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DECAXとは?メリットや事例、他の購買行動モデルとの違いを解説

DECAXとは?メリットや事例、他の購買行動モデルとの違いを解説

  • 2024/04/09
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『DECAX』という言葉をご存知でしょうか。

DECAXは電通が2015年に提唱した購買行動モデルであり、インターネットやSNSが発達した現代において、必ず押さえておくべきフレームワークです。

今回のコラムでは、DECAXの基本情報から、AIDMAやSIPSといった他の購買行動モデルとの違い、各段階における成功のポイントまでご紹介します。

「現代にあった購買行動を把握したい」
「消費者との関係構築を強化したい」

といった方は、ぜひご覧ください。

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DECAXとは

DECAX(デキャックス)は、AIDMAやAISASに代わる現代のコンテンツマーケティングに沿った購買行動モデルとして、電通が2015年に提唱しました。
下記の5つの要素で構成されています。

DECAXの各要素

  • Discovery(発見)
  • Engage(関係構築)
  • Check(確認)
  • Action(購買)
  • eXperience (体験と共有)

DECAXは企業が発信したコンテンツが、消費者に発見されることから始まるプル型の購買行動モデルであり、消費者目線で考えられていることが特徴です。

また、Engage(関係構築)という要素があることもポイントです。これは、SNSやWEBブラウザの検索体験向上やインターネット技術の発達により、消費者の情報収集能力が上がるなか、消費者を惹きつけるコンテンツが重視されることに起因しています。

DECAXを活用するメリット

DECAXを活用するメリットは、以下の3つが考えられます。

  • ブランドのファンが獲得できる
  • 口コミが増える
  • 広告コストが抑えられる

順番にご紹介します。

ブランドのファンが獲得できる

DECAXは消費者とのEngage(関係構築)に重きを置いています。消費者は企業が発信したコンテンツをきっかけに興味を持ち、徐々に商品理解やコミュニケーションを深めます。製品やブランド、あるいは企業そのものの信頼性を高め、最終的に購買につなげます。

ブランドのファンになった消費者は、その後も新商品を購入してくれたり、購入した商品を積極的にSNSなどにシェアするようになります。企業としてはPRを消費者が担ってくれるためブランディング効果も期待できます。

口コミが増える

DECAXのeXperience (体験と共有)では、消費者がその購入体験や感想を口コミとして投稿します。このような消費者によるコンテンツ、つまりUGCはユーザーの目線に立ったリアルな内容のため共感が生まれやすく、新たなユーザーの購入の後押しとなります。

また、仮にネガティブな口コミだったとしても、今後のブランドにおける改善点として捉えることで、より多くの消費者に支持されるためのヒントにもなります。

広告コストが抑えられる

発生した口コミを新たなユーザーが発見することで、DECAXは次々と連鎖反応していきます。

本来多くの消費者にコンテンツを見てもらうには、テレビCMやディスプレイ広告など、多額の広告費が必要となります。

しかしDECAXでは、情報拡散を消費者が行うことで、広告にかかるコストが抑えやすくなります。そのため、広告予算の少ないスタートアップ企業や、中小企業などでも取り入れやすいフレームワークと言えます。

DECAXが注目される背景

DECAXが注目されている背景には、購買行動の変化が挙げられます。

インターネットやSNS、スマートフォンなどの普及によって、消費者はより活発に情報収集を行うようになりました。

近年ではWEB広告やテレビCMといった企業からの直接的なアプローチ以外に、口コミや紹介記事といった購入に関する情報を、消費者自身が集める動きが強くなっています。そのため企業側のマーケティングとしては、WEBメディアの記事やSNS投稿を活用し、有益なコンテンツで信頼性を高めていく必要があるのです。

また、Engage(関係構築)とあるように、これまでの購買行動と比較して、消費者の反応を見ながら深い関係を築く点も重視されていることも特徴です。ものや情報にあふれた現代で消費者に選ばれるためには、「〇〇といえば△△」のような消費者の心理的なシェア(=マインドシェア)を獲得することが重要です。

DECAXの5つの要素

では実際にDECAXはそれぞれどのような要素で構成されているのか、細かく見ていきましょう。

Discovery(発見)

Discovery(発見)は、消費者が商品やサービスのことを初めて認知する段階です。

消費者は、WEBブラウザの検索やSNSなどから企業によるコンテンツを発見し、接点を持ちます。消費者は能動的に情報を集めているため、その参考や解答となるような有益な情報を与える必要があります。

ここでいう「有益な情報」とは、消費者が普段抱えているであろう疑問や悩みを解決するものです。例えばファッションであれば、季節ごとのコーディネートの提案であったり、金融サービスであれば、わかりにくい専門用語の解説などもよいでしょう。

DECAXでは、このDiscovery(発見)が起点となっているため、情報を届けたいターゲットについて深く分析を行う必要があります。

Engage(関係構築)

