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サブスクの成功・失敗を左右する要因とは?企業事例を交えて解説!

サブスクの成功・失敗を左右する要因とは?企業事例を交えて解説!

  • 2021/10/11
  • 2023/01/19
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サブスクリプション(subscription)、通称「サブスク」とは、直訳すると「定期購読」「会費」という意味であり、商品やサービスを定額で提供し、その契約の期間内に連続的に収益を得るビジネスモデルです。

多種多様なサービスにおけるサブスク化の隆盛を受けて、提供者側としてこのサブスクモデルに新規事業参入を考える方も少なくないことでしょう。

いざサービスを始めるとなった際に一番に知っておきたいことは、ビジネスを成功に導く秘訣かと思います。そのためには成功も失敗も含めて先行事例を参照することが何よりの近道です。

今回のコラムではサブスクビジネスの成功要因を知るために、成功・失敗事例を参照しながらサブスク市場の特徴について共に分析していきましょう。

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サブスク成功の事例

はじめに、どのようなサービスがサブスクとしてうまくいっているのか、代表的な成功事例を紹介します。

例1)ファッションレンタルアプリ:MECHAKARI

成功のポイント

経営管理として生産から流通まで一本化させたうえ「自分のものにしたい」というユーザーニーズを兼ね備えている点

最初にご紹介するのは定額ファッションレンタルサービスの「MECHAKARI」です。

そのレンタル内容としては、なんとプランごとに設定されたアイテム数の枠内で交換回数・返却期限が無制限で、気に入ったらそのまま割引価格で買い取りまで可能となります。さらに出荷完了から借り続けて60日が経過すると返却不要となりプレゼントとして自分のものにまでなってしまいます。

しかも送られてくるアイテムは新品で、スタイルによってコーディネートが可能なほどラインナップは充実しており、返却はクリーニング等不要となっているため、非常に行き届いたユーザビリティを誇ります。

料金プランも3形態用意されており、プランのランクを上げるにつれ月額料金と共にレンタル枠数と買取時の割引率がお得に上昇します。

また運営会社の形態上製造小売業となっているため、生産から販売までの管理コストや流通の一本化という点で効率的な判断かつ継続的な経営が可能なシステムとなっています。

さらに返却されたアイテムはユーズドサイトで中古販売されており、新品同然の商品が破棄されることなく、それどころか新品を借り放題にするというビジネスモデルを利用して更なるマネタイズをするシステムを叶えています。

例2)VOD(ビデオオンデマンド)×電子書籍サービス:U-NEXT

成功のポイント

競合と比べて多数のラインナップを用意、お得なポイント還元でレンタル・購入を循環させる仕組みなど国内のニーズを狙い撃ちにした点

国内で大きなシェアを占めるVODサービス「U-NEXT」もサブスクリプションの領域で非常に優れたシステムを有しています。

まず目を見張るのはその作品数です。洋画・邦画から国内・韓流・アジア・海外ドラマやアニメなど、それぞれ幅広く210,000本以上の⾒放題作品数を誇り、これは競合と比べても圧倒的な数となっています。

また大きな強みとして、動画だけでなく電子書籍も数多く用意されていることが特徴で、いわゆる一般書籍から各種マンガ・雑誌・ライトノベルなど国内の需要が高い出版物を多く取り扱っています。

また見放題作品トライアル31日無料と非常に長期間設けられており、特典として最新作レンタルに利用可能な600円分のポイントがプレゼントされるため見放題・読み放題以外のお目当て作品を割引で鑑賞することができます。

またマンガの購入や映画のレンタルの購入分最大40%ポイント還元され、U-NEXTのヘビーユーザーほどお得になる仕組みとなっている点も魅力的です。

さらにトライアル後の契約プランも月次1,200ポイントの有無により月額プランが2種類存在しているため、最新作のレンタルや電子書籍の利用頻度ごとにお得な選択が可能で、ファミリーアカウントとして最大4つで連携できるため、多様な世帯のユーザーニーズを満たすことができます。

