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ECサイトのKPI、何をどう設定すべき?基礎から改善策まで解説

ECサイトのKPI、何をどう設定すべき?基礎から改善策まで解説

  • 2023/12/05
  • 2024/08/29
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ECサイトを運営し、成果をあげていくためには、KPIの設定が欠かせません。

しかし、具体的にどんな風に設定すればよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

今回は、ECサイトにおけるKPについて、どのような項目を何に気をつけて設定すべきか、わかりやすくお伝えします。

また、KPIを達成できない際の要因や改善策についても具体例とあわせて解説します。

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ECサイトで設定すべきKPI

ステップイメージ画像

ECサイトを運営するにあたり、設定しておきたいKPIは数多くあります。なかでも重要であるとされている指標を、基礎編顧客化編認知向上編に分けて​ご紹介します。

ECサイトのKPI【基礎編】

ページビュー数(PV数)

WEBサイト運営者にとって、PV数は最も基本となるKPIと言えます。サイトがどれくらい表示・閲覧されたかを、測る指標です。

売上目標に対しての商品単価とCVRを考慮し、どれくらいのPV数が必要かを見積もります。次項の訪問数と購入割合を意識しながら目標達成までを逆算して設定しましょう。

例えば、売上目標が100万円で商品単価が1万円だとします。このとき、100人の購買者が必要です。しかし、訪れた100人全員が購入するわけではありません。訪問数のうち購入する人が1%である場合は、1万人の訪問者が必要ということになります。訪問数とPV数にも違いがありますので、関係性については次項を参考にしてください。

はじめは暫定的な数字であっても問題ありません。数か月ごとに見直し、調整してください。

訪問数(セッション数)

訪問数はPV数と違い、同じユーザーがサイトを訪れた場合には、カウントしません。何人がECサイトを閲覧しているかを測ることができ、顧客化についてのKPIを考える上でも大切な指標となります。

PV数と訪問数は、基礎的でわかりやすいため、社内のあらゆる人から改善案が出てきやすいKPIです。意見を集める中で、運用や商品に関する新たなアイデアを生み出すこともあるので、社内で有効活用してください。

購入割合(CVR)

購入割合は、CVR(コンバージョン率)と表現される指標です。サイト訪問者のうち、どれだけの割合が商品が購入しているのかを測ります。一般的には2〜3%が平均とされるため、まずは平均を目指しましょう。

計算方法
  • CVR=CV(コンバージョン)数÷訪問数(セッション数)×100

顧客単価

顧客単価とは、顧客1人が1度の買い物で購入する金額を示す指標です。ECサイトに限らず、各ユーザーがいくらの買い物をしているかを把握することは商品・サービスを提供する、あらゆる企業にとって重要です。

設定すべき額は、企業ごとの商品価格によって違いますが、売上目標や顧客数と照らし合わせて設定しましょう。

計算方法
  • 顧客単価=売上÷購買者数

カート放棄率(カゴ落ち率)

カート放棄率は、カートに商品を入れたものの購入しなかったユーザーを示す指標です。カート放棄をしたユーザーは、商品購入の直前まで検討していたとも言えます。つまり、顧客に近い存在なのです。

KPIとしては見落とされがちな項目ですが、カート放棄率を下げる施策を考えることは確実な売上アップに繋がります。

カート放棄率を算出するには、まずカートを放棄していた人の数(カゴ落ち人数)を明らかにしましょう。

計算方法
  • カゴ落ち人数=カートに商品を入れたユーザー数-購買者数

カゴ落ち人数を出した後、実際の購買者を含めたカートに商品を入れたユーザーの数で割り、100をかけることでカート放棄率が計算できます。

計算方法
  • カート放棄率=カゴ落ち人数÷購買者を含めカートに商品を入れた人数×100

ECサイトのKPI【顧客化編】

ECサイトを成長させるにあたっては、何度も買い物をしてくれる顧客を増やすことが重要です。そのために、顧客化を意識したKPIを設定しましょう。

さまざまなKPIがありますが、ここでは3つご紹介します。

顧客生涯価値(LTV・CLV)