Engage(関係構築)は、消費者と企業との関係を深くする段階です。

消費者はDiscovery(発見)の一次情報だけでは、その製品や企業のことを深く知ろうとするケースは少ないです。そのため、企業は継続的にコンテンツを発信し、信頼関係を深くしていく必要があります。WEBメディアの記事やSNS投稿などを定期的に続け、コンテンツを蓄積しておきましょう。

また、コンテンツ発信以外にも、ユーザーのリアクションにいいねやコメントを返すことで、消費者とさらに近い距離感でコミュニケーションをとれます。

Check(確認)

Check(確認)は、消費者が製品や企業に対して、積極的に興味を持つ段階です。

消費者は、実際に購入するかどうか判断するために、製品の詳細情報や口コミ、売り手である企業の情報を調べます。

消費者は、「自分にとって必要なものか」「お金や時間といったコストを費やすべきなのか」を深く検討します。企業は、自社製品の強みやメリット、コストパフォーマンスなどをアピールし、購買を後押しします。

Action(購買)

Action(購買)は、消費者が購買にいたる段階です。

「関係」を深め、「確認」で検討した結果、自分にとって必要と判断した製品に対し、購入や申し込み、お問い合わせといったアクションを行います。

消費者が最も購入への温度感が高い状態であり、スムーズな購入完了を促します。具体的な方法は、DECAXの各段階における成功ポイントで紹介します。

eXperience (体験と共有)

eXperience (体験と共有)は製品を使用・体験し、その内容をSNSなどで共有する段階です。

消費者はあらゆる観点で感じたことを発信します。製品に対する感想や使い心地、店舗などであれば内装や接客体験なども含まれるでしょう。また、その発信自体が1つの口コミとなり、新たな顧客を生み出すきっかけとなります。

近年では、消費者自身が製品に関するライフハックを独自に編み出し、新たな使い方を提供してくれるケースも増えています。これらは企業側では想像できないような視点もあり、新規顧客の裾野を広げる可能性を秘めています。

DECAXと他の購買行動モデルとの違い

DECAXは、購買行動モデルの歴史のなかでは比較的新しいものです。では、他の購買行動モデルとはどのような違いがあるのか、振り返ってみましょう。

DECAXとAIDMAの違い

AIDMAの各要素

AIDMAはインターネットが普及する前のマス広告時代にサミュエル・ローランド・ホールが提唱したモデルです。消費行動におけるフレームワークの中でも、特にベースとなる考え方と言われています。

下記の5つの要素で構成されています。

  • Attention(認知)
  • Interest(興味・関心)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

AIDMAが提唱された当時は、インターネットやスマートフォンといった技術は普及していませんでした。そのため、SNSなどを想定した内容ではなく、DECAXよりも広義的となっています。

DECAXとAIDMAの違いとしては、以下の点が挙げられます。

    DECAXは企業と消費者との関係構築に重きを置いている
    AIDMAは購買がゴールであるのに対し、DECAXは購買後のシェア(拡散)も含まれる

DECAXとSIPSの違い

SIPSの各要素

SIPSとは、「Sympathize:共感→Identify:確認→Participate:参加→Share&Spread:共有・拡散」の4要素から成り立つ消費者行動モデルのことで、2011年に電通モダン・コミュニケーション・ラボから提唱されました。現代のSNSマーケティングを軸としたモデルです。

下記の5つの要素で構成されています。

  • Sympathize(共感)
  • Identify(確認)
  • Participate(参加)
  • Share&Spread(共有・拡散)

コンテンツマーケティングを主軸とし、共有をゴールとする点で、DECAXとSIPSは共通していますが、以下のような違いが見られます。

    DECAXは消費者の購買(Action)が前提となっている
    SIPSは消費者の参加に重きをおいており、必ずしも購買だけを目的にしていない

DECAXとULSSASの違い

ULSSASの各要素

ULSSASとは、株式会社ホットリンクが2020年頃に提唱した、購買行動モデルです。

下記の6つの要素で構成され、AIDMA、SIPSのように一直線ではありません。Spread(拡散)された消費者の投稿が新たなUGCとなる、フライホイール型であることが特徴です。

  • UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
  • Like(いいね、お気に入り)
  • Search1(SNS検索)
  • Search2(Google/Yahoo!検索)
  • Action(購買行動)
  • Spread(拡散)

DECAXとULSSASには、以下のような違いが見られます。

    DECAXはコンテンツマーケティング全般へのモデルであるのに対し、ULSSASはSNSに特化している
    DECAXは(企業ー消費者)間の関係を重視、ULSSASはほぼ消費者の行動で完結する

