近年マーケティングでYouTubeを活用しようと考えている企業が増えており、動画コンテンツは注目される手法の一つです。Youtubeの活用にあたっては、Youtubeにおけるマーケティングの知識が求められます。
「自社マーケティングでどのように活用したらいいのか?」
「Youtube広告とはどのような広告か?」
「どんな手法で他社が成功しているのか?」
そこで本コラムでは、Youtubeにおけるマーケティングの基本・活用方法について紹介していきます。
YouTubeマーケティングの概要
YouTubeは2005年に登場した動画プラットフォームであり、現在はGoogleの親会社Alphabet傘下にあります。
主な収入源は広告に依存しており、その額は$7,205(日本円で約8270億円)に上っています。
YouTubeのユーザー層は全世代に渡ります。
特に利用者の多い年代は10代~50代で、いずれも80%超の利用率を誇っています。
さらにYouTubeの特徴として、国内から海外までユーザーの規模が大きいという点が挙げられます。
国内の月間利用者数は2020年12月時点で6,500 万人を超えており、今後さらに増加していくことが予想されます。
YouTubeマーケティングのメリット・デメリット
YouTubeでマーケティングを行うメリット
メリットとしては以下のような点が挙げられます。
- 一つの動画でたくさんの情報を届けられる
- 幅広いユーザーに対してリーチ可能
- 無料のアカウント運用から有料の広告運用まで施策の選択肢が多い
YouTubeでマーケティングを行うメリットとしては、やはり動画で商品・サービスの魅力を伝えることができる点です。
文字・画像といった方法でしか伝えられなかったものを、動画では画面・音声と合わせて実際の使用感を情報として届けることが可能になります。
YouTubeの動画コンテンツをエンタメとして楽しむユーザーも多く、購買ニーズが顕在化していない潜在的なユーザーに対しても広く商品を認知するきっかけをつくることができます。
その他にもYouTube内だけでもアカウント運用から広告まで多数の施策の選択肢があるため、知識があれば自社の予算・リソース・戦略に合わせたマーケティング活動が可能です。
YouTubeでマーケティングを行うデメリット
- 機能が多いため最適化するのに知識・時間が必要
- 撮影・編集等の工数、技能が必要
YouTubeでマーケティングを行うデメリットですが、YouTubeは機能が充実している分、アナリティクス機能・YouTube内のSEO・広告運用など多くの知識が求められます。
また動画でのアカウント運用をする際は比較的長期の運用が求められるので継続力とリソースの確保が必要になります。
自社で動画を作成する場合では撮影・編集技能も身に付けなくてはなりません。
動画編集ソフトは手軽に導入することができますが、クオリティを挙げるには独特のスキルが必要です。
触りなれていないと操作もままならないので、もし作成予定があるのであれば施策をはじめる前段階で練習しておくことをおススメします。
YouTubeの重要指標
マーケティングに使えるYouTubeの機能を知る
YouTubeではマーケティングをサポートするために多様な動画作成・広告出稿機能が備わっています。
- 様々な動画編集の補助機能
- 豊富な広告配信機能
- 動画・広告の分析機能
世界最大規模なだけあって、YouTubeは企業にとって動画マーケティングを実施するために最適な場となっています。しかしプラットフォームを存分に活用するには、まずはプラットフォームの機能・仕様を知る必要があります。
ここではそれぞれ代表的な動画編集や設定機能、広告の種類・分析機能をご紹介します。
- ●動画編集・設定●
-
・動画チャプターの設定
・おすすめ動画のハイライト表示
・著作権フリー音源の使用
・投稿後動画の編集・広告収益設定が可能
・コメント管理
・字幕表示の切り替え
- ●広告●
-
・インストリーム広告
・アウトストリーム広告
・バンパー広告
・マストヘッド広告
- ●分析機能●
-
・平均視聴時間・再生率
・リーチ・エンゲージメント
・視聴者の属性
YouTubeチャンネルの運用にあたって、まずは基礎となる動画の機能・フォーマットの仕様を押さえておきましょう。
いざアップロードするとなったとき元動画のフォーマットが間違っていたと気付くのでは撮影&編集の二度手間です。動画撮影段階でしっかり詳細を知っておき、画角・音声設定のプランニングに組み込みましょう。
また、動画広告配信をメインで利用する際には、YouTubeの機能に加え広告配信面の種類を知る必要があります。
こちらも公式で用意されたフォーマットの説明があるのでご参照ください。
チャンネル開設時に搭載される専用の分析ツールYouTube Studioではデータとして動画・広告の結果を分析できます。どんな動画の構成・コンテンツがユーザーの反応を得られるのかという基準の発掘にも利用可能です。
YouTubeでのマーケティングの効果改善を行う際のデータ確認ができるため、こちらも定期的に参照してKPIの設定などに活用していきましょう。
YouTubeマーケティング活用手法
自社チャンネル開設
まずYouTubeでの自社チャンネルを開設しましょう。
自社チャンネルでのコンテンツ投稿では以下のような目的を設定したうえでマーケティングを実施していきましょう。
- ユーザーのファン化促進
- ブランドの認知拡大
- チャンネルでの広告収益化
- ECサイト購入導線の拡張
コンテンツとしてはユーザーのインタビュー動画、商品・サービスのデモ動画、チュートリアル動画、ライブ配信、Vlogなどが例として挙げられます。
公式サイト、ブログ、SNSに動画を埋め込むことも可能です。
YouTube内のSEOがあるため、効果が出るまでは時間が掛かるかもしれませんが地道に取り組んでいけば高い効果が期待できます。
また企業でチャンネルを開設する際はYouTubeチャンネルをブランドアカウントとして設定する必要があります。
ブランドアカウントを作成するにはまずGoogleアカウントを取得しておきましょう。
YouTube広告で宣伝