例3)オンラインフィットネスレッスン:SOELU

成功のポイント

ユーザーに豊富な選択肢を持たせ、詳細なペルソナ設定により各人のペース・ライフスタイルに合わせたプランを用意した点

最後は有料会員が1年で5倍の実績を上げた、月定額でオンラインにてスマホやタブレットを使用しヨガやフィットネスのレッスンが受けられるSOELUです。

SOELUではレッスン30日間が受け放題となるトライアルから始めることが可能で、オンラインレッスンに不慣れな方にも精神的なハードルが低く設定されています。

オンライン上では1日平均150ものライブレッスンが行われておりいつでも予約可能となっており、またライブのみならずオンデマンドでビデオレッスンを受講できるのも魅力です。

受講方法は自分の姿がインストラクターへ見えるか見えないかを選択でき、レッスン内容もピラティス・ストレッチ・ダンスなど、他にも各分野その道のプロのインストラクターの方に指導してもらえるという、ユーザーに対する間口が広いところもユーザーの裾野を広げるためにも重要な設計となっています。

料金プランについてもSTANDARD、PREMIUM LITE、PREMIUMの3コース用意されていて、それぞれ契約期間として単月と年間を選択でき、どのコースも年間コースだとお得にレッスンを受けることができます。

スタンダードプランではライブレッスンの制限は月8レッスンまでですが、もっとレッスンを受けたいとなった際にはチケットの追加購入も可能となっており、またプレミアムではファミリープランも用意があるため家族内の共有もお得にできるというメリットもあります。

こちらのSOELUについても、A8.netでは導入事例にてサブスクモデルにおけるLTV試算の精度を高めるための方法や、トライアルから入会引き上げのコツ、継続率強化の施策方法についてマーケティング担当の方にお話を伺っています。

サブスク失敗の事例

ここではサブスクとしてうまく立ち行かなかった事例を参照していきましょう。

例1)Book by Cadillac(ブック・バイ・キャデラック)

Book by Cadillacは、あのゼネラルモーターズが提供していた定額会員制サービスで、高級車の代表である、かのキャデラックを月額1800ドル(約20万円|現時点のレート:1ドル110円)で年間18回まで複数の車種、カラーを乗り換えられるサービスでした。

専用アプリも用意され、車種を指定すると自宅まで届けられてくるという、細かい配慮まで行き届いたサービスでした。

走行距離に制限はなく、複数台所有が夢であったカーマニアにはうってつけのサービスで、レンタルやカーシェアリングのように市中にもシェアリングの概念が広がる中、決してお安いと言える価格ではないものの各国に広がっていくサービスかと思いきや残念ながら2018年にサービスは休止されてしまいました。

理由については詳細な公式発表はされていないものの、当初よりメンテナンス面、定期検査やクリーニングなどをサービス提供側ですべてケアしてもらえるという、高すぎるサービスのコストがかさみ採算が取れずそこが休止に繋がったのではと推測されています。

例2)MOVIE PASS

当初は月30ドル~50ドル(約3,300円~5,500円|現時点のレート:1USドル110円)の幅でサービスを展開していたものの、それが急に料金として月額なんとたったの10ドル(約1100円|現時点のレート:1USドル110円)で1日一回映画鑑賞ができるというプランを出したため、映画館との提携数は全米4000館にも及ぶ勢いとなり会員数も瞬時に激増しました。

月額料金の時点で映画1本分よりお得なため、映画ファンを引き付けるのには十分なサービスでしたが、一目で見てわかる通り安すぎるうえに、予約機能が脆弱で、実際に足を運んだ後のチケット発行作業が必要となっていたため、現場に行ってみないとお目当ての映画が見られるかどうか分からないというユーザビリティの不便さも据え置きにしていました。

MOVIE PASSの経営は赤字続きとなり、打開策としてか人気の映画はサービス対象外という仕様にしてしまったり、唐突に1ヶ月に観ることができる本数制限を設けてしまったりなど、採算が取れないことを起点にユーザーの心が離れるようなサービスの改悪を行ってしまった結果として、増加した会員の数も減少してついにはサービスがクローズとなってしまいました。

例3)DripApp

このサービスではチェーンではなく独立系のカフェと提携して、月額89ポンド(約13350円|現時点のレート:1ポンド150円)でなんとコーヒー飲み放題のプランを打ち立てました