DECAXの各段階における成功ポイント

最後に、DECAXの各段階において成功するためのポイントをご紹介します。

D:消費者の興味関心を理解する

Discovery(発見)段階においては、まず多くの消費者の目に触れる必要があります。

そして、消費者の目に触れるためには、消費者の興味関心を理解する必要があります。

消費者の興味関心を調べる方法は、SNSやWEBブラウザの検索キーワード調査がおすすめです。

例えば、SNSで「エアコン掃除」でX(旧Twitter)を検索すると、エアコン掃除に関するユーザーの悩みや要望の投稿が見られます。あくまで定性的な情報ではありますが、コンテンツ作りのヒントに活用できる貴重な情報源です。

その他の方法として、WEBブラウザの検索キーワード調査も有効です。検索窓に入力した際に表示されるサジェストキーワードや、検索結果のページに表示される関連キーワードなどから検索意図を調査することで、消費者のニーズが見えてきます。

こうした作業によって消費者の理解度が高くなるほど、消費者に“刺さる”情報提供につながるのです。

検索意図の調べ方に関するコラムを読む

E:驚きや納得性のあるコンテンツを提供する

Engage(関係構築)では、消費者にコンテンツを発見させたのち、そのコンテンツの質を継続して提供できるかが重要です。

具体的な方法としては、SNSでの発信やメルマガ配信、LINE公式アカウントの友だち登録などが挙げられます。消費者は気に入ったコンテンツをいいねやシェアしたり、登録することで、企業との関係を深めていきます。

この時点では、自社製品の販売やPRよりも消費者とのコミュニケーションを重視すべきです。消費者にとってタメになる情報や、意外と知られていない情報、など驚きや納得性のあるコンテンツで信頼を積み重ねましょう。

特におすすめなのが、「行ってみた」「やってみた」などの体験系コンテンツです。消費者がお金や時間をかけないとできない、いわばめんどくさい部分にこそ、ニーズがつまっているのです。

コンテンツは一回きりではなく定期的に発信することで、消費者の温度感を下げることなくCheck(確認)段階に移行できます。できれば毎日、少なくとも週一回程度のペースは維持できると理想です。

C:数字でアピール

Check(確認)においては、消費者は製品のことをある程度認知し、真剣に購入検討し始めています。そのため、製品に関する具体的な特徴やメリット、スペックなどの詳細情報を提供する必要があります。

このCheck(確認)時点で提供するコンテンツで意識すべきは、必ず定量的な情報、数字でアピールするということです。

例えば、「豊富な導入実績があります!」と「5,000件の導入実績があります!」とでは消費者が受け取る情報量が全く異なります。また、別製品との比較もしやすくなるでしょう。

コンテンツのなかでアピールしたい要素は、ぜひ数字に変換できないか考えてみてください。

A:LPO・EFOを意識

Action(購買)段階においては、消費者の温度感を下げず、スムーズに購入できるようにします。そのため、LPO・EFOの観点で購入までの道のりを見直すことがおすすめです。

LPO(Landing Page Optimization)とは、「ランディングページ最適化」という意味で、コンバージョン率を上げるためにランディングページ(LP)の改善を行うことです。具体的には、コンテンツに使用している文言と、そこから遷移したランディングページの文言を統一したり、購入ボタンの配置や色味をわかりやすくしたりなどが挙げられます。

EFOは(Entry Form Optimization)は、「入力フォーム最適化」を意味しており、入力フォームの使用感や利便性を高めることで、入力フォーム自体を改善することを指します。具体例としては、入力フォームの項目を減らしたり、郵便番号から住所を自動入力させるケースなどがあります。

よくある失敗のひとつに、顧客情報を集めようと入力項目が増えていった結果、まるで巻物のようなフォームになってしまうことがあります。自分が消費者だったとして、購入するまでに「めんどくさい」「長い」と感じてしまう点がないか、一連の流れを見直してみましょう。

X:口コミの発信を促す

eXperience (体験と共有)では、製品を使った消費者が思わず投稿したくなるような環境を用意する必要があります。

例えば、購入完了ページにポイント付与をフックとして口コミ投稿を促すメッセージを設置したり、特定のハッシュタグ投稿で参加できるキャンペーンを用意することも有効です。店舗を持っている場合は、SNS映えするような特徴的な内装やオブジェなどを設置し、発信のきっかけを作ることもあります。

寄せられた口コミは新たな消費者のDiscovery(発見)につながることはもちろん、ランディングページや製品ページに掲載することで、Check(確認)段階の参考情報としても活用できます。さまざまな用途に役立てましょう。なお、企業の広告物への口コミ掲載には、投稿者本人の許可が必要な場合がありますので、注意しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本コラムでは、DECAXの基本情報から、各購買行動モデルとの違い、活用方法までご紹介しました。

DECAXは、消費者の口コミによって新たな消費者を惹きつけるという、非常に効率的な購買行動モデルとなっています。

なお下記の無料お役立ち資料では、口コミの強みである第三者訴求の効果について、詳しくまとめています。

興味のある方は、この機会にぜひご一読ください。

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この記事の執筆者

A8.netマーケティングチーム編集部

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