インフルエンサーマーケティングを行う際には自社にマッチしたインフルエンサーを選ぶことが必要です。
しかしその際にどのような判断でインフルエンサーを選択していけばいいのかは大きな悩みの種かと思います。何の知識もなくインフルエンサーを採用するのは不安でしょう。
「インフルエンサー選定では何を基準にしたらいいのか?」
「インフルエンサーとどうやって繋がるのか?」
本コラムではインフルエンサーと提携したいけど選び方が分からないという方に向けて、インフルエンサーの選び方・インフルエンサーとの繋がり方について分かりやすく解説していきます。
インフルエンサーのクラス
インフルエンサーにも影響力の大小が存在しています。そしてその影響力は影響を与える可能性のある人数、すなわちフォロワーの数によって基本的に4クラスに分けられています。
- 有名人
- トップインフルエンサー
- マイクロインフルエンサー
- ナノインフルエンサー
本項目では4クラスそれぞれの特徴をご紹介していきます。
1.有名人
インフルエンサーとしての有名人はTVやラジオなどタレント活動をされているような方々で、フォロワー数は100万人を超える規模を誇ります。
その規模感から情報の拡散力は確かなものです。マスメディアでのCMなどにも匹敵するような宣伝効果を生むこともあります。
しかしながら、各SNSにおいて重要な数字である、一つの投稿に対しての「いいね・リツイート・コメント」などリアクションの指標であるエンゲージメント率は低くなる傾向にあります。ターゲットとなるフォロワーたちの優先的な関心度・有益な情報源と考えているか・その情報に権威性があると捉えているかに関しては、必ずしも数字に比例するとは限りません。
参照元:DIGIDAY
2.トップインフルエンサー
有名人同様マスメディア出演や、出版活動・音楽活動をされており、その多くが事務所に所属しているような、フォロワー数10万~100万規模のインフルエンサーです。
特定のジャンルで活躍している方が多く、得意とするジャンルのコミュニティに対しては非常に強力な影響力を持っています。規模感は有名人インフルエンサーには届かないものの、特定のコニュニティを持っており、フォロワーからリーチできる消費者数をある程度見積もることができます。
3.マイクロインフルエンサー
スポーツ・電化製品・美容などの形で、ある一つのジャンルに絞って活動の場を設けているフォロワー数1万~10万人のインフルエンサーです。
事務所に所属している方も、副業としている一般人もこの層に多く分布しており、フォロワーとの距離が近く親しみやすさを持っている傾向があります。またエンゲージメント率が高いことがマイクロ・インフルエンサーの強みです。
エンゲージメント率が高ければ、フォロワー1人ひとりに対してアクションを起こさせる確率も高く、各SNSでの拡散による効果が出やすい特徴が挙げられます。
4.ナノインフルエンサー
例えばスポーツの中でもフェンシング、電化製品の中でもケーブル専門など、マイクロよりもさらにニッチでジャンルの狭い活動を行っているフォロワー数1,000人~1万人のインフルエンサーです。
フォロワーとの交流も盛んで身近に憧れる人のような存在となることが特徴で、フォロワーが少ない分、狭ければ狭いほど狙い撃ちでマーケティングすることが可能です。
またエンゲージメント率は各クラスインフルエンサーの中で最も上昇傾向にあり、無料で依頼を受けてくれるケースもあるため、依頼者側としてはインフルエンサーの数を集めたうえで起用料金は低く抑えるチャンスがあります。
施策目的別の利用が効果的
この4クラス、有名人・トップ・マイクロ・ナノを十分に認識したうえで、自社の目指す施策・目的に応じてどのようなインフルエンサーが必要かを熟知することが効果的な施策への近道と言えるでしょう。
インフルエンサーのメディア
インフルエンサーの方々は、SNSを利用し活躍しているケースがほとんどです。
より強固な施策を打ち立てるために、ここではインフルエンサーたちのメインの活動の場となる各種SNSの特徴について解説していきたいと思います。
1.Instagram
写真や動画など視覚での訴求がメインのInstagramでは、いかにフォロワーの視覚にインパクトを与えるかに特化したインフルエンサーが多く活動しています。
Instagramのアクティブユーザーは約10億人と言われ、利用ユーザーとしても多い若年層へのアプローチがしやすいメディアです。
