いま企業宣伝では一度に多くの情報を伝えることができる動画コンテンツの需要が増加傾向にあります。YouTubeは世界最大の動画プラットフォームとして、国内だけでなく海外のユーザーに対してもアプローチができ、ユーザー数は今後もさらに増加していくことが予想されます。
しかしそんなYouTubeのマーケティングではどんな方法で他社が成功しているのでしょうか。
本コラムでは、YouTubeにおけるマーケティングで成功させるための考え方・YouTubeマーケティングでの成功事例について紹介していきます。
YouTubeでマーケティングを成功させるためには
マーケティングに使えるYouTubeの機能を知る
YouTubeではマーケティングをサポートするために多様な動画作成・広告出稿機能が備わっています。
- 様々な動画編集の補助機能
- 豊富な広告配信機能
- 動画・広告の分析機能
世界最大規模なだけあって、YouTubeは企業にとって動画マーケティングを実施するために最適な場となっています。しかしプラットフォームを存分に活用するには、まずはプラットフォームの機能・仕様を知る必要があります。
ここではそれぞれ代表的な動画編集や設定機能、広告の種類・分析機能をご紹介します。
- ●動画編集・設定●
-
・動画チャプターの設定
・おすすめ動画のハイライト表示
・著作権フリー音源の使用
・投稿後動画の編集・広告収益設定が可能
・コメント管理
・字幕表示の切り替え
- ●広告●
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・インストリーム広告
・アウトストリーム広告
・バンパー広告
・マストヘッド広告
- ●分析機能●
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・平均視聴時間・再生率
・リーチ・エンゲージメント
・視聴者の属性
YouTubeチャンネルの運用にあたって、まずは基礎となる動画の機能・フォーマットの仕様を押さえておきましょう。
いざアップロードするとなったとき元動画のフォーマットが間違っていたと気付くのでは撮影&編集の二度手間です。動画撮影段階でしっかり詳細を知っておき、画角・音声設定のプランニングに組み込みましょう。
また、動画広告配信をメインで利用する際には、YouTubeの機能に加え広告配信面の種類を知る必要があります。
こちらも公式で用意されたフォーマットの説明があるのでご参照ください。
チャンネル開設時に搭載される専用の分析ツールYouTube Studioではデータとして動画・広告の結果を分析できます。どんな動画の構成・コンテンツがユーザーの反応を得られるのかという基準の発掘にも利用可能です。
YouTubeでのマーケティングの効果改善を行う際のデータ確認ができるため、こちらも定期的に参照してKPIの設定などに活用していきましょう。
YouTubeマーケティングでの目的を設定する
通常のマーケティング同様、YouTube上のマーケティングでも目的を設定してから具体的な計画を立てることが重要です。
動画投稿の目的を考える際には、認知・検討・獲得の購買段階のうち、どのユーザーに対して訴求するかという点と組み合わせると、コンテンツの方向性が絞りやすくなります。
- 認知 :
- 動画で使用感の訴求
- 検討 :
- 動画で使用感の訴求
- 獲得 :
- ECサイトの導線を設置
またYouTube広告では多くの広告配信面が存在しており、購買段階ごとにマッチした広告が存在しています。
例えばYouTube公式ヘルプでは、各広告フォーマットにおすすめのキャンペーン目標がそれぞれ設定されています。広告施策を検討している際はぜひチェックしておきましょう。
- 認知 :
- インストリーム広告・バンパー広告
- 検討 :
- インフィード動画広告
- 獲得 :
- インストリーム広告(スキップ可能)
YouTubeマーケティングでのターゲットを選定する
続いてどんなユーザーをターゲットとするのか決定しましょう。
その際には先に設定したマーケティング目的と併せて考えると効率的です。
ここでは投稿コンテンツとYouTube広告に分けてYouTubeでのターゲット設定のポイントを解説していきます。
※一般的なYouTubeユーザーの特性については下記の記事にて解説しております※
投稿動画コンテンツでのターゲット設定方法
まず設定するターゲットによって投稿コンテンツの構成の逆算が可能です。
コンテンツではターゲットの趣味趣向・ライフスタイルに合わせた訴求内容・商品説明・尺調整を意識していくことをお勧めします。
例えば、認知段階であれば10分間ほどで完結する簡単なブランド紹介動画で見やすくする。獲得段階であれば長時間のライブ配信動画で実際の商品の使用感や商品製造におけるこだわりを伝えていくなど、見る側のニーズと売る側の訴求目的に応じてコンテンツの使い分けをしてく必要があります。
上記を踏まえ投稿コンテンツでのターゲットの一例を示します。
YouTube広告でのターゲット設定方法
YouTube広告にはターゲティング機能として、視聴する人で絞り込むオーディエンスターゲティングと、表示するコンテンツで絞り込むコンテンツターゲティングの指定ができます。
