Z世代とは、主に1990年代後半から2000年代頃に生まれた人を指します。「デジタルネイティブ」とも呼ばれるこの世代は、周辺の社会環境や情報収集の方法など、さまざまな点で独自の考え方、価値観を持っています。
Z世代をターゲットとしたマーケティングを行う場合、どのような特徴があるのか、どんな訴求が刺さりやすいのかを理解することで、販売効果が飛躍的に上がります。
このコラムでは、Z世代の特徴と消費行動、効果的なマーケティングをご紹介します。
「今のZ世代は何を求めているのか、言語化できていない」
「Z世代に刺さるマーケティングのコツを知りたい」
といった方はぜひご覧ください。
Z世代とは?
Z世代の定義・特徴
Z世代は明確な定義はないものの、主に1990年代後半から2000年代頃に生まれた人を指しています。この「Z世代」という表現については、元々欧米諸国において1960〜1970年代生まれの人を指す言葉を「Generation X(=X世代)」と呼称したことが由来です。以降「Y世代」「Z世代」「α世代」と続いていきます。
Z世代は生まれたときから、最先端のインターネット環境や電子機器に触れる機会が豊富であることが一番の特徴です。そのため、デジタル技術を活用することに抵抗感がなく、むしろそれらに囲まれた環境が当たり前になっている世代です。
特にSNSの利用率は非常に高く、株式会社テスティーがZ世代である中学・高校・大学生約4200人に対し実施した調査によれば、「SNSを利用している」と回答した割合はすべて95%以上を超えています。
出典元::ITmedia ビジネスオンライン Z世代がよく使うSNS 2位「Instagram」、1位は?:Z世代4200人にアンケート(参照 2023-09-20)
これらのことから、Z世代は「デジタルネイティブ」や「ソーシャルネイティブ」とも呼ばれています。
X世代、Y世代、α世代との違い
続いて、Z世代と他の世代との違いを比較してみます。
X世代、Y世代においては、インターネットやスマホ、SNSといった情報収集する手段が大きく変わる出来事があったのに対し、Z世代はすでにそれらが十分に普及した環境が整っています。そのため、情報を入手し、消費するスピードが非常に早く、デジタル技術を使いこなす能力が高いと言われています。
これらは商品やサービスに対する消費行動にも色濃く反映されています。Z世代は早い段階で多角的な情報に触れることで、独自の価値観を形成しているのです。
具体的な消費行動の特徴は「Z世代の消費行動・購買における特徴」でご紹介します。
Z世代に企業が注目している理由
Z世代に対するマーケティングへの注目度は、今後高まっていくことが予想されます。
その理由として、下記の2つが挙げられます。
SNSなどの「個の発信」による消費
X世代、Y世代以前の時代はオフライン→オンラインへ発展する狭間でもあり、交友関係や仕事など、生活が実環境に強く結びついていました。そのため、自身のコミュニティが限定的な範囲になることも多くありました。
しかし、現在のZ世代はSNSやインターネットなど外部と繋がる手段がすでに整っています。自ら居心地の良い環境を見つけやすくなったことで、個人個人の発信力が高まっているのです。
Z世代に商品やサービスが刺されば、SNSなどで紹介してくれる可能性(=UGC)もあり、それを見た別のユーザーが購入する好循環に繋がる可能性も秘めています。これにより企業は広告費をかけずとも、認知拡大や新規顧客の獲得ができます。
その他のメリットは下記のコラムで詳しく紹介しています。
今後の消費行動の中心となる
当然ながら、時間の経過とともにZ世代は将来の消費行動の中心を担う存在に切り替わっていきます。仕事の昇進や結婚といったライフステージの変化によって、さらに消費行動の幅が広がり、さまざまな業界においてビジネスチャンスが生まれます。
ターゲット分析と市場開拓を行い、早めの参入を進めることで競合他社に差をつけることが重要です。
実際、テテマーチ株式会社が企業の経営・経営企画・広告・宣伝などの担当者300名に実施した調査では、「ビジネスのターゲットとして最も注目している世代は?」という設問に対し、Z世代が26.7%で最多となっています。
出典元:テテマーチ株式会社 【企業担当者が注目している世代とSNSメディアに関する調査】ビジネスにおいて最も注目している世代は【Z世代】が1位,(参照 2023-09-20)
Z世代の消費行動・購買における特徴
ではZ世代は商品やサービスに対する消費行動、購買においてどのような傾向があるのでしょうか。
- 情報リテラシーが高い
- 「モノ」消費ではなく、「コト」消費である
- コスパ・タイパ重視である
- 多様性と自己表現を重視する
情報リテラシーが高い
Z世代は生まれたときからSNSやインターネット、スマホといった最新のデジタル技術に触れており、なおかつ使いこなすことができます。複数のSNSを活用し、自分にあった情報を受け取る環境を構築しており、その中から必要な情報を集めて購買するかを検討していきます。