またハッシュタグごとのフォローが可能なうえ、ビジュアルに特化したSNSのため、他メディアと比べ海外からの集客ハードルが低いことが特徴です。
Instagramをメインに情報発信しているインフルエンサーは、インスタグラマーと呼ばれ、投稿にタイアップ投稿ラベルを設定して商品を宣伝しています。
2.YouTube
いまや動画プラットフォームとしてスタンダードとなったYouTubeですが、動画はもちろんのこと、ライブ配信も盛んです。
さらにチャンネル登録・通知設定により公開動画をホーム画面等ですぐに知らせることができるため、ユーザーに対して早く訴求でき、高い訴求力があることがYouTubeの魅力となっています。
人気の投稿内容としてはエンタメとして楽しまれるものが多いですが、ライフハックや雑学・専門的な内容、さらには何でもない雑談まで、コンテンツとして成立しています。
そのコンテンツのファンとなった多様な属性と幅のある世代層のユーザーに対して、インフルエンサーを通じた消費者目線での動画により、爆発力のある宣伝効果が期待できます。
YouTubeで活動するインフルエンサーはよくユーチューバーと称され、今やマスメディア出演も珍しくないほど市民権と多大なる影響力を得た存在となり、PR動画等で人々に商品を届けるための動画投稿本数も年々増しています。
3.X(旧Twitter)
短文ベースのSNSですが、画像や動画も投稿可能であり、かつ「クラスタ」と呼ばれる特定のジャンルに特化したユーザーコミュニティが多く成立していることが特徴です。
ユーザー同士のコミュニケーションが活発で、リツイートやいいねといった機能によりフォロー・フォロワー間以外のユーザーにも投稿を拡散できるメリットがあります。
また匿名性が高くユーザー層も様々であるため、リーチできる層は現在想像しているよりずっと広く存在しているといえるでしょう。
X(旧Twitter)では発言力のあるインフルエンサーの面白い投稿や旬の話題に対する発言等が拡散されやすいため、そういったコンテンツと自社の商品を絡めて扱いやすいジャンルのマーケティングにはうってつけかもしれません。
4.TikTok
15秒ほどの動画に音楽に合わせた形で加工して投稿できるアプリで、充実の機能によりクリエイティブな動画が簡単に作成できる点が人気のSNSです。
投稿動画のお題ハッシュタグ「チャレンジ」というものも用意されており、ネタに困ることなく他ユーザーからの反応も得られやすいというのが大きな特徴です。
このチャレンジとアプリ起動時の広告表示、あるいは企業オリジナルのクリエイティブ素材とブランドエフェクトを組み合わせ、インフルエンサーの抱えるターゲットを集客することがTikTokでマーケティングを打つ強みとなってきます。
このアプリで人気を集めるインフルエンサーをティックトッカーといい、メインユーザー層である10代を中心とした若年層に対して、さらに影響力を伸ばしていくことが予想されます。
インフルエンサーはクロスメディア的立ち位置
また、インフルエンサーの方は上記のメディアを横断するクロスメディアのような形で活動をしていることが非常に多くみられます。先に提携したいインフルエンサーが見つかった際は、施策を展開したいSNSのアカウントがあるか、一度確認してみると良いかもしれません。
インフルエンサーの選び方
インフルエンサーマーケティングで宣伝効果を最大化させるには、自社商品・サービスに合った適切なインフルエンサーに協力を要請する必要があります。
本章では自社に最適なインフルエンサーを選ぶための準備から選び方の基準について解説します。
インフルエンサーを選定する前に
自社に合うインフルエンサーを見つけるためには、選定を始める前の準備が必要です。ここでは準備項目を3点に分けて解説します。
- インフルエンサーの活用目的
- 自社のターゲット明確化
- どのSNS媒体を使用するか
インフルエンサーの活用目的
インフルエンサーマーケティングをはじめるにあたり、まずはインフルエンサーの活用目的を明確にします。
「ブランド認知拡大」「新規顧客の獲得」など、活用目的の基礎を固めましょう。
定めた目的をベースにインフルエンサーのイメージを絞り込む・実施する施策の方向性を確認するなど、自社がインフルエンサーを選ぶ際の準備を整えることができます。
自社のターゲット明確化
活用目的を定めたら自社のターゲットを明確化させましょう。
ターゲットを明確化することで、アプローチをかけていくべきユーザー像が具体化でき、そのユーザー像に近いファンを持つインフルエンサーを絞ることができます。