オーディエンスターゲティングでは、広告配信時にユーザーの属性を指定して配信する事が可能です。例えばユーザー属性として世代・性別・家族構成などのセグメント、「美容」などの興味関心をもとにマスユーザーからニッチなニーズまでターゲティングが可能です。
コンテンツターゲティングでは、広告配信時にジャンルを指定して該当するコンテンツに広告を表示させるイメージになります。
例えば「食品」をベースとして関連するトピックを指定したり、キーワードやデバイス単位でのターゲティングも可能になっています。
上記を踏まえYouTube広告でのターゲットの一例を示します。
自社ブランドをコンテンツとして活かす
さらにYouTubeでの成功を目指すためには、自社ブランドの魅力を投稿コンテンツに活かしていきましょう。YouTubeでは動画撮影と編集能力さえあれば、最低限のコストでコンテンツを投稿できます。
投稿する動画コンテンツは自社の強みを活かした独自性が求められます。加えてアカウント運用段階に応じた適切なものを投稿していく必要があります。
またアカウントの運用段階によってコンテンツの方向性を徐々にシフトさせていきましょう。
- 初期段階:
- ブランドの紹介、主力商品の紹介
- ランディング段階:
- 動画コンテンツ利用して広告を打つ・コメント返信動画
- ファン獲得段階:
- よりニッチなコンテンツ、新商品アピール、インフルエンサー活用
チャンネル開設の初期段階であればYouTube内での認知を広げる、ランディング段階ではユーザーの購買意欲を高める、軌道に乗ったらファン化を進めていくなど戦略の組み方を工夫できます。
YouTubeマーケティング成功事例
最後にYouTubeでの成功事例を紹介します。
YouTubeにおける指標・施策をもとに、下記の4パターンの中で成功例を示しています。
- 動画の再生数
- 登録者数
- 広告施策
- YouTuber施策
成功チャンネル①「ゴミ屋敷専門パートナーズ」(動画の再生数)
動画の再生数が伸びている企業アカウントとして代表的なのは「ゴミ屋敷専門パートナーズ」です。
この動画では実際のゴミ屋敷片付け作業を紹介しており、素人には知ることのできない作業内容と、作業に対する料金体系を明示した動画コンテンツとなっています。
加えて依頼者に作業後インタビューを行い、依頼者が相談に至った経緯を届けることで、視聴者の中で同じ悩みを持つ方からYouTubeを見て依頼したとの声も上がっています。
刺激的なタイトルと内容はYouTube内で拡散されやすく、360万回以上もの再生数を誇っています。
成功チャンネル②「北欧、暮らしの道具店」(登録者数)
登録者の多い企業アカウントとして有名なのは「北欧、暮らしの道具店」です。
「北欧、暮らしの道具店」はライフスタイルに合わせたインテリア雑貨の販売のほか、様々なメディアを運営しています。YouTubeではモーニングルーティン・Vlog・ドキュメンタリーなど映像コンテンツを通じて自社サイトへの集客を展開しています。
日々を生きる人の家庭やその背景を描くことで、優しく暖かでかつ人生の深みを知ることができる取材コンテンツに仕上がっており、チャンネルの登録人数は2022年6月現在、なんと50万人を超えています。
成功チャンネル③「Sansan」(広告施策)
YouTube広告で成功している例は「sansan」です。
sansanの広告はテレビCMでも有名ですが、YouTube内のインストリーム広告でも配信されていました。チャンネル上ではWeb限定のスピンオフver.も公開されています。
CMではその構成とフレーズで企業イメージを印象づけ、かつCMの内容に沿った訴求内容にした結果、YouTube広告で新たな顧客創出・認知の拡大に成功しています。
成功チャンネル④「キリン スプリングバレー」(YouTuber施策)
YouTuber施策の成功例では「キリン スプリングバレー」が有名です。
独特な口調で解説しつつ確かな調理技術で人気を集める料理系YouTuberとして活躍する「とっくん」さんと提携した動画では、視聴者が手に取りやすいビールだからこそキャンペーンと共に大きな宣伝効果を生んでいます。
ライブ配信にて、食欲をそそる料理とともに、注ぎからグラスに泡が立っていく様子は動画だからこそ魅力が際立っています。加えて、おなじみの「イタダキャス…」の掛け声からビールをぐっと飲み出すとっくんさんの姿を映し出すPRは、ユーザーに「自分も飲みたい!」という意欲を強く引き起こしています。
動画以外でもライブコマースの形式では他SNSも併用したリアルタイムキャンペーンも可能となるため、YouTuberの力を借りて情報を拡散させたい場合は強力な施策になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
YouTubeの成功事例についてご理解いただけたでしょうか。
YouTubeを存分に活用するには、YouTubeの機能を知り、マーケティングの目的とターゲットを設定し、自社コンテンツを活かしていくことが大切です。
今回ご紹介した事例以外にもYouTube内で検索すれば、気軽に他社の動きが確認できるのがYouTubeの良い所です。
競合でなくとも参考にできるヒントが隠れているかもしれないので、実施検討するのであれば準備段階で多くの事例を集めて成功確率を高めていきましょう!
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