-
具体例
- SNSでお気に入りのインフルエンサーの投稿をきっかけに商品を知る
その投稿についたいいね数やコメント内容を元に情報収集し、購入 - SNS経由で友人がシェアした投稿をきっかけに興味を持つ
その商品を口コミサイトで検索し、評判が高いことを知り、購入
Z世代はSNSから受け取る情報をそのまま鵜呑みにせず、自分自身の体質や生活環境などにあっているかを見極めた上で消費行動に移します。企業が発する情報よりも、お気に入りのインフルエンサーや友人の投稿など、第三者の口コミや評価を重視する傾向にあります。
「モノ」消費ではなく、「コト」消費である
Z世代はブランド物や高級品を欲するといった「モノ」に対する消費よりも、それを手に入れることによってどんな経験、体験が得られるかといった「コト」に対する消費を重視します。サブスクやレンタルサービスといったサービスを活用することで、「持たざる暮らし」を送る人も少なくありません。
Z世代は上記のコト消費に加え、「エモ」消費、「ヒト」消費という新たな消費行動も複合的に持っています。
-
エモ消費:精神的(=Emotional)な満足感を得る消費行動
例.「あえて」レコードで音楽を聞く、インスタントカメラで写真を撮る -
ヒト消費:自身が好きな人物やキャラクターなどに関連する消費行動
例.アイドルを応援するためにグッズを購入する、イベントに参加する「推し活」
いずれの消費行動も共通して、体験や経験そのものを重視していることが特徴です。
コスパ・タイパ重視である
コト消費を重視するZ世代にとっては、モノに対する価値自体より、実用性や効率性を優先する傾向が高いです。
自分が支払うコスト(=お金)に対して、どの程度の満足感が得られるのか、コスパ(コストパフォーマンス)を十分に検討します。平たく言えば、「買い物で失敗したくない」という意識が強いとも考えられます。
また、物事に費やす時間(タイムパフォーマンス、タイパ)についても意識が高いことも特徴です。Z世代は周囲から受け取る情報量が非常に多いため、「時間のムダ」と判断すると他のコンテンツやサービスに意識が切り替わります。
先に紹介したエモ消費とは矛盾するようにも思えますが、興味や満足感を得られるものに対してのみ時間を割きたいという点では、両立する要素があります。
多様性と自己表現を重視する
Z世代はSNSを中心に多様なコミュニティに触れる機会が多く、ファッションや趣味嗜好、思想の違いといった個性を理解し、尊重する価値観を持っています。新卒の就職活動におけるスーツや学校の男女別制服の廃止など、画一的な制度や考えを改める動きを耳にする機会も多くなりました。
そうした中で、自分自身をどのように表現するかも重視します。購買に関しても自分自身がどう感じるかが主体にあり、「みんなが持っているから買う」というよりも「自分が価値を感じるか」を基準にしています。
特定の商品やサービスを買うという行動(=表現)に自分自身が納得できるかが軸にあり、それこそがZ世代にとっての自分らしさを形成する大きな要素となっているのです。
Z世代に効果的なマーケティングの方法
ではZ世代に対して効果的なマーケティングを行うにはどのようにすればよいか、ポイントをまとめてご紹介します。
製品への想いやブランドストーリーを伝える
Z世代にとって「製品を買う」ことは「価値を見出す」ことに繋がっており、わかりやすく言えば「商品やサービスが生む価値に共感できるか」ということでもあります。
Z世代が自身の価値観とすり合わせをする中で重要なのは、製品に対する想いやブランドストーリーに共感できるかです。そのためには企業側から積極的に製品の開発背景やコンセプトを発信していく必要があります。ブランドの世界観を伝えるために、SNSの投稿内容に統一感を持たせるといった方法も有効です。
一般的なマーケティングにおいては、「安い」や「使いやすい」といった購入することのメリットを推し出すことが多いです。しかしZ世代に対しては、その製品を購入することでどのように社会に貢献できるのかや、どんな意義があるのかといった購入する意味合いをイメージさせることがよいでしょう。
近年ではSDGsやジェンダーレスといった社会問題に対する関心も高まっているため、製品だけでなく企業単位でそれらに関する姿勢を発信することも効果的です。株式会社SHIBUYA109エンタテイメントがZ世代400名に実施した調査によれば、SDGsや社会的課題に取り組む企業に対して約7割がポジティブな印象を持つという結果が出ています。
出典元:株式会社SHIBUYA109エンタテイメント Z世代のSDGsと消費に関する意識調査,(参照 2023-09-20)
複数のチャネルから情報発信する
情報収集する方法が多様化した現代において、Z世代はさまざまなチャネルから情報を受け取っています。また、状況に応じて適切なチャネルを自在に使い分けられることも強みと言えるでしょう。
そうしたZ世代に対して、製品や会社の存在を認知してもらうには、企業側も複数のチャネルから情報発信する必要があります。
