCAを回しやすくなるのです。これは多様な集客チャネルを持つことができるアフィリエイト広告ならではです。
様々なプランが用意できるサブスクで、獲得が発生しているメディアからサービスに求められるものを仮説立て、サービスに還元できることは大きなメリットになるはずです。柔軟にプロモーションを最適化して広告効果を高めていきましょう。
サブスク商材でアフィリエイト掲載を進めるコツ
ではサブスク商材でアフィリエイト広告に掲載する場合、どのような点が重要になるのでしょうか。3つのポイントでご紹介します。
LTVを考慮した成果報酬設定
多くのサブスクサービスの場合、ユーザーの初回利用のみではなく、複数回の継続申込みによって採算を合わせるケースが一般的です。そのため、アフィリエイト広告でメディアに支払う成果報酬設定もそれらを考慮して設計する必要があります。
LTVは上記のような中長期的な採算を検討する際に役立つ指標です。
LTVとは(Life Time Value)の略称であり、「顧客生涯価値」とも呼ばれています。1人当たりの顧客が、取引開始から終了までに企業に生涯どの程度の利益をもたらすかを表す指標となっており、中長期的な利益を考慮することで買い切りの商品よりも多くの広告予算を確保することが可能となります。
平均顧客単価 × 平均購入回数 で計算することができます。
- <例>
1ヶ月1000円、原価率20%の宅配サービスの場合 -
LTVを考慮しない場合:1ヶ月分のみ購入
→粗利800円 1ヶ月分の粗利のみで広告予算を設定LTVを考慮した場合 :1人あたり平均3ヶ月分継続
→粗利2400円【(1000円×3ヶ月)×80%】
3倍の広告予算を捻出可能
上記は大まかな例ですが、例えば1ヶ月1000円のサービスがあるとします。
初回のみでは800円の粗利で広告予算を決めなければならないところ、実際ユーザーは3ヶ月程度は継続する、というようなケースが多ければ、それをLTVとして考慮することで3倍近くの広告予算が確保できるのです。
継続率の高いサービスであれば、ぜひLTVを考慮した広告予算から成果報酬の割り振りを決めていきましょう。
「お試し」の導線を設置する
サブスクは、インターネット上で申し込みが完結するケースも多いため、実際の商品を手に取ることが難しいケースもよくあります。
ユーザーは購入した商品やサービスが自分に合わないかもしれないと懸念する「マッチングリスク意識」という消費者心理が働くため、このような不安を取り除くにはトライアルコースや初回モニター価格など「お試し」のステップを導入することがおすすめです。
紹介するメディア側にとっても、成果地点のハードルが低くなるため掲載するメリットが出ます。アフィリエイト広告ではメディアに選ばれやすいプログラムを設計することは獲得に大きく影響します。
サブスクはモノを所有しないサービス利用型や、新業態、新商品などユーザーが未知の部分も生まれやすいため、なるべく購入ハードルを下げる工夫を行いましょう。
メディアにもサービスを体験してもらう
アフィリエイト広告が持つ大きなメリットである第三者訴求は、実際に使った感想などを記事にすることでユーザーへの安心感に繋げる効果があります。この効果をより引き出すためには、まずメディア自身にユーザー体験をしてもらうことが重要になります。具体的には下記のような方法がよいでしょう。
- 商品提供
-
購入型の商材向け
申込み後に届く商品をメディアに提供(もしくはレンタル)する
- 体験会
-
サービス利⽤型の商材向け
実際にレッスンやトレーニングなどを体験してもらう
- 自己アフィリエイト
-
購入型・サービス利⽤型どちらも可能
メディア自身がASPの管理画面から実際にプログラムの商品やサービスを申し込み、成果報酬を受け取ることができる制度
上記は一例ですが、これらの方法でメディア自身がユーザーになることにより、記事がより具体的に訴求できるほか、メディア独自の視点で使用感を伝える事も可能になります。サービスの認知度向上にも繋がるので、ぜひ検討してみましょう。
アフィリエイト広告を実施したい場合
最後に、アフィリエイト広告を実施する際のポイントをご紹介します。
必要な情報
アフィリエイト広告を実施検討している場合、ASPに資料請求や問い合わせを行うケースが一般的です。最低限下記の情報を共有しておくとASP側から具体的な提案を得やすくなるので、確認してみましょう。
- 社名・担当者名
-
サービスを提供している企業の基本情報
- サービスサイトURL
-
広告掲載をしたいと考えている製品・サービスのURL
※LP作成中であればその旨を記載するのが良い
- 導入希望時期
-
「◯月までには実施したい」など、もし導入開始したい時期が決まっている場合、あらかじめ共有しておくと、そのタイミングに沿って仮スケジュールなどを立てられる。
広告の目的を決める
「サービスの認知拡大」や「新規ターゲット層の獲得」など、アフィリエイト広告を実施する上での目的はあらかじめ決めておくとよいでしょう。
アフィリエイト広告は様々なチャネルから集客できる分、目的に応じたメディアや施策に対して強化していくことが重要となります。次に打つべき施策に迷ったとき、指針となる【目的】があることで、着実に目的達成に近付くことができます。
特に、初めてのアフィリエイト広告導入の場合は、ASP担当者と相談しながら進めていくことがおすすめです。A8.netではプログラム開始~5ヶ月間、専任担当チームがサポートしています。運用面で困っていることや悩んでいることがあればお気軽にご相談ください。
掲載したいメディアがあれば共有する
こちらはやや余談となりますが、もしアフィリエイト広告運用にあたって「このサイトに掲載したい」「このSNSで紹介して欲しい」といったサイトがあれば、ASP担当者に連携しておくのがおすすめです。
ASPによってはすでにそのメディアと繋がっていて連絡がつく場合などもあるので、あらかじめ共有しておくことで、掲載条件の確認や掲載の注意点なども回収できることがあります。もし気になるメディアがあればサイトやアカウントのURLを共有してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本コラムでは、サブスクとアフィリエイト広告の運用メリットなどを主に紹介させていただきました。
A8.netでは現在様々なサブスクの広告主にご登録いただいており、運用事例も含めてご紹介が可能です。
まだ導入に迷っている、という方もぜひお気軽に資料請求ください。