Instagramでは2022年10月に規約が変更され、タイアップ投稿ラベルの設定が義務化となりました。特にインフルエンサーマーケティングを実施するにあたって、タイアップ投稿ラベルの設定が義務化されたのは大きな注目点です。
Instagramでインフルエンサーマーケティングを実施中、または検討中の方々にとっては、タイアップ投稿ラベルの義務化で何が変わったのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、ブランドコンテンツツール&タイアップ投稿ラベルの基礎・新たに義務化されたことによるメリット・タグの設置方法について説明していきます。
ブランドコンテンツツールとは
ブランドコンテンツツールの概要
ブランドコンテンツツールとは2017年に登場したInstagramの機能です。
商品・サービスを提供する企業とPR投稿を行うインフルエンサーがプロモーション上でパートナーシップ関係にあることを明示する目的で実装されました。
つまりブランドコンテンツツールは「この投稿は広告です」とユーザーへの説明ラベルを付けるためのシステムです。
上記の通りブランドコンテンツツール自体は以前から実装された機能でしたが、2022年10月の規約改定で、企業がインフルエンサーへ依頼する際のタイアップ投稿ラベル設置が義務化されました。
Instagramの規約上では、ブランドコンテンツとタイアップ投稿ラベルの義務化について、以下のように定義しています。
- ●ブランドコンテンツの定義●
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Instagramのブランドコンテンツポリシーでは、ブランドコンテンツを投稿する際にタイアップ投稿ラベルの使用を義務付けています。FacebookおよびInstagramでは、ブランドコンテンツを、クリエイターやパブリッシャーが対価を受けて直接的、間接的にビジネスパートナーを取り上げたコンテンツであると定義しています。例えば、無料で提供された製品やサービスを取り上げるコンテンツなどが当てはまります。
今後企業側はこの規約に従い、インフルエンサー起用を行う際は「タイアップ投稿ラベル」を付与していく必要があります。
(※規約は頻繁に改定されるため、細かいチェックをおすすめします。)
タイアップ投稿ラベル表示義務化により何が変わったのか?
具体的な変更点は投稿上での「タイアップ投稿」の明示方法です。
従来インフルエンサーマーケティングであることを明示する際には、ハッシュタグ「#PR」を付与するか、テキスト欄にて提供案件であることを記載することで対応していました。
タイアップ投稿ラベルが義務化されてからは、下記画面のようにタイアップ投稿ラベルがユーザーネームの真下に表示されるようになりました。
これによってタイアップ投稿であることがユーザーにとってより分かりやすくなりました。
なおタイアップ投稿ラベルには「企業側未承認のタイアップ投稿表示」と「企業側承認済のタイアップ投稿表示」の2パターンがあります。
2者の差は企業が承認しているか否かであり、設定画面での企業側の承認の有無により表示が変わります。
また同時に設定禁止・制限コンテンツの規約がアップデートされているため、こちらも併せて確認しておきましょう。
出典元:ブランドコンテンツポリシー
タイアップ投稿が義務付けされた背景
タイアップ投稿ラベルが義務付けされた最大の理由は広告主とインフルエンサーが提携関係にあることを分かりやすくするためです。
これはInstagram上においてのPRの透明性を確保する取り組みの一環です。
かねてからSNSでは企業が対価を支払いつつも、インフルエンサーが依頼を受けた案件ではないようにPRする「ステルスマーケテング(以下ステマ)」が問題となってきました。
ステマはユーザーからすると購買の意思決定を歪められることに繋がり、決して是認できるようなことではありません。
特にインフルエンサーが多く活動するInstagramでは問題視されてきました。
その点を整理してInstagram上のインフルエンサーマーケティングにおける透明性・信頼性を高めるために、一律のルールを設ける方向性となり今回の義務化に至りました。
承認済タイアップ投稿ラベルのメリット
ここでは前章の比較画像で紹介した企業が承認する場合の承認済タイアップ投稿のメリットを紹介していきます。
承認済タイアップ投稿ラベルのメリット
ブランドが健全な宣伝活動を行っていることを明示できる
タイアップ投稿ラベルを表示することによって、ユーザーへ自社ブランドが健全な宣伝活動を行っているという安心感を与えることができます。
特にブランド毀損のリスクを回避するという観点から、企業にとって健全なマーケティング活動であると明記することは非常に重要です。
自社Instagramページへの導線となる
タイアップ投稿ラベルにより、投稿から直接自社Instagramアカウントへ遷移させることができます。
通常の投稿で自社アカウントへ誘導する方法は下記の通りです。
- 投稿内に「アカウントのハッシュタグ」を設置
