オンラインショッピングが一般的な販売チャネルとなった現在において、売上のひとつの軸としてECサイトを開設・運営したいと考える企業も多いのではないでしょうか。
しかしECサイト開設にはどんな準備をしたらいいのか分からない方も多いはずです。
「ECサイト運営にはどのような業務が生じるのか?」
「ECサイト開設の準備のポイントはどこになるのか?」
本コラムでは、上記のようなお悩みを抱える方々へ、ECサイト運営に発生する業務を紹介したのち、ECサイト開設準備のポイントについて解説していきます。
ECサイト運営に発生する業務
ECサイト開設にどのような準備が必要か逆算するために、まず運営にどのような業務が発生するかという全体像を事前に知っておくことが大切です。
本章ではECサイト運営業務について6つのポイントに分けて解説していきます。
- 商品の追加登録・取下げ
- ECサイトの改善
- 販促活動・集客
- 受注処理・発送管理
- 在庫管理・物流管理
- カスタマーサポート
商品の追加・取下げ
ECサイトでは新商品の販売や商品⼊れ替えの度に登録作業が発生します。
登録作業についてはサイト管理画面から商品の追加登録・取下げが可能です。登録の際は商品画像・価格・その他詳細情報なども編集できます。
商品に関する情報は、ユーザーの商品理解を深め、使用感や利用シーンを具体的にイメージさせる重要な役割があります。登録する内容はサイト全体のCVRに影響する可能性があるため、こだわりを持って作業しましょう。
ECサイトの改善
長期的にECサイトを運営するうえでECサイトの改善は不可欠になります。
変更の際はよりユーザーがストレスなく利用しやすいECサイトを目指し、デザイン面・機能面の両方から改善していきましょう。
改善項目として注目すべき点は下記のような例が挙げられます。
- 購⼊導線の拡充
- 決済⽅法の拡大
- 会員登録フローの簡易化
販促活動・集客
ECサイトがどんなに良い商品・サービスを扱っていても、ユーザーに知ってもらえなければ購入につながりません。
できるだけ早くECサイトを軌道に乗せるためには、サイト開業前から認知拡大や購買促進を目的とした販促・集客施策を準備しておくことが重要です。Web広告・SNS運用・SEO対策など、複数の施策を実施することで様々なチャネルからの集客が期待できます。
受注処理・発送管理
ECサイトでは商品管理や発注手続きなど、日々の発注業務が発生します。⼀般的にはEC構築サービスやECプラットフォームの拡張機能で受注・発送管理機能を利用できます。
特にECサイトでは発送スピード・検品精度など自社の管理対応がダイレクトに自社商品・ブランドへの評価へ繋がる可能性があります。注文を受けた後、ミスなく納期に間に合うよう発注納品をスムーズに行える環境を整えてることが大切です。
在庫管理・物流管理
ECサイトでも事業規模が大きくなるごとに、在庫管理・棚卸し・商品梱包・領収書の同梱・運送会社への受け渡しなど物流管理業務が煩雑化する傾向にあります。
関係する会社との連携ミスや在庫の抱えすぎなどを回避し管理コストを最小化させるためにも、適切な在庫・倉庫管理など物流全般の管理は重要になります。
こちらも受注・発送管理と同様に、EC構築サービスの機能として備わっていることが一般的で、複数ショップの在庫一元管理機能や注文確認、注文の受付・出荷作業などの作業短縮化・自動化を見込むことが可能です。
カスタマーサポート
オンライン上でのショッピングとなるため、ユーザーからの問い合わせ先としてカスタマーサポートが必要になります。
カスタマーサポートはサイトの使い方から改善要求まで、様々なユーザーの質問・要望に応えるコミュニケーションの場となります。お問い合わせページでの電話・メールでの直接的な窓口を用意したり、FAQ・チャットボットの設置で間接的で効率的な運用を計ることも可能です。
ユーザーからのサイト評価や生の声を拾い上げたりなど、カスタマーサポートで得る情報の活用場面は広いためしっかり整えましょう。
ECサイト開設前の準備ポイント
ECサイトの準備物を用意する前段階として、開設にあたって考慮すべきポイントを知っておきましょう。
本章ではECサイトの開設準備にかかる基礎ポイントを4点に分けて紹介していきます。
- サイトのコンセプトと役割の明確化
- ターゲットと掲載商品決定
- サイト運営における⽬標設定
- サイトオープンのスケジュール決定
サイトのコンセプトと役割の明確化
まずECサイトのコンセプトを決定しましょう。コンセプトはECサイトの世界観を表現していくうえでのベースとなります。
またサイトの役割を明確にしておくと、どの商品を掲載するのか、販売チャネルの拡大として運営するのか、新ブランドの販売戦略として立ち上げるのかなど、構築段階でサイト全体の軸をぶらすことなく作成できます。
ターゲットと掲載商品決定
コンセプトや⽅向性を明確化したのちに、今度はECサイトのターゲットを設定しましょう。ターゲットを定めれば商品掲載や情報発信をより精度高く行えます。
例えば「20代メンズ×スキンケア」としてECサイトを展開する場合を想定してみましょう。
この想定であればターゲットは「見た目を気にする若年層男性」となるので、サイト構成をシャープで洗練されたブランドイメージにして、掲載する商品をスキンケア初心者にも分かりやすいものにしてみる、といったような手合いでECサイトのターゲット・掲載商品を決定していきます。
イメージ例としては下記の「BULK HOMME(バルクオム)」のサイトを想定してみてください。
サイト運営における⽬標設定
中長期的な視点を持ったECサイトの運営目標設定も重要です。
目標として売上・リード数などのKPIを設定することで、担当者間の共通認識として将来的なマーケティング戦略が確認可能になります。
また設定したKPIをもとにサイト訪問前の集客に課題があるのか、サイト訪問後の購買導線に課題があるのかなど、運営における改善点の仮説を立てることにも繋がります。
サイトオープンのスケジュール決定
最後にECサイトをオープンさせるまでの期間を決めましょう。
立ち上げの際には社内関係者または外部サービスとのやり取りも頻繁に生じるため、その点の連絡コスト・予算事情なども考慮しながらスケジュールに余裕をもって準備・計画を進めていきましょう。
なお、ECサイトの立ち上げに必要な期間は構築方法にもよりますが、3か月~1年ほどの時間を要するケースが多いです。どんなECサイトにするかは自社のリソース事情や事業戦略に合わせて柔軟に選択することが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ECサイト開設前の準備ポイントについて理解できましたでしょうか?
EC開設するには事前に様々な準備を要しますが、運営上で発生する業務の傾向から、必要となる準備・心構えのポイントはどのようなジャンルの事業においても変わりません。概してECサイトはカスタマイズ性が高いため、自社の状況に適したECを構築していきましょう。
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