クーポンの歴史は古く、集客・販売促進の手段として用いられてきました。
飲食店やエステサロンなどが駅前や近隣の住宅にクーポンを配布し、来店した際に利用するという光景は馴染みのあるもではないでしょうか。
また、現在ではネットショップの集客方法としても電子クーポンやクーポンコードというかたちで活用され、デジタルクーポンを作成するサービスも登場しています。
今回はクーポンの種類や活用の際の注意点など、クーポンでの集客にあたって押さえておきたい基本的なポイントを紹介します。
クーポンとは
もともとクーポンは切り離しのできる金券や割引券を指しており、オンライン上のクーポンも当たり前になった現在では、商品割引や引き換えの役割を果たすチケットを総称してクーポンと呼びます。
クーポンの歴史は古く、1887年の米国でコカ・コーラ社が社員を通じて無料券の配布を行ったのが起源と言われており、100年以上にわたって取り入れられている販売促進の手法です。
クーポン特典の種類
クーポンといっても、その特典は大きく4つの種類に分けられます。
- 値引き
- お試し/体験
- 無料
- キャッシュバック
値引き
代表的な特典で、クーポンと聞いてまず思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
買い物の合計金額に対して値引きする、特定の商品やセット売りに対して適用されることが一般的です。
「2回目の購入で○○%オフ」といった条件をつければリピート率の向上に。
「新規会員登録で○○円分のクーポンプレゼント」といった条件であれば新規顧客獲得。
「10,000円以上お買い上げで○○円割引」といった条件は購入単価アップに。
目的に応じてクーポン付与の条件を柔軟に変えることで、様々な効果が期待できます。
お試し/体験
新規顧客獲得を目的に用いられることが多い特典です。定期購入の商品の場合、既存顧客に対してのクロスセルの施策として用いられることもあります。
初回購入限定で商品価格を下げたり、サンプル商品や初回カウンセリングを無料にすることで、購入や申込に対するハードルを下げる効果があります。
特に定期購入型を採用している美容関連商品や健康食品のEC、サブスクリプションサービスで多く用いられている方法です。
無料
無料の特典は大きく2つタイプがあります。
- 対象商品を無料で引き換えできる
- オプションとして無料の特典をつける(対象商品購入で○○をもう一つプレゼント)
引き換え券の発行はお試し/体験と同様に心理的なハードルを下げ、お得感を演出することで新規顧客獲得につなげる目的があります。
オプションとしての特典は、顧客単価の向上や対象商品の売上げ増加を目的としています。
キャッシュバック
これまで紹介した特典とは異なり、キャッシュバックは購入時や申込時ではなく、申込後に適用する特典です。
「4月中のご契約で○○万円をキャッシュバック」といったキャンペーンがイメージしやすいのではないでしょうか。
携帯電話の契約や電力サービス、インターネットの回線といったサービスで多く用いられており、キャッシュバックの方法は現金だけでなく、ポイントとしての還元やプリペイドカードなどを採用している企業もあります。
申込時のお得感は演出しにくい一方で、安売りや値引きの印象を与えにくいというメリットがあります。
発行の注意点
クーポン発行の施策を実施するにあたって気を付けなければいけないポイントは二つあります。
一つは、頻繁な配布や長期的な値下げによって、消費者に安売りの印象を植え付けてしまわないようにすることです。
場当たり的にクーポン発行をしていると、クーポンを出さなければ売れない、最終的に競合他社より価格を下げないと売れないという悪循環に陥るリスクがあります。
ポイントは、クーポンを発行する目的とゴールを明確にしたうえで、目的に応じてクーポンの内容や配布頻度、配布する方法などを変えることです。
効果的なクーポン発行の施策は、新規顧客の購入を刺激し、既存顧客に対してはリピート購入を促してロイヤリティを高めていく好循環をつくります。
もう一つはクーポンの内容や有効期間に関する記載です。
過度な景品・クーポンのばらまきによって消費者が不利益を被ることを防ぐために、「景品表示法」によって、景品類の最高額や記載事項などが定められています。
景表法に違反すると措置命令や課徴金の納付が命じられます。
クーポンによって割引する金額はもちろんですが、クーポンが適用される条件、有効となる期間を誰もが分かる箇所に明記し、利用者が正しくクーポンを使えるようにしましょう。
クーポン活用事例
DHOLIC(ディーホリック)
20代女性を中心に人気のファッション・コスメ通販サイトのDHOLICは季節やタイミングに応じて様々なクーポン施策を行っています。
工夫されている点は、クーポンの対象ユーザーや条件によって特典を変えているところです。
「10,000円以上購入の場合15%オフ」クーポンに加え、新規顧客向けに「通販サイトへの新規会員登録で200ポイントプレゼント」という内容のクーポンを発行しています。(※2021年4月時点)
ポイントはたくさん貯めてから利用した方がお得感が得られますよね。そしてポイントを貯めるということは、継続的にサービスを利用するということです。
新規顧客向けに値引きクーポンを発行すると1度きりの利用で終わってしまう場合もありますが、ポイントとして付与することで、2回目以降の利用を促すことができます。
ORBIS(オルビス)
スキンケア、インナーケア、コスメなど幅広く美容商品を販売するORBIS。中でも人気商品のオルビスユーについて紹介します。
オルビスユーは新規顧客向けに「お試し/体験」型の体験セットを販売しています。まず試してから本商品を購入するか決めたいという消費者の心理をカバーし、特典として美容液とタオルをセットにすることでさらにお得感を演出しています。
こうした販売方法は多くの定期購入型の通販サイトで見かけますよね。
オルビスユーのプラスαの工夫は、LPに体験セットの購入だけでなく、アプリのインストールとLINEの友達登録の導線を入れていることです。
アプリにも登録すると300円分のポイントが付与されるという特典がついています。(※2021年4月時点)
また、LINEを登録することで自分の肌の悩みや状態をチェックし、最適なスキンケア商品を教えてもらえるといった流れです。
体験セットで新規顧客を獲得するだけでなく、LPから離脱してしまったものの、商品に関心や興味がある、今後顧客になり得るユーザーの情報を取得し、接点を持つための工夫がうまく盛り込まれています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
クーポンは古くから取り入れられてきた販売促進の手法の一つであり、その種類や内容を使い分けることによって、効果をより発揮することができます。
その為に重要なポイントは、クーポン発行の目的を明確にすることです。
場当たり的ではなく、売上げ拡大・新規獲得につながるクーポン活用を実現しましょう。
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発行の手順や有効な配布方法、クーポン発行の取り組みによる効果を含む活用事例など、これからクーポン施策を行う際のヒントが詰まっています。
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