- テキスト内で「メンション(@~~~)」を設置
これらの方法だと投稿の説明文を開き、さらにハッシュタグやアカウント名をクリックする必要があります。
しかしタイアップ投稿ラベルを使用すると、企業アカウントページのリンクが投稿に埋め込まれるため、投稿コンテンツから直接自社Instagramアカウントへアクセスすることができます。
そのため自社アカウントのトップについては、アクセスが増加することが見込まれるため、ユーザーが遷移した際に投稿のイメージと、自社アカウントのファーストビュー・世界観にブレが無いように準備しておきましょう。
企業とインフルエンサーとでインサイトを共有できる
インサイトデータは今までコンテンツ投稿を行うインフルエンサー側のみ取得できるデータでした。
しかしインフルエンサーがタイアップ投稿ラベルを設置し、企業側がインフルエンサーを承認した際には、インフルエンサーだけでなくタイアップを承認した企業側も投稿のインサイトデータを取得し閲覧することができます。
取得したインサイトデータではエンゲージメント率など指標を確認できるようになります。
それによりPDCAを回しづらいインフルエンサーマーケティングにおいて、どのような投稿が受け入れられ効果を上げるのか、インフルエンサーマーケティングの効果測定が可能になります。
タイアップ投稿ラベルの設置方法
タイアップ投稿ラベルを設置するには手順を覚えておきたいところです。
そこで本章ではタイアップタグの設定方法について画面遷移を交えて解説していきます。
企業とインフルエンサー間でPR投稿の確認
タイアップ投稿ラベルを設定するには最初に企業とインフルエンサーの間で最低限の確認を取り交わす必要があります。
タイアップ投稿を成功させるためには、インフルエンサーPRの目的・内容を簡単に擦り合わせしておきましょう。
依頼企業の準備
依頼する企業側の対応を3ステップに分けて紹介していきます。
ステップ①Instagramをビジネスアカウントにする
ステップ②ビジネスパートナータグ付けをオンにする
ステップ③ビジネスパートナーとしてインフルエンサーを承認する
Instagramをビジネスアカウントにする
ブランドコンテンツタグを設定するには、まずInstagramをビジネスアカウントにする必要があります。
※既に設定済の方は飛ばしてください。
【手順】
- プロフィールの 「設定」から「アカウント」を押下します。
- 「プロアカウントに切り替える」を押下します。
- クリエイターですか?の選択画面で「ビジネス」を選択して画面下部「次へ」を押下します。
これでビジネスアカウントへの切り替えが完了します。
ビジネスパートナータグ付けをオンにする
【手順】
- プロフィールの 「設定」から「ビジネス」を押下します。
- 「ブランドコンテンツ」を押下します。
- 「コンテンツクリエイターを手動で承認」をオンにします。
これでビジネスパートナータグ付け可能になります。
ビジネスパートナーとしてインフルエンサーを承認する
【手順】
- Instagramプロフィール の「設定」の「ビジネス」から「ブランドコンテンツ」を押下します。
- 「コンテンツクリエイターを承認」を押下します。
- 目的のインフルエンサーをアカウント名で検索し「承認」を押下します。
これでインフルエンサーのタイアップ投稿の承認が完了します。
タイアップ投稿ラベル設置の重要ポイント
タイアップ投稿ラベルで重要となる点について確認します。
アクティブなアカウントであること
タイアップ投稿ラベル設定をする際には制限が存在します。
新規作成したてのビジネスアカウントではタイアップ投稿ラベルが利用できない可能性があります。
詳細は下記ポリシーをご確認ください。
スマホからの設定であること
SNS本来のコンセプトと同様に、タイアップ投稿ラベルはスマホからの設定が推奨されています。
実際にPCよりスマホからの方が設定しやすいUIであるため、タイアップ投稿を行う際には可能な限りスマホからタグ付けしましょう。
出典元:パートナーポリシー
クリエイターから一方的にタイアップタグを設置されてしまう
タイアップ投稿ラベルはインフルエンサーから一方的に設置することができます。
企業側からすると知らずのうちに自社のタイアップ投稿ラベルが設置されてしまう可能性があるのでその点は留意しておく必要があります。
なお、企業側の対応としてインフルエンサーからのリクエストを却下できるため、不適切な投稿を発見した場合は逐次対応することが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
タイアップ投稿ラベルについてご理解いただけたでしょうか。
自社だけで変化に対応しきれるか不安がある場合は、ノウハウを持ったインフルエンサー取り扱い企業に依頼を検討してみてはいかがでしょうか!
なお現在A8.netでは多くのインフルエンサーを抱えており、マーケティングでの活用術を資料化しております。
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