また、アプリ上で現在地周辺の提携店を検索して、注文から決済までもオンラインでできるためスムーズなデジタル取引形態を実現していました。

さらにアプリを通じてプリペイド式で5~10杯分の代金も用意されており、サブスク以外のマネタイズ手段も複数チャネルがあるという点で顧客は多く獲得できていたため、一見して成功に近いように思えるようなビジネスモデルかと思われました。

しかしながら、実際にはこのアプリはサービス終了となってしまいました。

理由としては、アプリ開発における人材と資金の不足により、少人数で運営する体制を維持できなくなった、山のようなバグ対策やアプリ内の問題に対する答えが出せなくなったとのことでした。

サブスク成功に共通する要因

先に見てきた成功例と失敗例から通じて抽出できる成功要因について、最後に確認していきましょう。

サブスク市場での競争力

重要ポイント
  • 新規参入の目途
  • 競合の動きから見るニーズ

新規参入の目途

一番の大前提となるのは、実施するサブスクビジネスが市場においてどれほどの競争力を持っているのかという点です。

新規に市場参入するとしたら、レッドオーシャンの中でパイを奪い合うのか、はたまた完全なる独自性を以てブルーオーシャンを開拓していくことを目指すのか、大まかに言ってどちらかの方向性が定めておくことが求められます。

成功例に挙げたサービスは独自性と同時にどの市場を狙うのかというビジョンがはっきりしていました。自社でしか味わえないユーザー体験を提供したり、競合と差別化するための戦略を講じていたりと、指針が明確であることが一つの特徴です。

競合の動きから見るニーズ

また、サブスク成功には事前事後の調査により競合の動きを追い続けていることも重要なポイントです。なぜならそういった調査によって市場にあるユーザーのニーズを汲み上げることに繋がるからです。

ニーズを見つけ出すことでサブスク市場の中でもチャンスのある商品・サービスを見出すことができます。

事業継続可能なサブスクプラン

重要ポイント
  • LTVで見た料金設定
  • ユーザーデータの活用
  • ニーズに合わせた豊富なプラン
  • 継続のメリット

LTVで見た料金設定

成功するサブスクでは継続可能性が事業立ち上げ当初から考慮されています。というのも、サブスクモデルではまず先行投資ありきで後から利益を回収するのが一般的なシステムとなるからです。

継続可能性の考慮材料となるのは、料金設計を長期的な収益を見越したLTVで捉えて定額制の料金設定を行っているということが大切です。

ユーザーデータの活用

そのためにも、蓄積した会員ユーザーのデータは積極的に参照していきましょう。データ活用することで自社サービスを求めるユーザーの姿も見えてくるため、これから先新規を獲得する際の指標や、サービス改善そして解約抑止の施策に生かすことができます。

ニーズに合わせた豊富なプラン

継続率の上昇にはプラン変更の柔軟性も求められます。

経済状況により選択できれば、いきなり解約というリスクを防ぐことができます。

他にも、試してみたら満足度が高かったため、料金は高くなってもより上級のサービスが欲しいという要望にも答えることができれば本来得られたはずの機会損失を防ぐことができます。

継続のメリット

また、継続してくれるユーザーには無料や割引のオファーを用意することも会員登録数を維持するための重要な施策となります。その際には料金面の利点と併せて、有料会員のみの無制限利用サービス、月次でのポイントバック、限定メニュー、商品の優先購入など、ユーザーが継続したくなるような対価を払う価値があるオプション機能を設定しておきましょう。

上記のような継続特典のようなものがあれば、トライアルでものの試しに導入したライトユーザーにもサービス登録を続けてみようという動機づけを用意することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

サブスクビジネスを成功させるためのビジョンは見えましたでしょうか。

本コラムでは成功事例と失敗事例から抽出したサブスクで運営を行う上でのポイントを挙げていきましたが、大事なのは得た知識を基礎として、それをどのようにアレンジしていくかということです。

なおA8.netでは、サブスクビジネスを通じての事業成長をお助けするための詳細情報をまとめて資料化しています。資料中では注目するべき指標や、実際の事例におけるサブスクビジネスの捉え方をもとにサブスクを成功に導くポイントについて記載しておりますので、ぜひご一読ください。

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この記事の執筆者

A8.netマーケティングチーム編集部

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