例えば、Z世代はSNSで知った商品を購入する前に動画サイトで検索し直したり、公式サイトを確認して情報を補完していきます。そうした中でどこかで情報が足りていないと、せっかく興味を持ったとしても購買まで進まない可能性が出てしまいます。複数のチャネルに情報を投下し、ユーザーを「温める」意識を持っておきましょう。
複数のチャネルを活用した方法は以下のコラムでご紹介しています。
体験価値を提供する
コト消費を重視するZ世代は、製品を購入する事実ではなく、そこから得られる体験によって購買が左右されます。
そのため、購入することによってどのような体験が得られるかを訴求していくことが重要です。サービスであればこれまでの生活がどう変わるか、食品などの物販であれば食べることでどんな気持ちになるかなど、購買後に得られる体験価値をイメージさせましょう。
Z世代は、自身が気に入った製品を使っている姿をSNSに投稿する動きも活発です。SNSの口コミ経由で認知度を広げていくために、思わずシェアしたくなる体験を提供することが重要です。
- 他の人に伝えたくなる話題(=ニュース)かどうか
- 他とどのような違いがあるのか
上記の2点を軸として体験価値を構築していくとよいでしょう。
Z世代の消費行動を引き出した成功事例
最後に、Z世代に対して効果的なマーケティングを行っている企業事例を3つご紹介します。
SEA BREEZE(シーブリーズ)
/
— SEA BREEZE(シーブリーズ) (@seabreeze_1902) November 4, 2022
今日は #いい推しの日 !
\
人生を豊かにしてくれる、尊い推しの存在…🥺✨#シーブリーズ は全8色で#推し活 にもぴったりって知ってた?
推しのメンバーカラーやイメージに合う色がきっとあるはず🌈
日常生活やイベントでシーブリーズを持ち歩いて、キミの推しを応援しよう!
株式会社ファイントゥデイホールディングスのデオドラントブランド「SEA BREEZE」は、中高生をターゲットとした商品展開が人気を博しています。
主力商品であるデオ&ウォーターは香りごとに異なるカラーのボトルを展開していますが、公式SNSでは、このカラーバリエーションを「推し活」と絡めて訴求を行っています。
現在は終了していますが、ボトルに文字入れできるキャンペーンを行い、ユーザーが好きな人物やキャラクターの名前を入れてオリジナルの推しグッズが作成できることが話題になりました。
その他にも人気アニメとのコラボ商品展開やアイドルグループのCM起用でSNS上で80万以上のインプレッションを獲得するなど、常にターゲットの興味関心を捉えたマーケティングを行っています。
チェキ
富士フイルム株式会社のインスタントカメラ「チェキ」は、スマホのカメラ機能にはないアナログさがむしろ新鮮味となり、人気となっています。
チェキは1990年代後半に販売開始され、一時は年間100万台販売するヒット商品でしたが、4年間ほどでブームが過ぎ去ると、一気にピークの10分の1まで売上が縮小していました。
しかしチェキの特徴である写真の現像機能がZ世代の間で話題となり、実際に何が撮れたかわからないワクワク感、アナログな過程が「エモい」体験として、ブームの再燃になりました。2018年には、世界で年間1000万台の販売を達成しています。
人気の背景には過去の一大ブームからの低迷、そして復活というブランドストーリーに加え、一瞬を切り取るコミュニケーションツールとしての特別感が新たな価値に加わったことが考えられます。
引用元:富士フイルム株式会社 インスタントカメラ【INSTAX<チェキ>】公式サイト
出典元:PRESIDENT Online スマホ全盛のいま、なぜ「インスタントカメラ」が年1000万台も売れているのか,(参照 2023-09-20)
ほろよい
サントリーホールディングス株式会社のアルコール飲料「ほろよい」のCMでは、一般的なお酒のCMで見られる味や飲みごたえなどに関するアピールを抑え、ゆったりとした空気感や雰囲気をメインに推し出しています。
レトロ感のあるイラストを使った映像と、『やさしい気持ち』や『今夜はブギー・バック』といった90年代の懐かしい名曲に「チル」要素を入れてアレンジした音楽が印象的です。
CMでは商品そのものをPRするのではなく、その商品でチルする「体験」にフォーカスされており、Z世代のコト消費に刺さるマーケティングを展開しています。
引用元:サントリーホールディングス株式会社 ほろよい公式サイト
まとめ:Z世代に刺さるSNS選びをしよう!
いかがでしたでしょうか。
本コラムでは、Z世代の消費行動に注目し、その特徴やマーケティングのコツを紹介しました。
Z世代へのマーケティングにおいては、SNSやインフルエンサーを中心としたキャンペーンが有効です。
下記の資料では、各SNSにおけるマーケティングの特徴や広告相場をまとめて紹介しています。ターゲットに適したSNS選定は必須とも言える要素ですので、この機会にぜひ無料でダウンロードください。