LTVまたはCLVは、それぞれ「Life Time Value」と「Customer Lifetime Value」の略で、基本的には同じものと考えて構いません。ライフタイムという言葉が入っている通り、顧客が継続的な取引を終えるまでに(=生涯)企業にもたらす利益のことを指します。

ECサイトにおける基本的なLTVの計算方法は、次のようになります。

計算方法
  • LTV=平均購入単価×粗利率×平均購入頻度(回/年)×平均継続期間(年)

計算式に平均継続期間などが含まれるため、立ち上げ期に算出するのは難易度が高いと感じられる担当者の方も少なくありません。

しかし、あらかじめ自社製品の利用期間や頻度の設定は、より長く多くご愛用いただけるサイト・商品づくりに繋がることでもあります。早い段階で設定しておくのがおすすめです。

リピート購買率(継続率)

どれくらいの人が継続的に購入しているかを確認する指標が、リピート購買率です。計算式は、期間を定める場合と定めない場合の2パターンがあります。理想のリピート購買率は30〜50%とされています。

計算方法(期間を限定する場合:1ヶ月)
  • リピート購買率=該当月のリピート顧客数÷累計の新規顧客数×100
計算方法(期間を限定しない場合)
  • リピート購買率=2回以上購入した顧客数÷これまで1度でも購入した顧客数×100

顧客満足度(CSAT)

顧客満足度は、「Customer Satisfaction」の略でCSATとも表現されます。「満足しているかどうか」というのは、感情の問題であり、定性的なチェックが必要です。しかし、KPIとしては数値で換算できる形で設定するのが一般的です。測定方法としては、アンケートの実施を行い、その上で数値化する方法が定番となっています。

計算方法
  • 顧客満足度=「満足」と回答した顧客数÷アンケートの全回答数×100

ECサイトのKPI【認知向上編】

ECサイト内のKGIやKPIが決まっても、実際にユーザーがサイトに来てくれなければ意味がありません。

そこで、認知向上のために広告やSNSを活用する際に設定したいKPIを4つ、ご紹介します。

クリック率(CTR)

WEB広告活用において、最もメジャーな指標と言えるのが、CTRです。CTRは「Click Through Rate」の略で、広告が表示された回数のうち、クリックされた数の割合を算出します。広告をクリックした遷移先としてECサイトのページを設定している場合には、PV数や訪問数に関わる重要な指標です。計算式は次のようになります。

計算方法
  • CTR=クリック数÷表示回数

獲得単価(CPA)

「CPA」(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)とは、成果獲得(CV/コンバージョン)1件にかかった費用のことを指します。ECサイトの場合は、購入のことをコンバージョンと定義するのが一般的です。CPAは下記の計算方法で算出できます。

計算方法
  • CPA=広告費用÷コンバージョン数

流入数

SNSを活用する場合は流入数がKPIの1つになります。流入数はSNS経由でECサイトに訪れた人の数を指し、各SNSやSNS支援企業が提供している分析ツールなどで確認ができます。また、ECサイト側にアクセス解析ツールを導入することで、複合的に各SNSからの流入数を把握することも可能です。

エンゲージメント率

SNSの投稿に反応したユーザーの割合を、エンゲージメント率と言います。
いくつかの算出方法がありますが、次の式がわかりやすく一般的です。

計算方法
  • エンゲージメント率=投稿に反応したユーザー数÷投稿を見たユーザー数×100

多くの人に投稿が見られたとしても、ユーザーが何の反応もしていない場合、情報が届いたとは言えません。一方で、少ない人数に見られた投稿であっても、その多くがいいねやよいコメント(=エンゲージメント)を残していれば、それだけの人たちに確実に情報が届き、さらによい印象を与えたことがわかります。

KPI設定のポイント

まずはKGIを設定する

KGIを設定することなく、細かいKPIを設定・達成する方法でも、売上は上がるかもしれません。しかし、ゴールが明確でなければ、企業のプロジェクトとしてECサイト運営が成功しているのかどうかを判断できません。