どのSNS媒体を使用するか
どのSNS媒体を宣伝先として利用するかを決めておくことも大切です。
SNSにはそれぞれ特徴があり、インフルエンサーを起用する前に自社の商品サービスにマッチするプラットフォームなのかを確認しておく必要があります。
代表的なSNSには下記のような特徴があります。
-
視覚中心のコンテンツで訴求できる
- Youtube
-
動画で商品・サービスの特徴を詳細に伝えることができる
- Tiktok
-
ショート動画で楽しませつつ魅力を伝えることができる
-
テキスト中心のコンテンツでリアルタイム性が高い
インフルエンサー選定において注目するべき指標
多様なジャンルのインフルエンサーが活動している中で、企業がインフルエンサーを効率的に選定するには一定の基準が必要になります。
ここではインフルエンサーを選び出す際に基準となる指標をご紹介します。
- 平均エンゲージメント数
- コメントの質
- PR投稿の質
- フォロワー属性のデータ
平均エンゲージメント率
エンゲージメント率とは、投稿に対してアクションを起こしたユーザーの割合を指します。
エンゲージメント率が高いほどインフルエンサーとファンとの関係値が良いと想定できます。
平均エンゲージメント数を指標とする理由としては、一つにインフルエンサーがユーザーにどのように受け入れられているかを確認できるからです。
一般の投稿に対してのエンゲージメント率はもちろんですが、過去にPR投稿を行っている場合はPR投稿に対してのコメントやリアクションも確認しておきましょう。
エンゲージメント率は、投稿ビュー数、いいね、コメント、シェア等の割合で確認できます。
※補足※
なお近年インフルエンサーにおいて懸念されるのは「フォロワーやコメントの売買をしていないか」という点です。
- フォロワー数に対して著しくエンゲージメント率が低い
- 毎回複数の不自然なコメントが現れている
上記のような場合は、そのインフルエンサーはフォロワー・コメントを買って数字を水増ししている可能性が出てきます。
提携したインフルエンサーがフォロワー・コメントの売買をしていては、施策を実施したとしても思ったような効果が得られず失敗に終わってしまうかもしれません。
そんな事態を防ぐためにもフォロワーや反応をきちんと確認しましょう。
コメントの質
インフルエンサーが商品・サービスを宣伝してくれたときの反応を想定するためにもフォロワーのコメントの質を確認しましょう。
インフルエンサーの魅力はSNSを通じてユーザーと直接コミュニケーションが取れる距離の近さにあります。
そのため、コメントの内容を確認することでそのインフルエンサーにどのようなファンが付いているかを確認できます。
もしインフルエンサーの投稿内容に沿った反応が多い場合は、自社の宣伝をした際もPR効果を期待できます。
反対にインフルエンサー自体の容姿など投稿内容に関係のないコメントのみであれば、商品・サービスのプロモーションは難しいかもしれません。
ターゲットを見誤ったキャスティングをしないためにもコメントは必ず確認しましょう。
PR投稿の質
過去にインフルエンサーが実施したPR投稿の質を確認することも重要なポイントです。
インフルエンサーがどれだけPR投稿案件に対して真剣に取り組んでくれるか、どのような宣伝方法を行っていたのかなど、PR投稿は念入りにチェック・分析しましょう。
また提携検討するインフルエンサーを入念に下調べしておけば、依頼する際に自社商品・サービスの投稿内容についてインフルエンサーと具体的なイメージを共有できるメリットもあります。
フォロワー属性のデータ
さらにフォロワー属性のデータを確認することが大切です。
フォロワー属性とはフォロワーに関する下記のようなデータを指します。
- 男女比
- 年齢層
- 興味関心
- 居住地域
- アクセス時間帯
フォロワー属性データを入手できれば自社のターゲットと依頼するインフルエンサーのフォロワー属性がマッチしているかチェックすることができます。
可能であれば依頼を検討する際にはインフルエンサーの方からDM・メールなどでインサイトデータを送ってもらいましょう。
インフルエンサーとの繋がり方
インフルエンサーの選定基準を決めたら、実際にどのようにインフルエンサーと繋がるかを知り、インフルエンサー選定の効率をアップしましょう。
本章では選定したインフルエンサーと繋がるためのコツを解説していきます。
インフルエンサーを見つける方法