YouTubeのプラットフォーム内で広告を配信することができます。
ブランドの認知拡大はもちろん、適切なターゲットに届けることができれば商品・サービスの申込促進に繋がります。
YouTube広告は様々な方法で表示が可能です。
以下のような配信面があります。
インストリーム広告
動画再生前後・再生中に表示される広告スキップ可否で課金が分かれる
- スキップ可の場合
-
- 課金方式
- CPV(Cost Per View)
- 課金タイミング
- 30秒以上再生または広告へのアクション
- スキップ不可の場合
-
- 課金方式
- tCPM(Target Cost Per Mille)
- 課金タイミング
- 広告表示1000回表示ごと
アウトストリーム広告
モバイル専用でWEBサイト・アプリに表示される広告
- 課金方式
- vCPM(Viewable Cost Per Mille)
- 課金タイミング
- 視認範囲で2秒以上視聴された場合
バンパー広告
動画再生前後・再生中に表示されるスキップ不可の6秒広告
- 課金方式
- tCPM(Target Cost Per Mille)
- 課金タイミング
- 広告表示1000回表示ごと
ストヘッド広告
ホームフィード上部での広告
- 課金方式
- CPM(Cost Per Mille)
- 課金タイミング
- 予約ベースでのみ利用可能、要見積もり
なおYouTube広告を利用するにもGoogle広告アカウントは必要となるため、もしお持ちでない場合は先んじて作成しておきましょう。
出典元:YouTube 広告の利用
出典元:Google 広告の活用事例
ユーチューバーとの提携
YouTube上でのインフルエンサーとして活躍する、通称YouTuber(ユーチューバー)とコラボレーションして自社商品・サービスの宣伝をすることも可能です。
自社のターゲットに近い属性のユーザーをファンとして抱えるYouTuberと提携することができれば、彼らのファンに対して商品の魅力・メッセージを発信してもらえます。
市場内での認知の拡大が急務である場合はとても強力な味方になってくれるでしょう。
YouTuberに協力を仰ぐには、下記のようなルートから繋がりを持って依頼を持ちかけてみましょう。
- 直接
- 代理店
- プラットフォーム
詳細は下記の記事で解説しておりますのでご興味あればご一読ください。
YouTubeマーケティング成功事例
最後にYouTubeでの成功事例を紹介します。
YouTubeにおける指標・施策をもとに、下記の4パターンの中で成功例を示しています。
- 動画の再生数
- 登録者数
- 広告施策
- YouTuber施策
成功チャンネル①「ゴミ屋敷専門パートナーズ」(動画の再生数)
動画の再生数が伸びている企業アカウントとして代表的なのは「ゴミ屋敷専門パートナーズ」です。
この動画では実際のゴミ屋敷片付け作業を紹介しており、素人には知ることのできない作業内容と、作業に対する料金体系を明示した動画コンテンツとなっています。
加えて依頼者に作業後インタビューを行い、依頼者が相談に至った経緯を届けることで、視聴者の中で同じ悩みを持つ方からYouTubeを見て依頼したとの声も上がっています。
刺激的なタイトルと内容はYouTube内で拡散されやすく、360万回以上もの再生数を誇っています。
成功チャンネル②「北欧、暮らしの道具店」(登録者数)
登録者の多い企業アカウントとして有名なのは「北欧、暮らしの道具店」です。
「北欧、暮らしの道具店」はライフスタイルに合わせたインテリア雑貨の販売のほか、様々なメディアを運営しています。YouTubeではモーニングルーティン・Vlog・ドキュメンタリーなど映像コンテンツを通じて自社サイトへの集客を展開しています。
日々を生きる人の家庭やその背景を描くことで、優しく暖かでかつ人生の深みを知ることができる取材コンテンツに仕上がっており、チャンネルの登録人数は2022年6月現在、なんと50万人を超えています。
成功チャンネル③「Sansan」(広告施策)
YouTube広告で成功している例は「Sansan」です。
Sansanの広告はテレビCMでも有名ですが、YouTube内のインストリーム広告でも配信されていました。チャンネル上ではWeb限定のスピンオフver.も公開されています。
CMではその構成とフレーズで企業イメージを印象づけ、かつCMの内容に沿った訴求内容にした結果、YouTube広告で新たな顧客創出・認知の拡大に成功しています。
成功チャンネル④「キリン スプリングバレー」(YouTuber施策)
YouTuber施策の成功例では「キリン スプリングバレー」が有名です。
独特な口調で解説しつつ確かな調理技術で人気を集める料理系YouTuberとして活躍する「とっくん」さんと提携した動画では、視聴者が手に取りやすいビールだからこそキャンペーンと共に大きな宣伝効果を生んでいます。
ライブ配信にて、食欲をそそる料理とともに、注ぎからグラスに泡が立っていく様子は動画だからこそ魅力が際立っています。加えて、おなじみの「イタダキャス…」の掛け声からビールをぐっと飲み出すとっくんさんの姿を映し出すPRは、ユーザーに「自分も飲みたい!」という意欲を強く引き起こしています。
動画以外でもライブコマースの形式では他SNSも併用したリアルタイムキャンペーンも可能となるため、YouTuberの力を借りて情報を拡散させたい場合は強力な施策になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
マーケティングでYoutubeを活用するには、Youtubeの特徴や始めるまでの手順、具体的な活用方法などを知ったうえで、トライをしてみることが重要です。
自社のみで活用していけるか不安な場合には運用代理店に一度相談してみてはいかがでしょうか。
なおA8.netではYoutuberを含む多くのインフルエンサーを抱えており、選定~活用方法迄トータルで提案していきますので、インフルエンサーと提携した施策についてご相談がある場合は下記の資料経由でぜひお問い合わせくださいませ!
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