なんとなく100万円が売り上がった月もあれば、なぜか50万円しか売り上げがなかった月もある、という漠然とした運営では、事業の安定化を図ることができません。必ずKGIを設定し、そのために細分化したKPIを設定しましょう。

KPIツリーを作成する

ここまで見てきたように、KPIとしてはさまざまな指標を設定できます。また、あるKPIが上がった結果、連動して他のKPIも上がることもあります。そのため、どのKPIが相互作用するのか、どのKPIが並列なのかなどを可視化し、整理することで目標達成へのプロセスがわかりやすく、より効率的にゴールを目指せます。

KPIツリーとは、次のようなものです。KGIを最上位に置き、それに必要なKPIを配列していきましょう。

KPIツリーイメージ画像

KPIツリーを作成しておけば、自分が何を担当しているのか、どこにリソースが必要なのか、それはなぜなのかを、チームメンバーや上司などに説明する際にも役立ちます。

SMARTの法則を活用する

KPIの設定に欠かせないのが、SMARTの法則です。

SMARTの法則は、ECサイトに限らず、ビジネスや学業や人生設計など、さまざまなシーンの目標設定において活用されています。

(Specific、Measurable、Achievable、Realistic、Time-bound)の5つの言葉の頭文字をとって名付けられました。

SMARTの法則イメージ画像

これは、KGI設定の際にも不可欠な視点です。大きなゴールを描くことも大切ですが、現実的に達成できる数値を目標として掲げましょう。

KPIを活用してECサイトを改善する方法

改善イメージ画像

KPIを設定しても、目標値を達成できないことがあります。そんなときは、設定したKPIの数値を見直しが必要です。ECサイトの改善も検討しましょう。

KPIの数値を見直す

SMARTの法則に従い、改めて現実的な数値を掲げ直すことが大切です。自社に必要な売上という目線だけでなく、市場の相場と比べて、目標が高すぎないかを確認しましょう。そのために、市場調査や競合調査を行うことも重要です。

ECサイトを改善する

達成できていないKPIから、ECサイトの改善点を特定することができます。例えば、購入割合、顧客単価、カート放棄率の3つを改善するには、どうすればよいでしょうか。それぞれの例をご紹介します。

購入割合が低い場合

購入割合が低い場合は、ユーザーがサイトに訪れているものの購入に至っていない、という状況となります。ECサイトの改善点としてチェックしたいのは、次のようなことです。

あくまでも一部ですが、参考にしてみてください。

  • 消費者の意識の変遷
  • 商品の全容がわかりやすいか
  • 欲しいものを検索しやすいか
  • 文字が多くて見づらくないか
  • 価格が明示されていて把握しやすいか
  • 写真や動画が重く読み込み時間がかかりすぎないか

顧客単価が低い場合

顧客単価を上げたい場合、主なECサイトの改善策としては、他の商品を見つけやすい構造にすることです。ユーザーが決済画面へと遷移するステップにおいて、購入しようとしている商品だけでなく、関連商品やおすすめ商品が目に入るようにデザインしましょう。

カート放棄率が高い場合

カート放棄率が高い場合、一因として、決済までの手順が面倒であることが考えられます。住所やクレジットカード情報の入力など、登録項目が多すぎないかチェックしましょう。入力しづらい仕様になっていないか、手順が複雑でないかなども確認しましょう。

まとめ

今回はECサイトで設定すべきKPIや設定方法について、お伝えしました。
設定や改善のヒントを掴んでいただけましたでしょうか。

ECサイトで成果をあげるためにできること、やるべきことをもっと知りたいという方は、A8.netが提供する「ECサイトの始め方完全ガイド」を、ぜひご覧ください。

始め方ガイドには、すでに運営されている方々にも、改めて見直していただきたい情報がつまっています。以下から、お気軽にダウンロードしてください。

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この記事の執筆者

A8.netマーケティングチーム編集部

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