広告に適した理想のインフルエンサーを発見するには以下のような方法でインフルエンサーを探すことができます。
SNSでの検索
まずはSNSにてインフルエンサーを検索してみましょう。
これは最も代表的かつすぐに取りかかれる方法です。
インフルエンサーはSNS上で活動しているため、施策を実施するSNS上で検索をかけ、自社の選定する基準にマッチするかを確認していきましょう。
SNS検索で効率良くインフルエンサーを発見するためには、ハッシュタグ「#PR」や競合商品の名前を検索するなど見付けるための工夫が必要です。
自社SNSアカウントでアンバサダー募集を掛ける
既にSNSのビジネスアカウントを有している場合は、SNSでの検索と同時に自社アカウントでアンバサダー募集を掛けてみましょう。
募集投稿をする際には一目でインフルエンサーを募集していることがわかるファーストビューを意識することが重要です。
加えて「#インフルエンサー募集中」等の、インフルエンサーが検索しそうなタグを加えるなど、SNSの機能をうまく利用してインフルエンサーの眼に止まる工夫が必要になります。
ただ、すぐに充分な人数のインフルエンサーが集まるとは限らないため、早い段階から募集をかけることがおススメです。
インフルエンサー検索ツールを使う
インフルエンサーを効率よく探す方法として、各SNSにはインフルエンサー検索ツールが存在しています。
ツールによっては様々な属性を指定して検索できるため、SNS上で検索する場合とは効率が段違いです。
以下が代表的な検索ツールです。
- Instagram「Social Insight」
https://instagram.userlocal.jp/users/search - Youtuber「NoxInfluencer」
https://jp.noxinfluencer.com/ - Tiktok「User Local」
https://tiktok-ranking.userlocal.jp/
インフルエンサー依頼先
提携したいインフルエンサーが見つかったら、いよいよインフルエンサーに依頼する段階となります。
最後にインフルエンサーの依頼先についてご紹介します。
SNSから本人へ直接アプローチ
依頼したいインフルエンサーに対してSNSを通じてDMなどで個人に直接依頼する方法です。
代理店等を経由せず自社のみで完結できるため、スピード感を持って連携したい場合は有効な手段となります。
個人に対してのDM方法については下記記事で詳細を解説しているため、興味がある場合はご一読ください。
ディレクティング・キャスティング会社
運営会社を通して所属するインフルエンサーを紹介してもらう形式の依頼方法です。
インフルエンサーマーケティングの市場を知り尽くしたコンサルタントが付き、運用から結果レポートまでを担ってくれるため、予算的な余裕があり、管理コストを削減したい場合は魅力的です。
マッチングプラットフォーム
マッチングプラットフォームとは、インフルエンサーと依頼主となる企業との出会いの場を提供しているサービスです。
マッチングプラットフォームを利用する場合、プラットフォームに登録されたインフルエンサーを選定し、依頼・交渉・ディレクションまで行います。
社内のリソースがある場合はコストの抑制ができ、なおかつ効率的にインフルエンサーとマッチングできるため、活用の余地があるといえるでしょう。
なお、各形態の費用感については下記で紹介しているため、インフルエンサーの実施を希望する方は参照してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
インフルエンサーの選び方についてご理解いただけたでしょうか。
今回はインフルエンサーの選び方と繋がり方について解説していきました。
市場の拡大と共にインフルエンサーの数は今後も増加していくでしょう。その中で宣伝効果を最大化させるインフルエンサーと巡り合うためにも、最適な選び方を模索していきましょう。
また、現在A8.netは多くのインフルエンサーを抱えており、選定~活用方法トータルで提案していきます>ので、インフルエンサーについてご相談がある場合は資料請求経由でぜひお問い合わせくださいませ!
資料中ではインフルエンサーマーケティングの基礎知識から導入事例までインフルエンサーの活用術について詳細情報をまとめて資料化しています。
本コラムと併せてマーケティングにおけるインフルエンサーへの理解を深めるきっかけとしてご利用いただけますと幸いです。